IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月23日

おむにちゃねる

オムニチャネル / Omni channel

実店舗やオンライン店舗などのあらゆる顧客との接点(チャネル)を全て(オムニ)統合すること、チャネルの統合により顧客にチャネルを意識させない一貫した購買体験を提供すること

英字

POINTオムニチャネル / Omni channelとは

オムニチャネルとは、実店舗やオンライン店舗などのあらゆる顧客との接点(チャネル)を全て(オムニ)統合すること、そして、このようなチャネルの統合により顧客にチャネルを意識させない一貫した購買体験を提供することをいいます。

オムニチャネルの「チャネル」は消費者と企業の間の流通経路や販売経路を指し、実店舗やECサイト、SNS、マスメディアなどが含まれ、「オムニ」は「すべての」や「あらゆる」といった意味を持ちます。

例えば、オムニチャネル化することで、実店舗とオンライン店舗で同じIDで決済やポイントの利用ができたり、スマホで見た商品を実店舗で購入またはその逆ができたりします。

O2Oとの違い

O2Oとオムニチャネルの違いは、オンラインとオフラインの区別をするかしないかという点にあります。

O2OはOnline to Offlineの略であり、インターネット上(Online)のコンテンツなどから実店舗(Ofline)へ顧客を誘導するマーケティング手法をいいます。例えば、クーポンやポイントをアプリで配信し、実店舗への来客を促すといった手法があります。

これに対し、オムニチャネルはオンラインもオフラインも区別せず、全てのチャネルを統合し、全てのチャネルから等しい購買体験を提供することを目指します。O2Oに比べて、顧客の囲い込みやリピーターが見込めることが特徴です。

マルチチャネルとの違い

マルチチャネルとO2Oの違いは、全てのチャネルを統合しているかどうかという点です。

マルチチャネルは複数のチャネルを用いて顧客にアプローチする手法です。用いるチャネルは実店舗やECサイト、SNSなど様々です。マルチチャネルと呼ぶ場合には、それぞれのチャネルが独立して運用されており、チャネルの統合はされていないのが特徴です。

これに対し、オムニチャネルはマルチチャネルで用いた複数のチャネルを全て統合したものを指します。マルチチャネルに比べ、チャネルが統合された一貫したサービスを顧客に提供でき、顧客の満足度が高いことが多いのが特徴です。

オムニチャネル戦略が生まれた理由

オムニチャネル戦略が生まれた理由として、インターネットやスマートフォンの普及による消費行動の変化が挙げられます。
インターネットやスマートフォンの普及により、実店舗に行かないままネットの情報だけで商品を購入したり、店舗に行ったとしてもより安いものをネットで探して購入(ショールーミング)したりする消費者が増えました。

そこで、実店舗とECサイトの区別をなくし、顧客に同じ購買体験を提供することを目的とするオムニチャネルという戦略を取り、顧客満足度を上げて他社との競争に打ち勝とうとする企業が増えたのです。

オムニチャネル化によってもたらされる効果

オムニチャネル化によってもたらされる効果として、大きく2つ挙げられます。

1つ目は、顧客満足度の上昇です。顧客から見れば、オムニチャネルは複数のチャネルを通していつでもどこでも同じ購買体験ができ、とても利便性が高いサービスであるといえます。顧客満足度が上昇することでリピーターを増やし、顧客を自社のチャネルで囲い込むことができます。

2つ目は、在庫の管理など業務の改善ができるようになることです。今までそれぞれのチャネルでバラバラに行なっていた在庫や注文の管理などを全て統合するため、コストを削減したり、業務の効率化が見込めます。

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オムニチャネル / Omni channelの使用例

「オムニチャネル化するには費用がかかるね」

オムニチャネルはバラバラだった全てのチャネルを統合するため、O2Oなどに比べてコストがかかる傾向にあります。

「オムニチャネル化されたサービスは使いやすいなぁ」

1つの会員IDですべての買い物で決済ができたりポイントが使えたりすると、顧客にとって使いやすいサービスであるといえます。楽天などがその例です。

「アパレル業界でよくオムニチャネル化が注目されているね」

アパレル業界ではネットでの決済率が増え実店舗だけでは今まで通りの売上を確保することが難しいためオムニチャネルを導入しようという動きがよく見られます。よくSNSやアプリ、実店舗とECサイトを連携したサービスなどが用いられます。

「オムニチャネル化よりまずマルチチャネル化したほうがいいんじゃない?」

マルチチャネルは複数のチャネルを用いることで顧客との接点を増やすことです。顧客との接点が足りない場合、オムニチャネルよりもマルチチャネルの方を重要視した方がいい場合もあります。

オムニチャネル / Omni channelに関係した気になる話題

オムニチャネル化に成功した事例①

オムニチャネル化に成功した事例の1つとして、セブン&アイホールディングスによる「オムニ7」があります。

オムニ7では、セブンイレブンだけでなく西武・そごうやイトーヨーカドーなどのインターネットで注文した商品を近くのセブンイレブンで受け取ることができ、また、このサービスを利用した際に共通のポイントを貯めてそれぞれの店舗で使うことができるサービスです。

セブンイレブンで受け取るなら配送料や手数料無料など、また、幅広い商品と日本全国の配送に対応していることから多くの消費者が利用しやすいサービスとなっています。

オムニチャネル化に成功した事例②

もう1つのオムニチャネル化に成功した例として、東急百貨店のスマートフォンアプリである「東急百貨」があります。

このアプリでは、フロアマップなどの実店舗の情報を見るだけでなく、ネットで商品の購入やクーポンの情報を受け取ることができます。さらに、アプリでは来客効果だけでなく、来客した顧客の会員データを分析することで、さらなる顧客満足度上昇のための施策につなげることができます。

東急百貨店ではアプリだけでなく、Twitterやfacebookでクーポンを配布するなどSNSでの集客にも力を入れており、たくさんのチャネルを用いた販売を行なっています。


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