IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月9日

ぶらんどあいでんてぃてぃ

BI / ブランドアイデンティティ

企業の自社の製品・サービスが競合他社のそれとどこが違うかを明確に示すもの

英字

POINTBI / ブランドアイデンティティとは

ブランドアイデンティティは「ブランド」と「アイデンティティ」の造語です。
ブランドとは、商品・サービスを競合と区別するための名称、言葉、シンボル、デザインといった意味があります。アイデンティティには、「自己同一性」「自分らしさ」などの意味があります。

ブランド・アイデンティティの概念を提唱したデービッド・A・アーカー氏は、「ブランドには、「ブランド・ビジョン」が必要である。そのブランドにこうなってほしいと強く願うイメージを、はっきりと言葉で説明したものだ。」と説明しています。

一方、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会では「企業が自社の製品・サービスが競合他社のそれとどこが違うかを明確に示すもの。」又は「自社を、あるいは自社が提供する製品やサービスを、「顧客にどう思われたいか」を明確にすること」と説明しています。

ブランドとは

ブランドには様々な定義があります。
直訳すると商標、銘柄という意味があり、一般的には、自社の商品・サービスと他社のそれとの差別化を図る目的で使用される場合が多い傾向にあります。

アメリカの経営学者フィリップ・コトラーは「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」と定義しています。

ブランドアイデンティティを構築する前に自社理解が必要(SWOT分析をすることで立ち位置が把握できる)

自社を理解せずにブランドアイデンティティを構築することは困難です(目的やポジションなどが理解できていないため)。ブランドアイデンティティ構築の前に、自社に関する情報(目的やポジションなど)を明確に理解する必要があります。

自社分析をおこなう際に用いられる代表的なフレームワークに「SWOT(スウォット)分析」が挙げられます。

SWOT分析とは、競合や法律、市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の資産やブランド力、さらには価格や品質といった内部環境をプラス面、マイナス面にわけて分析する手法です。自社(内部環境)の強み・弱みが理解できるだけでなく、外部環境にも目を向けることで、客観的に自社全体の状況を捉えることが可能です。(SWOT分析の具体的なやり方はSWOT分析の記事参照)

ブランドアイデンティティの作成方法

ブランドアイデンティティの代表的な構築モデルに「ブランド・アイデンティティ・プリズム」があります。このモデルでは、ブランドアイデンティティが持つ6つの側面(Physique、Personality、Culture、Relationship、Reflection、Self-image)が示されています。

ブランドアイデンティティは、主にこれら6つの要素によって形成されています。
①Physique(物理的に識別されるブランドの側面)
企業のロゴ、梱包デザイン、配色、オンライン空間やコミュニケーションなどが含まれます。例えば、マクドナルドであれば、ロゴや主力商品の形状(容れ物)などが該当します。

②Personality(ブランドの個性)
ブランドの「パーソナリティ」とは、そのブランドを人や物などに例えた場合の「個性(イメージ)」を指します。作成する文章のスタイルやデザインのスタイル、配色、音声、あるいはCMなどで起用する著名人によってイメージが連想されます。

③Culture(ブランドが持つ価値観や基本原則)
ブランドの「文化」とは、そのブランドが持つ価値観や基本原則などを指します。例えば、マクドナルドでは、おいしいものをおいしく食べられる素敵な空間、家族の笑顔がこぼれるくつろぎの場、いつ行っても楽しい場所。お客様の「満足」につながるものすべてがValue (価値)、つまりはCultureであるとしています。

④Relationship(ブランドがシンボライズ(象徴)する人と人との関係)
人と人との関係とは、親と子供との関係や友達、恋人同士の関係などを指します。例えば、コカ・コーラは、コミュニティにいる人々の平等で親しみやすい関係がシンボライズ(象徴)だと言われています。

⑤Reflection(消費者を代表する人)
消費者を代表する人とは、主に商品・サービスを利用するユーザーに最も多い層(属性)のことを指します。例えば、自社の商品・サービスを最も利用する年齢層を指します。商品・サービスを利用する年齢層によってもブランドイメージは構築されます。

⑥Self image(消費者がイメージするブランドの個性)
消費者がイメージするブランドの個性とは、実際ユーザーが自社の商品・サービスを利用している際に、何を想像し、何を感じているか(価値観)を指します。

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BI / ブランドアイデンティティの使用例

「ブランドアイデンティティの構築には時間がかかりそうだ」

ブランドアイデンティティを構築する前に、自社分析をおこない、自社理解を深めておくことが重要だと言われています。

「FTPソフトって何を使ってますか」

ブランドアイデンティティプリズムは、フランスのビジネススクールHEC経営大学院の教授であるジャン・ノエル・カプフェレが提供したフレームワークです。

「回線を変えたら、FTPが早くなったよね」

「「 ブランドアイデンティティとブランディングは何が違うの?」」

「セキュリティ機能が高いFTPソフトを教えてください」

ブランディングとは、主に商品やサービスについてユーザーに共通のイメージを認識させることを言います。ブランディングの目的は、認知度向上やイメージ向上などが挙げれます。ブランドアイデンティティは、簡潔に言えば「ユーザーにどう思われたいか」を示す言葉なので、ブランディングとは示す意味が異なります。

BI / ブランドアイデンティティに関係した気になる話題

CI(コーポレートアイデンティティ)とは

コーポレートアイデンティティとは、主に企業のあるべき姿を体系的に整理し、それに基づいて自社の文化や特性・独自性などをイメージ、デザイン、メッセージとして発信することで会社の存在価値を高めようとするビジネス手法のことを指します。

より端的に表現すると「一目見ただけでその企業と認識できるもの」のことです。
コーポレートアイデンティティを構成する要素としては、社名、ブランド名称、ロゴ、コーポレートカラー、スローガン、コンセプトメッセージなどが挙げられます。

VI(ビジュアルアイデンティティ)とは

ビジュアルアイデンティティとは、主にコーポレートブランドの価値やコンセプトを可視化したもの、視覚的にアプローチできるものを指します。例えば、シンボルマーク、ロゴデザイン、ブランドカラーなどが挙げられます。

ビジュアルアイデンティティの主な役割は、企業理念・ビジョン、商品の価値を可視化しユーザーに伝えることです。


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