IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月20日

うぇぶあくせしびりてぃ

ウェブアクセシビリティ / web accessibility

年齢的・身体的条件に関わらずWebを利用できるような状態のこと

英字

POINTウェブアクセシビリティ / web accessibilityとは

アクセシビリティとは、操作のしやすさや近づきやすさ、などの意味を持つ英単語です。
Webの分野では、高齢者や障がい者など身体の状態や能力に制約がある人でも、Webで提供されている情報にアクセスし、誰でも利用できる状態やその度合いのことを指します。
(高齢者や障がい者だけでなく、あくまで「誰でも利用できる状態」を指します。)

例えば、マウスによるポインタの指定が困難な場合、キーボードやボタン型の入力装置、音声装置などで操作できるように備えたり、視力・視覚に応じて、画面上の文字の拡大・縮小や文字の読み上げなどの機能を選択できるといったような備えがされている(年齢的・身体的条件に関わらず、様々な人が利用できる)状態を指します。

単にアクセシビリティといった場合はWebページについての「Webアクセシビリティ」のことを指すケースが多いです。また、ITの分野以外でも駅のスロープや誘導用ブロックなどをアクセシビリティということもあります(日本語ではバリアフリーと表現されることが多い傾向にある)。

誰もが使いやすい※UI/UXデザインとは?

①画像には代替テキスト(alt属性)の設定
視覚障がい者の中には、Webコンテンツを閲覧する際に、音声読み上げソフト(スクリーンリーダー)を利用して、読み上げられた音声でコンテンツの情報を理解する方もいます。

音声読み上げソフトでは、文字情報を読み上げることができても、画像や動画などのコンテンツを感知し、ユーザーに音声で伝えることはできません。こういった場合に備え、代替テキスト(alt属性)を設定することで、画像や動画の内容をユーザーに音声で伝えることが可能になります。またalt属性の設定は、SEOにおいても有効だと言われています。

②コントラストの調整
視覚障がい者の中には、色覚異常と呼ばれる色の違いが識別しにくい方もいます。
色覚異常の方でも利用しやすいように備え、Webコンテンツの文字と背景の色のコントラストは調整する必要があります。一般的にコントラストが4.5:1以上だと認識しやすいと言われています。

※UI…ユーザーがPCとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み
※UX…サービスなどによって得られるユーザー体験

WCAGとは

WCAGとは、Web Content Accessibility Guidelinesの略で、Web技術・仕様の標準化を推進するW3Cが提唱しているWebページのアクセシビリティに関するガイドラインのことです。主にWebページをコンピュータやソフトウェアの違い、年齢的、身体的条件に関わらず等しくアクセスできるようにするための技術使用を定めたガイドラインとなっています。

WCAGでは、 Webコンテンツがアクセス可能であるように熟慮しなければならない主要な事柄を4つの原則として定めています。
①知覚可能
②操作可能
③理解可能
④堅牢

Webアクセシビリティの事例

Webアクセシビリティの代表的な事例を2つ紹介します。
①厚生労働省
厚生労働省のトップページは、音声読み上げサービスや文字拡大サービスなど、細部までWebアクセシビリティに配慮されています。また、厚生労働省はWebアクセシビリティに対する細かい方針を公表しており、公式ページ自体がWebアクセシビリティの参考になると言われています。

②味の素株式会社
味の素株式会社のホームページも音声読み上げサービスやコントラストの調整など、多くの人が利用しやすくなるような工夫がされています。また、2017年にWebアクセシビリティ達成等級の(「A」「AA」「AAA」と3段階の達成基準のうちの)AAを獲得しています。

「ウェブアクセシビリティ / web accessibility」を調べた人はこの用語も調べています

ウェブアクセシビリティ / web accessibilityの使用例

「Webアクセシビリティに配慮することは、SEOにも効果があります。」

「このページのコントラストは適切じゃないな。Webアクセシビリティを意識して設計し直してください。」

「今年はWebアクセシビリティ達成等級AAAを狙います」

ウェブアクセシビリティ / web accessibilityに関係した気になる話題

Webアクセシビリティと似た意味を持つユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは、国籍や年齢・性別などの違い、身体的条件や能力差などに関わらず、全ての人が可能な限り使いやすい製品、建物、空間などのデザインを指します。
例えば、車椅子利用者でも健常者でも、快適に通過できる「幅の広い改札」や握力の弱い方や手に障がいのある方でも利用できる「センサー蛇口」などがあります。
Webアクセシビリティとは「誰もが利用しやすい状態(デザイン)にする」という考え方が共通しています。

バリアフリーデザインとWebアクセシビリティの違い

バリアフリーデザインとは、障害者や高齢者の方を対象に配慮されたデザインのことです。
「障がい者や高齢者の方が健常者と同じように利用できる」という点は両者とも共通していますが、バリアフリーデザインは「障がい者や高齢者」を対象としているのに対し、Webアクセシビリティは「障がい者や高齢者などを含めた全ての人」が対象となっています。


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