IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月20日

ぺるそな

ペルソナ / Persona

企業が商品やサービスを販売する際、設定する架空の人物像のこと。

英字

POINTペルソナ / Personaとは

「ペルソナ」とは、企業が商品やサービスを販売する際、設定する架空の人物像のことです。元々「ペルソナ」はラテン語で「仮面」という意味の言葉でしたが、それが転じてマーケティング用語としても使用されるようになりました。

ペルソナは商品やサービスの利用者・購入者として、最も重要かつ理想的な人物として設定します。年齢や性別、職業だけでなく、家族構成や生い立ち、価値観、趣味など、詳細な情報まで事細かに決めるのが特徴です。

ペルソナを設定することで、具体的な顧客像がイメージできるため、ユーザーニーズに応えた商品やサービスを創ることが可能です。また、顧客像のイメージをチーム内で共有することで、企画やマーケティング戦略の方向性に一貫性を持たせやすくなります。

「ペルソナ」と「ターゲット」の違い 

「ターゲット」を設定する際は、年代や性別など大まかな情報を決め、それらの情報をもとに分類される一定の「グループ」を設定します。「ペルソナ」は家族構成や価値観、趣味などの情報を詳細に決めていき、一人の「人物像」を設定します。

ペルソナやターゲットの実際の使用例としては、商品企画をする時、まずはターゲット層を決めてから、それをもとにペルソナを設定することが挙げられます。

マーケティング戦略においてペルソナを設定する重要性

マーケティングをおこなう上でペルソナの設定は重要です。商品やサービスの購入者・利用者のイメージがチーム内で異なると、それぞれの顧客像にバラツキが生じるため、効果的なマーケティング戦略を図ることが難しくなってしまうからです。

また、商品はニーズがなければ売れないため、ユーザー視点に立った商品開発が求められます。ユーザー視点を高めることで、よりニーズを満たす商品の開発につなげることができます。

ペルソナを設定することによるメリット

ペルソナ設定によるメリットとして、「ユーザー視点の精度の向上」「共通イメージの形成」「曖昧な意思決定の回避」が挙げられます。

ペルソナという、より具体的な顧客像を設定することで、ユーザー視点に立った具体的なニーズを把握することができます。曖昧なターゲットのみの設定だと、趣味や家族構成がバラバラなため、どのような商品やプロモーションが共感を呼ぶかが分かりません。ペルソナを設定することで、より具体的なニーズを図ることができ、ユーザー視点の精度が向上します。

また、マーケティングには数多くの人が関わる場合があります。関係者間での顧客のイメージがバラバラだと、無駄な作業や議論に時間を費やしてしまうことがあり、効果的な商品開発やマーケティング活動が難しくなってしまいます。ペルソナを設定することで、関係者間の共通したイメージを形成し、方向性に一貫性を持たせることもができます。

さらに、ペルソナを設定すると曖昧な意思決定を避けられることができます。イメージを具体化することで明確な方針を立てることができ、不必要な議論やイメージの共有に時間をかける必要性がなくなるからです。その結果、時間とコストの削減にも繋がります。

ペルソナを作成する上でのポイント

ペルソナを作成する上で、3つのポイントが挙げられます。

1つ目は、関係者全員にイメージしやすい人物像にすることです。これはペルソナ作成の意義の一つである、全体認識の一致や担当者間の共有のためです。

2つ目は定期的な更新も大切です。ユーザーとそのニーズは日々変化しているため、それに合わせてペルソナも常に最新のユーザー像を反映できるように定期的に修正していく必要があります。

3つ目はペルソナを作成する際、必要な情報のみに絞ることが挙げられます。

ペルソナを作成する上で注意するべき点

ペルソナを作成する上では、個人の先入観を反映しないことが重要となります。個人の先入観を反映してしまうと、実際のユーザーと離れたペルソナになってしまいます。
また、商品を企画する側のイメージや希望が先行したペルソナを設定しまうと、売りたい商品に合ったペルソナを作り出してしまうことになり、正確なニーズを捉えることができなくなります。

より正確なペルソナ作成するためには、SNSや口コミ、アンケートなどを通して、実際のユーザーの意見を集め、取り入れることが大切です。

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ペルソナ / Personaの使用例

「ペルソナを定義する」

1つの商品やサービスを、複数の異なる属性のグループに向けてマーケティング活動する場合は、ペルソナもグループ数に応じて複数設定することが望ましいです。この場合は、主要なグループのペルソナをメインペルソナとした上で、その他のグループのペルソナはサブペルソナとして設定、ペルソナごとに効果的なマーケティング活動を検討していきます。

「ペルソナはどう感じるかな?」

マーケティングを行う際は「不特定多数の人に好まれるか」ではなく「その人がどう感じるか」を検討する必要があります。

「ペルソナマーケティングをおこなっていこう」

ペルソナマーケティングとは、ペルソナを作り出し、そのユーザーのニーズを満たすような商品やサービスを開発するというマーケティング戦略のことです。これを用いるとユーザー視点の精度が向上するため、よりユーザーニーズを満たした商品やサービスを作ることができます。

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ペルソナの実例

ペルソナマーケティングでは、架空の具体的な人物像を設定し、その人に向けた商品開発やプロモーション活動を行います。ペルソナを設定して一貫したマーケティング戦略を行うことで、ビジネスが成功した事例は数多く存在します。

例えば「Soup Stock Tokyo」です。Soup Stock Tokyoは、1999年創業のスープを中心とした外食チェーンで、創業10年で売上高100億円以上にも及ぶ急成長を遂げた企業です。Soup Stock Tokyoは「秋野つゆ」というペルソナを設定し、彼女を満足させるというマーケティングコンセプトのもと、一貫した商品開発やマーケティング戦略をおこなってきました。

Soup Stock Tokyoは主に、高級住宅街や駅近への出店、女性一人でも気軽に入れる店舗づくり、高めの価格帯という3つの戦略を取りました。これらは全て、「都内在住で経済的に余裕のあるバリバリのキャリアウーマン」である秋野つゆのニーズを満たすための戦略です。

こうしたマーケティング戦略の結果、Soup Stock Tokyoはブランドを構築、急成長に繋がりました。

ユングの心理学で語られるペルソナの意味とは

「ペルソナ」はマーケティング用語とは別に、ユングの心理学においても用いられる言葉です。この場合、ペルソナは「社会や世間に見せている自分の姿」という意味で用いられます。

例えば、親の前ではわがままな人が、教師の前では大人しい優等生だったり、友人の前では明るく快活だったりと、態度や行動が異なることがあります。ユングはこれを個性というものがあるかのように見せかける「仮面」だと考え、ペルソナと呼びました。


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