IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年6月27日

ろあす

ROAS / Return On Advertising Spend

広告運用に投資したコストに対し、広告経由の売上がどれだけ発生したかを測る指標のこと

別名
英字

POINTROAS / Return On Advertising Spendとは

ROASとは「Return On Advertising Spend」の頭文字を取ったもので、広告運用に投資したコストに対し、広告経由の売上がどれだけ発生したかを測る指標のことを指します。一般的には「ロアス」と読み、日本語では「広告費用の回収率」や「費用対効果」と呼ばれています。

Web広告を運用する際は、広告の効果を測定し、可視化することが非常に重要となります。ROASを算出することで、広告コストに対する売上を算出することができるので、広告の費用対効果を可視化することができます。

ROASの重要性

適切な広告運用のため、ROASは非常に重要な指標となります。広告を通じた売上向上を目指す場合、広告を出稿するだけでなく、広告掲載の効果を測定し、可視化することが重要となります。

ROASを用いることで、広告コスト1円あたりの売上を算出することができます。つまり、投資した広告コストが、実際にどれだけの「売上」を生み出したのかを可視化することが可能となります。

広告の費用対効果を可視化することで、広告の改善点の発見や、広告効果を最大限に引き出す施策の立案が期待できます。

ROASの算出方法

ROASは「広告経由の売上÷広告費用×100(%)」で算出することができます。

たとえば、広告経由の売上が100万円で、投資した広告費用が50万円だった場合、「100万円÷50万円×100=200%」と計算することができます。この結果から、広告コストに対し、200%の売上を獲得できたことがわかります。つまり、広告費1円あたり2円の売上があったことを意味します。

ROASの主なメリット

①適切な広告運用に役立つ
ROASを用いることで、掲載した広告が売上にどれだけ貢献しているかを把握することができます。これにより、広告の予算配分を変えたり、ランディングページを改善したりと、適切な広告運用のための施策を講じることができます。

②算出しやすい
ROASを算出する際に必要となる情報・データは、広告費用や売上データなど、比較的入手しやすいものが多いです。そのため、ROASは広告効果を算出しやすいというメリットがあります。

ROASの主なデメリット

ROASの主なデメリットとして実際に利益が出ているかを知ることができないことが挙げられます。

先ほどの広告経由の売上が100万円で、投資した広告費用が50万円だった場合の計算式「100万円÷50万円×100=200%」をもとに考えてみます。
上記の計算式を見ると一見利益も上がっているように見えます。しかし、もし仮に広告費以外に、100万円開発費がかかっていた場合、利益の計算式は100万円(売上)-50万円(広告費)-100万円(開発費)となり-50万円になります。この場合でもROASは変わらず200%です。

このようにROASは、あくまでも売上をもとに算出した指標なので、実際の利益には繋がっていない可能性があります。そのため利益もチェックするよう、注意する必要があります。

ROASとROIの違い

ROASとROIはよく似た指標で、混同されることも少なくありません。しかし、ROASが「売上」をベースとしているのに対し、ROIは「利益」をベースとしている点において大きく異なります。

ROASは、投資した広告コストに対し、広告経由の売上がどれだけ発生しているかを表す指標です。売上をベースに費用対効果を測るので、「広告経由の売上÷広告コスト×100」で算出することができます。

一方、ROI(Return On Investment:投資に対する利益)は、投資したコストに対し、どれほどの効果が得られたかを表す指標です。利益をベースに費用対効果を測るので、「得られた利益÷投資したコスト×100」で算出することができます。

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ROAS / Return On Advertising Spendの使用例

「ROASを算出して、今期の広告予算の配分を決めよう」

ROASを算出することで、出稿した広告の費用対効果を測ることができます。ROASの高い広告の割合を増やしたり、ROASの低い広告に改善を加えることで、さらなる広告効果を引き出すことが期待できます。

「この広告はROASが高い」

ROASが高いということは、広告費1円あたりの売上が大きいということを意味します。

「ROASとROIを両方用いて広告効果を測定しよう」

広告の効果を測定する際は、1つの指標だけで判断するのではなく、様々な指標を用いて多角的に分析することが重要です。ROASだけでなく、他の指標も参考にしましょう。

「まずはROASを算出しよう」

ROASのメリットの1つに、算出しやすいことが挙げられます。計算式が単純で、必要なデータも入手しやすいことから、広告運用を分析する際に用いられることも多いです。

ROAS / Return On Advertising Spendに関係した気になる話題

ROASとCPAの適切な使い分けとは?

ROASとCPAは、ともに広告効果を測る指標として用いられます。

ROASとは「Return On Advertising Spend」の略で、広告費1円あたりの売上を測るための指標です。一方、CPAは「Cost Per Acquisition」の略で、1件のコンバージョンを獲得するためにかかったコストを表しています。

ROASとCPAの大きな違いとして、ROASは広告コストに対する売上の割合を算出しているのに対し、CPAはコンバージョン1件あたりのコストを算出している点が挙げられます。

ROASは1つ1つの商品の値段に関わらず算出することができるので、価格帯の異なる様々な商品を販売しているWebサイトに適しています。一方でCPAは、会員登録や資料請求など、売上が発生しない消費者行動も「コンバージョン」として算出することができます。

広告評価の新たな指標「アトリビューション」とは

最近、広告評価の新たな指標として登場したのが「アトリビューション」です。

これまでの広告評価の指標であるROASやROI、CPAなどは「表示された広告からリンク先に飛ばなければ計測できない」というデメリットがありました。そこで登場したのが、「アトリビューション」という指標です。

アトリビューションとは、英語で「貢献度」という意味の言葉で、コンバージョンに至るまでの各アクションの貢献度を分析して評価することを意味しています。コンバージョンに至る直前の広告だけでなく、そこに至るまでのすべての広告を分析することで、正しく広告コストを分配することを目的としています。


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