IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月21日

よんぴー

4P

売り手の視点からターゲットに働きかける、具体的な施策を考えるためのフレームワーク

POINT4Pとは

マーケティングの4Pは1960年代前半にアメリカの経済学者ジェローム・マッカーシーが提唱したマーケティングミックスフレームワークです。マーケティング戦略の一部で、売り手の視点からターゲットに働きかける具体的な施策を考えるためのフレームワークです。

Product(商品),Price(価格),Place(流通),Promotion(プロモーション)の4つから構成され、頭文字をとって4Pと呼ばれます。

4Pの1つ「プロダクト」とは?

一般的にもっとも重要な構成要素とされ、顧客に対してどのような商品を提供するかを決める取り組みです。

具体的には、ターゲットに対する提供価値を考え、商品コンセプトを磨き上げ、それを支える技術や生産、品質やデザイン、ブランド名、パッケージ、サービス、保証などを組み合わせることが挙げられます。

4Pの1つ「プライス」とは?

顧客が商品の対価として支払う金額を決める取り組みです。高すぎても売れず、低すぎても利益は出ないため、価格戦略も重要となります。価格を決定する過程には、コストの視点、価格相場の視点、マーケティング戦略の視点、ブランディングの視点かを念頭に進めることが多いです。

具体的には、顧客が購入してくれる価格なのか、製品価値との整合性はあるのか、適切な利益をあげることができるのが挙げられます。

4Pの1つ「プレイス」とは?

流通とは、顧客と商品を結ぶ経路のことを示し、販売を行う場所を決めることを指します。例は、自社店舗やコンビニ、百貨店、ネット通販などです。流通チャネルは、一度構築すると大きな強みになる反面、変更が難しい点が課題とされています。

また、流通戦略は自社内だけでなく、他者や他業界の影響を受けるため、中期的な視点で戦略を立案することが重要です。

流通チャネルは、開放的チャネル戦略、選択的チャネル戦略、排他的チャネル戦略、チャネルミックス戦略、チャネル開拓戦略に分けることができます。

4Pの1つ「プロモーション」とは?

プロモーション戦略とは、ターゲットや流通業者に対して商品の存在や機能、価値を効果的に伝え、ニーズを作り上げていくための取り組みを指します。現在では宣伝という意味合いよりも、いかに顧客とコミュニケーションをとるかが重要であると言われています。

プロモーションの手法は大きく、戦略PR、コンテンツマーケティング、マス広告、ダイレクトマーケティング、セールスプロモーションが挙げられます。

4Pの使用例

「4Pを使う場合の注意点があります」

より効果的に4Pを活用するための注意点として、一貫性とバランスと相乗効果が重要です。
一貫性のない例は、製品の価格を安くし、様々なチャネルで販売する商品戦略を設定した一方で、製品の原材料が高額になってしまうことが挙げられます。
バランスの良い例は、製品価格を安し、様々なチャネルで販売するのであれば、コストのかかるマス広告ではなく、安価な広告手段にすることでコストを抑え利益を増やすことが挙げられます。
相乗効果がある例は、新商品の容器を既存の自社製品の容器と同じにすることで、製造コストの削減だけでなく、プロモーションにおいても親しみやすさを演出することが挙げられます。

「価格戦略はどのようなものがありますか?」

価格戦略とはコストと製造にかかる様々なコストと販売価格を調整することです。
価格相場とは消費者が感じている相場感を重視する生活者のアンケートから価格の相場感を把握するPSM分析といった手法が用いられます。
マーケティング手法は、市場のシェアを価格の面から獲得する方法を考えることで、具体的な手法は市場浸透戦略を上澄み吸収価格戦略があります。
ブランディングとは消費者が期待する価値を考えることで、例は、高いものは良いものであるという考え方を元に良いものとして高価格で売り出すことです。

「チャネル戦略はどのようなものがありますか?」

開放的チャネル戦略、選択的チャネル戦略、排他的チャネル戦略、チャネルミックス戦略、チャネル開拓戦略があります。
開放チャネルとは、流通チャネルを限定せずに広範囲にわたって開放的に商品を流通させる戦略です。
選択的チャネル戦略は、販売力や資金力、あるいは契約内容の条件を定め、その遵守度によって流通チャネルを選別する戦略です。
排他的チャネル戦略は、特定の地域や製品の販売先に独占販売権を与える戦略です。
チャネルミックスは、消費者が置かれている状況や利便性に応じて、柔軟に流通チャネルを使い分ける戦略です。
チャネル開拓戦略は既存の流通チャネルにとらわれずに新たな流通チャネルを開拓していく戦略です。

「4Pと5Pは何が違いますか?」

B2Bのマーケティングにおいて4Pにもう一つPを加えたものです。一般的にパーソンかパッケージが加えられることが多いですが、その他にもpopularity、processなど多くあります。

背景には、パッケージのデザインを工夫することによって適切な情報を発信し、消費者に良いイメージを与える目的やインフルエンサーといった消費者の登場と関係を構築する目的が挙げられます。よって、場合によって最適なPを柔軟にに変更する必要があります。

「4Pと3Cの違いはなんですか?」

マーケティング戦略をより詳しく細分化すると、市場調査、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、マーケティングミックス、実行、分析となります。3Cとは、市場をCustomer(顧客),Competetior(競合),Company(自社)の観点から分析するフレームワークです。

つまり、3Cは市場調査段階で使うフレームワークであり、4Pはマーケティングミックスと一つであるため、使う段階が違うと言えます。

「4Cと7Cの違いはなんですか?」

7Cは4CにCorporation(企業),consumer(消費者),circumustance(外部環境)の3Cを足したものです。外部環境は自然災害や政治など力の及ばない環境のことを示します。つまり、4Cに様々な要因を加えたものであると言えます。

4Pに関係した気になる話題

4Cとの違いはなんですか?

一般的にマーケティングの4Pに変わるもので、4Cが消費者側、4Pが企業側という視点の違いがあります。具体的には、4Pが商品を企業が考え市場に売り込むプロダクトアウト、つまりものから考える戦略であるのに対して、4Cは消費者のニーズから考えるマケットイン、つまり消費者から考える戦略といえます。

一方で、優れた4Pを実現するための思考ツールという位置付けとも言えます。ラウンターボーンは4Pを設定する前に、まず買い手視点での4Cの検討から入るべきであると主張しています。マーケティング担当者は、ターゲット市場の顧客を4Cの視点で理解すれば4Pの設定もはるかに容易になるとも述べています。

4Pと7Pとの違いはなんですか?

マーケティングの7Pとは、4PにPeople(人),Process(過程),Phisical Evidence(身体的証拠)の3Pを加えたものです。7Pの登場の背景には、情報や金融、旅行や飲食といった、サービス商品を対象としたマーケティングへのニーズの誕生があります。現在日本では約7割がサービス業から生み出されていると言われています。

サービスの特性は、無形性、同時性、消滅性、変動性が挙げられます。つまり、4Pは有形財を対象とし、7Pは無形財を対象としたマーケィング手法であると言えます。


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