IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月22日

えすてぃーぴーぶんせき

STP / STP分析

どの市場でどのような価値を提供するかを決める。

POINTSTP / STP分析とは

STP分析とは、セグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(狙う市場の決定)、ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)の3つの英単語の頭文字をとった分析方法です。STP分析では、市場を細分化し、その中からターゲットとなる顧客層を絞り込み、自社のポジショニングをしていきます。

STP分析をおこなうことで、どの市場でどのような価値を提供するかを決めることで、市場の中でどのようなマーケティング戦略を取ればいいかということが把握できます。

 

セグメンテーション(市場細分化)とは?

「セグメンテーション」とは、様々な変数を用いた市場の分類、細分化を指します。よく使用される変数としては、地理的変数や人口動態変数、心理的変数、行動変数が挙げられます。セグメンテーションはマーケティング戦略の対象を絞り込むためにおこなうもので、利益性が高い市場や顧客層を見つけることを目的としています。

セグメンテーションを行う際は、市場規模や収益可能性、競合商品の状況、商品やサービスを届ける難易度や実現可能性などを考慮する必要があります。

ターゲティング(狙う市場の決定とは)?

セグメンテーションの後、どの顧客層をターゲットとするかを決めることを「ターゲティング」といいます。

ターゲティングでは細分化された市場を分析し、自社商品のコンセプトやイメージ、価格帯にあった顧客層を選択します。このとき、市場の規模や成長性を考慮することも重要です。(ターゲティングをおこなう際は、「無差別ターゲティング」「差別型マーケティング」「集中型マーケティング」の3つの手法が用いられることが多いです。)

無差別型ターゲティングは、セグメンテーションによって分類したグループ(セグメント)の違いを無視して、共通の商品やサービスをすべての市場に提供する手法です。

差別型マーケティングは、複数のセグメントを取り上げ、それぞれのニーズに合った異なる商品やサービスを提供する手法です。これに対し集中型マーケティングとは、1つまたは少数のセグメントに集中してマーケティングを行う手法です。)

ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)とは?

「ポジショニング」は、ターゲットに定めたセグメント内で自社の立ち位置を決めることです。

ポジションニングでは、ターゲティングによってターゲットに定めたセグメントの中で、値段や品質、店舗数などの指標を用いて競合商品との比較をおこないます。これにより、どのような点において自社商品に優位性があるのかを明確にします。優位性がある点を把握することで、競合商品との差別化を図ることができるからです。

STP分析のメリット

STP分析の主なメリットとして、自社のマーケティング戦略の明確化、競合商品との差別化、ユーザーニーズの整理が挙げられます。
STP分析を通して、自社の商品やサービスにあった顧客層を見つけることができます。これにより、どの顧客層に対してどのように商品やサービスをアピールしていくのか、マーケティング戦略を明確にすることができます。

また、競合する他社商品と比較することで、自社商品の強みを把握し、差別化を図ることができます。さらにセグメンテーションなどを通して、ユーザーニーズを整理することができます。これはペルソナ設定にもつながります。

STP / STP分析の使用例

「この商品の販売にあたってSTP分析をやろう」

STP分析によって商品のニーズがある顧客層を見つけ出し、明確なプロモーション戦略を立てることができます。

「A社が新規参入するようだからSTP分析を見直そう」

競合他社や市場に変化があった場合、STP分析の見直しが必要となります。競合他社の状況によって、自社商品の優位性も変化するためです。

「STP分析のポジショニングをしたいが、いくつ指標を使用すればよいか?」

ポジショニングの際、同時に多くの指標を用いて比較してしまうと、かえって複雑になってしまう可能性があります。1〜4つの指標に絞って比較する方がよいとされています。

STP分析をした結果、今回は無差別型ターゲティングをおこないたいと思う

無差別型ターゲティングは大企業に多い手法で、セグメントの違いを無視して共通の商品やサービスをすべての市場に提供するという手法です。食料品においてよく用いられます。

STP / STP分析に関係した気になる話題

STP分析はいつ行うのがいいのか

自社や競合他社、市場に変化があったとき、STP分析をおこなうとよいでしょう。

例えば、他社の新規参入や企業買収などのタイミングが挙げられます。ビジネスにおける競争環境は常に変化するため、定期的にSTP分析をおこない、必要に応じてマーケティング戦略を変更すること必要です。

STP分析をおこなう上での注意点

STP分析におけるセグメンテーション時は、市場へのアプローチの難易度や実現可能性に注意しなければなりません。また、市場の大きさと成長性、広告や宣伝にかかるコストを考慮し、収益性を確保することも必要です。

時には順番にこだわらないことも重要です。基本的にはセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの順におこなうことが多いですが、それぞれ同時に分析したり、着手しやすい項目から始める場合もあります。


STP / STP分析に関連する記事

この記事がお役に立ちましたら、"いいね!"をお願いします
minweb辞書のIT用語をお届けします