IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月12日

さんしーぶんせき

3C分析

顧客、競合、自社の3つの視点から市場環境を分析するフレームワーク

POINT3C分析とは

3C分析とは、企業のマーケティングにおいて重要な要素となる顧客、競合、自社の3つの視点から市場環境を分析し、経営戦略上の課題を見抜くフレームワークです。3Cの名前はCustomer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字から取られています。

外部要因である市場と競合、内部要因である自社を照らし合わせて自社の状況を分析し、何が自社の強みと弱みになりえるのかを導き出す事で、事業の進むべき方向がわかります。

3C分析の目的

3C分析の目的は、外部環境である市場、競合、内部環境である自社の3つの観点から分析をおこない、成功要因=KSF(Key Success Factors)を見つける事にあります。成功要因を見つけることができれば、事業の進むべき指針がわかります。

成功要因を見つけ出すには、市場・顧客などのニーズの変化や競合他社の対応を、分析し、自社と照らし合わせることが必要です。照らし合わせることで自社の強みと弱みを抽出することができ、マーケティング戦略にいかせる知見を得られます。

市場分析のやり方

3C分析ははじめに市場や顧客の分析をおこない、自社の強みや弱みを明確にしていきます。市場を分析する方法としてマクロ分析とミクロ分析という手法があります。

マクロ分析を行うためのフレームワークの1つにPEST分析という手法があります。 PESTの名前は、4つの外部環境(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))の頭文字を取ったもの。マクロ分析の目的は、景気の変動や法律の改正など世の中の変化を見つけ出し、その変化が自社の動向に影響を与えるか分析することにあります。

ミクロ分析を行うためのフレームワークの一つにファイブフォース分析という手法があります。ファイブフォース分析とは、新規参入の脅威、業界内の敵対関係の強さ、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力の5つの脅威となる要因を分析する手法です。ミクロ分析の目的は、各業界の市場の変化が自社のビジネスにどの程度影響を与えるか分析することにあります。

競合分析のやり方

競合分析の目的は、市場・顧客の動向に対して競合がどのように対応しているのか知ることです。競合他社を分析する際、ビジネスの結果とその結果が出た要因の2つの視点から分析していきます。ビジネス結果は競合他社の売り上げや利益、そして広告費などにおける販売経費などから調査をおこないます。

ビジネス結果が出た要因について分析する際は、販売ルート、営業体制、製造工程、新製品の開発、顧客サポートなど、様々な側面から競合企業の仕組みを明らかにしていきます。

自社分析のやり方

自社分析の目的は市場分析や競合分析の結果を参考に、自社が今後どのような戦略をおこなうべきか検討することです。今後の戦略を検討する際、現状の自社の課題・改善点を把握する必要があります。現状の把握をするフレームワークの1つにVRIO分析が挙げられます。VRIO分析は経済価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organization)の頭文字から構成されており、自社の経営資源をフォーカスした分析手法です。

自社分析をおこなって現状を把握して終わりではなく、競合と比較して今後の戦略を検討する必要もあります。
市場・顧客の変化に対して競合がどのように対応しているのか、自社の対応と比較しながら分析していきます。比較する際によく用いられるフレームワークの1つにSWOT分析があります。SWOT分析は、企業を、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの軸で分析するフレームワークです。内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を照らし合わせる事で、自社の立ち位置を把握する事ができます。

自社分析のやり方

枠組み、下部構想、組織という意味を持ちます。ビジネスの世界では意思決定、分析、問題解決、戦略立案に使われる枠組みの事を指しており、ビジネスフレームワークと呼ばれることもあります。ビジネスフレームワークはこれまでの成功パターンをフォーマット化したもので、手順に沿って行うことで無駄を省き、生産性を向上させることができます。
代表的なビジネスフレームワークに、PDCA、AISAS、ロジックツリーなどがあります。

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3C分析の使用例

「3C分析を行う目的を理解しよう」

3C分析は、市場・自社・競合の3つの軸から成功要因を見つけ出し、マーケティング戦略に活かすことが主な目的です。

「SWOT分析と3C分析の違いはなんだろう」

3C分析は市場・自社・競合の3つの軸で分析をおこないます。SWOT分析は、外部要因(機会・脅威)と内部要因(強み・弱み)の2つの軸で分析を行い、自社の市場機会や事業課題を発見することなどが目的です。

「3C分析したらそれで終わりじゃなくて、その後の戦略の方が重要になってくるね」

3C分析はよく市場、競合、自社の3つを状況を調べて終わってしまうことがあります。しかし、3C分析の目的は状況を把握することではなく、そこから自社の成功要因(KSF)を見つけることです。ですので、3C分析をして終わりではなくその結果を活かして、新たな戦略やマーケティング方法を考えることが必要です。

「3Cはミクロ環境とマクロ環境を合わせたようなものだね」

3C分析は内部環境である自社と外部要因である市場・顧客、競合の要素があります。
ミクロ環境が自社の動向、社会全体の動向がマクロ環境ですので、ミクロ環境とマクロ環境をセットに調査するフレームワークといえます。

3C分析に関係した気になる話題

成功要因を導き出すSWOT分析とは

3C分析は市場・自社・競合の3つで分析をおこないます。
自社分析で、競合と比較する際によく用いられるフレームワークの1つにSWOT分析があります。SWOT分析は、企業を、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの軸で分析するフレームワークです。SWOT分析の目的は、内部環境である自社の営業、流通、製品、サービスなどの強み・弱みを分析し、外部環境の市場や競合の動きから機会と脅威を見つけ出すことで業界内での自社の立ち位置を明確にし、事業戦略の改善などに結びつけることです。

3C分析によく似ている4C分析とは

3C分析によく似たマーケティング用語に4C分析があります。3Cと4Cで分析する要素と目的が全く異なります。
3C分析の目的は、外部環境である市場、競合、内部環境である自社の3つの観点から分析をおこない、成功要因=KSF(Key Success Factors)を見つけることにあります。
4C分析は、自社商品のサービスやメリットを提供される側の立場(買い手側の視点)で分析するフレームワークです。4Cの名前はCustomer value(顧客価値)、Customer cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の4つの頭文字から取られています。
4C分析の目的は、売り手側ではなく、買い手側の視点に立つことでサービスや商品の特徴を別方向から知ることができ、販売促進や商品・サービス改善につなげることができます。

クロス3C分析とは

市場、競合、自社から成功要因を導き出すのが3C分析ですが、それ以外の視点で分析する必要がある場合があります。顧客の観点、自社の観点をクロスさせながら事業を成功に導き出すマーケティング分析をする必要があります。これはクロス分析の手法であり、3C分析の場合、クロス3C分析と呼称されることがあります。他にもクロスSWOT分析などがあり、具体的には強み×機会、弱み×脅威などをクロスさせます。


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