IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月14日

そーしゃるしーあーるえむ

ソーシャルCRM

ソーシャルメディアを用いて顧客との関係性を構築・管理すること

英字

POINTソーシャルCRMとは

ソーシャルCRMとは、ソーシャルメディアを用いて顧客との関係性を構築・管理すること、また、それを実行するシステムのことです。ソーシャルメディア上で顧客とのコミュニケーションをおこない、顧客満足度を高めることを目指します。また、顧客の興味関心だけでなく、顧客の様々な情報を入手できることもソーシャルCRMの特徴です。

例えば、ソーシャルメディア上でのユーザーからの質問に企業の公式アカウントが直接答えたり、ソーシャルメディアを用いたユーザー参加型のキャンペーンを実施したりすることがソーシャルCRMに当たります。

CRMとは

CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、顧客関係管理のことです。顧客との関係性を構築・管理すること、また、それを実行するシステムのことです。CRMは、顧客との関係性を良好に保つことで、顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を目指します。

CRMでは、顧客情報のデータベースの管理やメール・クーポンなどの配信、ソーシャルメディアにおける顧客とのコミュニケーションなどを通じて顧客との関係性を向上させます。CRMをするときは、それぞれの手段を顧客に合わせて効果的に打つことが重要です。

ソーシャルCRMをするメリット

ソーシャルCRMをするメリットとして大きく4つ挙げます。

①顧客の反応がスピーディであることです。ソーシャルメディアによって、よりリアルタイムな顧客の反応を知ることができます。

②顧客の本音を知ることができることです。アンケートなどで集める情報よりも、ソーシャルメディア上の書き込みは本音で書かれていることが多いので、より生の声を取り入れることができます。

③顧客との距離が近いことです。ソーシャルメディア上で顧客により親身な対応をすることで、企業に対して親近感が沸き、イメージの向上につながるかもしれません。

④評判が拡散していくことです。ソーシャルメディアは拡散力があり、ソーシャルメディア上での優れた顧客対応が拡散され、イメージアップにつながる可能性もあります。

ソーシャルCRMのリスク

ソーシャルCRMをおこなう上でのリスクを大きく2つ挙げます。

①第三者がデマを流す可能性もあることです。ソーシャルメディアは匿名で誰もが情報発信できる場であり、企業のなりすましアカウントや虚偽の情報が横行してしまうかもしれません。また、せっかくソーシャルCRMのための公式アカウントを作っても、本当に企業の公式アカウントだと認知されるまでに時間が掛かることもあります。

②炎上してしまうとイメージダウンにつながる可能性もあることです。ソーシャルメディアは拡散力があり、親切な顧客対応や適切な情報発信は良い評判を生みますが、不適切な発言や対応などが拡散されると、企業自体に対する世間からのイメージが悪化してしまう恐れがあります。

ソーシャルCRMが普及した背景

ソーシャルCRMが普及した背景には、ソーシャルメディアの普及があります。

ソーシャルメディアが普及する前、それ以前の一般大衆に向けたマスマーケティングに対し、顧客自身に合わせてDMやクーポンの配布などをおこなうCRMを重視したマーケティング(One to Oneマーケティング)が主流となっていました。

しかし、ソーシャルメディアの普及により、顧客の趣味趣向や交友関係、気分など詳しい情報を知ることができるようになり、それがマーケティングに生かされるようになりました。こうして、単なるOne to Oneマーケティングから、顧客とのもっと複雑なコミュニケーションを利用したマーケティングがおこなわれるようになり、ソーシャルCRMが重要視されるようになりました。

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ソーシャルCRMの使用例

「ソーシャルCRMツールでSNSの情報を分析してみよう」

ソーシャルCRMツールを使えば、SNS上の大量の情報を解析してマーケティング戦略に生かすことができます。ほかにも、投稿者に対する返信などの機能があることもあります。

「ソーシャルCRMをするためにSNSの公式アカウントを作ろう」

SNSの公式アカウントを運営することはソーシャルCRMの手段の1つです。親身な対応や適切な情報発信を通して、顧客との関係性を向上させることができます

「ソーシャルCRMを活用して顧客ロイヤルティを上げよう」

ソーシャルCRMは、顧客との関係性が良好にすることで、顧客ロイヤルティの向上を目指します。

「顧客のリアルタイムの声をソーシャルCRMを用いて調査する」

ここでのソーシャルCRMは顧客との関係性を管理するシステムのことを指しています。ソーシャルCRMを用いることで、ソーシャルメディア上の顧客情報を管理してマーケティングに活用することができます。

ソーシャルCRMに関係した気になる話題

ソーシャルCRMの事例

ソーシャルCRMの事例として、大きく2つ紹介します。

1つ目の事例は、Twitter分析から若い顧客の生の声を把握するという事例です。業務用カラオケシステム「DAM」を利用する顧客の意見をソーシャルCRMシステムを利用しTwitterから分析することで、従来のweb調査やアンケートなどに比べてより速く正確なデータを得ることができました。若い世代に今好まれる楽曲やサービスの提供について、リアルタイムの情報をすぐに得ることができるというソーシャルCRMのメリットを生かした事例です。

2つ目は企業の公式アカウントを運営し、自社のイメージ向上を目指す事例です。こういった公式アカウントには、自社の宣伝要素が強すぎず、顧客一人一人に対しての対応があり、親近感を持ってもらいやすいという特徴があります。特に、シャープの公式アカウントなどは、ソーシャルCRMの成功例とも言えます。


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