IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月19日

きゅーしーでぃー/きゅーしーてぃー

QCD / Quality Cost Delivery

製造業の生産管理をおこなう上で重要な3つの要素の頭文字を取ったもの

別名
英字

POINTQCD / Quality Cost Deliveryとは

QCDとは、製造業の生産管理をおこなう上で重要な3つの要素を表したものです。それぞれ「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」を表していて、設計・生産時にこの3つを意識することにより、生産効率の向上を目指します。QCDには優先順位があり、「Quality(品質)」が最優先だと考えられています。
QCDの3つの要素はトレードオフの関係性になっていて、相互的に作用します。どれか1つの要素だけを重視するのではなく、3つのバランスを取ることが重要です。

また、「Delivery(納期)」の代わりに「Time(時間)」を入れて「QCT」とする場合もありますが、意味は変わりません。

QCDのバランスが大切

QCDの3つの要素とそれぞれにおける施策

QCDを意識し、生産プロセスを改善するためには、3つの要素それぞれに対して改善施策を講じることが重要です。
「Quality(品質)」における施策の1つに、製品の品質基準を設けることが挙げられます。また「Cost(コスト)」においては、事前に必要コストを計算して予算を立てたり、価格変動が起きた場合はその都度調整するなどの施策が考えられます。「Delivery(納期)」における施策としては、生産スケジュールの組み立て・確認などが考えられます。納期に関しては、単純に作業する人手を増やせば作業速度が上がるとは限らないので、注意が必要です。
トレードオフの関係性に注意し、どれか1つの要素だけではなく、全体的なバランスを改善することを意識しましょう。

生産プロセスを改善するための手順

生産プロセスを改善するための手法の1つに、以下の手順があります。
・現状分析
まず、業務フローを把握や現場のヒアリングなどをおこない、現状と課題を調査します。
・改善策の立案・実施
次に、見つけた課題をもとに改善策を立案、実施します。このとき、改善策の実施にかかるコストと得られる効果を比較することが重要です。
・効果検証・改善
改善策を実施した後、得られた効果を検証し、必要に応じて改善を図ります。これにより、継続的にQCDの向上を目指すことができます。

QCDの進化版「EQCD」とは

現在、QCDに「Environment(環境)」を加えたEQCDが重要視されるようになってきました。地球温暖化など環境問題の深刻化の影響を受けて、製造業にとって「環境」も欠かせない要素となってきたからです。
また、企業の社会的責任とも関連しています。持続可能な社会をつくるため、モノを生産する際、環境に悪影響を及ぼすものを使用するべきではないと考えられているからです。

その他の派生語「QCDS、QCDF」

QCDの派生語として、EQCD以外にも「QCDS」や「QCDF」などがあります。
最終製品を販売する企業では、QCDの3つの要素に「Service(サービス)」または「Support(サポート)」のSを加えた「QCDS」とする場合があります。これは商品に関するアフターサポートや問い合わせサービスを指しています。
また、建設業では「Safety (安全性)」のSを加えて「QCDS」としています。
QCDにFを加えて「QCDF」とする場合もあります。Fは「Flexibility(柔軟性)」を表していて、状況の変化に応じて柔軟に対応するという意味が込められています。

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QCD / Quality Cost Deliveryの使用例

「我が社の生産ラインはQCDを意識している」

QCDは、製造業の生産管理をおこなう上で重要となります。生産時だけでなく、設計時にも活用することができます。

「今まではQCDだったが、来年度からはEQCDに変更しよう」

近年、環境問題と企業の社会的責任が重要視され、QCDに「Environment(環境)」を加えたEQCDが提言されるようになりました。

「サービス業でもQCDの概念を活用できるか?」

製造業だけでなく、サービス業でもQCDを活用することができます。業務の最適化を図ることで、顧客満足度の向上と収益向上の両立を目指します。

QCD / Quality Cost Deliveryに関係した気になる話題

サービス業におけるQCD

サービス業では製造業同様、QCDを活用して業務の最適化を図ることができます。
この場合、「Quality」はサービスの品質、「Cost」は売上原価、「Delivery」はサービスの提供を意味します。これにより、品質のよいサービスの提供によって顧客のニーズを満たすと同時に、売上原価を適切に保ち、収益を確保することを目指します。


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