インタラクションは、英語の「inter/相互に」と「action/作用」を合成したものです。
基本的な意味は「人間が何かしらのアクションを起こしたとき、相手側のシステムなり機器がそのアクションに対応したレスポンスをする」ということです。
例えば、テレビのリモコンの電源を押す(アクション)とそれに反応してテレビの電源がON/OFF(レスポンス)になること、改札でICカードを使用する(アクション)と改札が開く(レスポンス)ような関係はインタラクションにあたります。
もし製品やシステムにインタラクションがなかったとしたら、それらは価値がなくなるといってよいでしょう。
「PCのキーボードを叩いても何も表示されない。」「マウスを動かしてもカーソルがビクともしない」
インタラクションが成立していないと上記のように、製品が機能を発揮することがなくなり、存在する意味がなくなってしまいます。
こういったことから、世にある製品やシステムのほとんどはインタラクションでできていると言うことができ、インタラクションは重要だということが理解できます。
インタラクティブマーケティングとは、企業と顧客の双方向のコミュニケーションを引き出すマーケティング手法を指します。
SNSやQ&Aなどのコンテンツがイメージしやすいですが、コールセンターや訪問販売なども相互にコミュニケーションが発生するため、インタラクティブマーケティングに該当します。
インタラクティブマーケティングが普及した背景には
「インターネットの普及により、情報量が膨大になったことで企業からの一方的な情報の価値が下がった。」
「SNSやブログなどでユーザーが情報を発信する機会が増えたことで、企業がユーザーの意見を受け取りやすくなった」
といったことが挙げられます。
情報の発信側と受け手側に分かれる従来のマーケティング手法と違い、双方向で情報の発信と受け取りを行うことで、顧客の満足度向上につなげることができます。
インタラクションデザインとは
インタラクションデザインとは、「操作感」や「ユーザーのストレス軽減」などの要素を考慮して商品・サービスのデザインを設計することです。インタラクションデザインを設計する際は、以下の3つの要素を考慮しましょう。
要素①情報
消費者に対して負担のかかる情報量や配色は避け、必要な情報を快適に伝えるデザインにする必要があります。
要素②視覚的要素
消費者に対して必要な情報を適格に提示するために、アイコンなどの視覚的要素を考慮する必要があります。
要素③レスポンス時間
消費者が何かアクションしようとしたとき、時間がかかると消費者はストレスを感じてしまうことがあります。インストラクションデザインの設計は、売上にも大きく関係する要素ですので十分に考慮することが必要です。
インタラクションデザインのメリット
インタラクションデザインを導入することで、ユーザーは使い心地が良くなり、企業側は製品の売上増加や企業イメージの向上につながります。ユーザー側と企業側で分けて、より詳しくメリットを紹介します。
ユーザー側のメリット
・操作を簡単にすることで、多くの人が利用できる
・誤操作を防いで無駄な作業時間を短縮できる
・視覚的に操作できるため説明書を詳しく読む手間が減る
企業側のメリット
・エラーや不具合が起きづらくなる
・問い合わせの件数削減
・売上や企業イメージのUPにつながる
このようにインタラクションデザインを取り入れることでユーザー側にも企業側にもたくさんのメリットがあります。
インタラクションデザインのデメリット
インタラクションデザインのデメリットは「手間がかかる」「ノウハウを保有してないと設計が難しい」「常に新しい情報を取り入れていく必要がある」といったことが挙げられます。
例えばWebサイトのデザインでインタラクションデザインを取り入れる場合は、イメージをイラストにしたものだけでは、なかなか効果を実感することが難しいです。
そのためプロトタイプを作成してクライアントや実際に使用するユーザーに試してもらうことで、デザインの良し悪しを確認する必要があります。
また、インタラクションデザインは日々進化しており、新しい技術や成功の事例などを常に集めていく必要があります。
このようにインタラクションデザインを効果的に活用するには、手間と時間が多くかかります。しかし、それだけの手間や時間をかけてでも、インタラクションデザインによるメリットは大きいものです。
インタラクションの概念は人と物だけでなく、人と人との間でも成立します。
人対人のインストラクションは、「人間が何かしらのアクションを起こしたとき、相手側の人間がそのアクションに対応したレスポンスをする」ことを指します。
例えば、誰かに挨拶をすると返事が返ってくることは、人対人のインタラクションであるといえます。
インタラクティブの派生用語
インタラクティブがつく言葉の中で、代表的なものとして以下があげられます。
・インタラクティブシステム
「双方向にやり取りができるシステム」のことを指します。
・インタラクティブコミュニケーション
「双方向でやり取りをするコミュニケーション」のことを指します。
・インタラクティブメディア
「双方向にやり取りををするメディア(媒体)のことを指します。スマートフォンのアプリもインタラクティブメディアの一種です。
・インタラクティブアート
「双方向にやり取りをするアート(芸術)」のことを指します。顧客と作品の間でおこるインタラクションを意味します。
・インタラクティブマーケティング
「企業と消費者との双方向の情報のやり取りにもとづくマーケティング」のことを指します。
「インタラクション」を調べた人はこの用語も調べています
「インタラクティブの対義語って何ですか?」
直訳すると「双方向」という意味になるので、対義語は「一方通行」になります。
「クラスルームインタラクションとは何ですか?」
「教室内での先生と生徒のやり取り」のことです。
先生の質問、説明などの”投げかけ”に対し、生徒がどんな”反応”をするのか、そのやり取りのことを指します。
「ユーザーインタラクションを導入しよう」
主にネットやゲーム業界、マーケティング業界で使われる言葉です。
「ユーザー参加型」という表現もされます。ユーザー自身がプレイヤーとして能動的に参加、体験できる状態を指します。
「インタラクションは機械同士でも成立します」
インタラクションは二つ以上の存在がお互いに影響を及ばし合うことであり、人対人、人対機械、機械対機械などでもあてはまります。
身近にあるインタラクション
例えばスマートフォンです。スマートフォンでYouTubeを閲覧するとき、再生ボタンを押すと動画が再生します。これは再生ボタンを押すという行動に対して、スマートフォンが動画を再生するという応答をしたといえます。
ほかにも公園の蛇口で水を出したいと思ったときは、蛇口のハンドルをひねると水が流れます。これも蛇口のハンドルをひねる行動に対して、蛇口が水を流すという応答をしたといえます。
このように、身近にインタラクションが成立しているものは数多くあります。
ゲームを進化させる「インタラクティブミュージック」とは
インタラクティブミュージックとは、「状況に応じて変化する音楽」のことです。インタラクティブミュージックは、主にゲームなどで操作をより充実させる目的で使用されています。例えば、ステージごとにBGMが変化したり、ボス戦の終盤でBGMのテンポが早くなったりするといったことが挙げられます。
インタラクティブミュージックは、ゲームの操作の盛り上がりや臨場感を与えることができ、活用することができればゲームのユーザビリティを高めることができます。
ユーザーとのコミュニケーションをデザインするインタラクティブデザイナー
インタラクティブデザイナーは、考え抜いた動作で魅力的なインターフェイスを作り上げることで、使い勝手の良い製品をデザインします。
ネット環境や技術の発展により、凝ったデザインや操作性の高いデザインの作成が可能になりました。こういった背景からインタラクティブデザイナーという職業の需要は年々高まっています。
インタラクティブデザインは、利便性を向上させたり、新しいデザインを取り入れることで、ユーザーが満足できるデザインを作り上げるものです。
そのため「ユーザーを喜ばせたい」「ユーザーを驚かせたい」といった方に向いています。また、プログラミングの知識があるとデザインの幅を広げることができるため、もともとプログラミングを生業としていた人も活躍している傾向にあります。
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