IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月21日

せぐめんてーしょん

セグメンテーション

ターゲットとなる顧客層を決めるため、顧客を年齢や性別、居住地など特定の属性ごとに細分化、分類するマーケティング手法

英字

POINTセグメンテーションとは

「セグメンテーション」とは、顧客を年齢や性別、居住地など特定の属性ごとに細分化、分類するマーケティング手法の1つです。これはターゲットとなる顧客層を決めるためにおこなわれます。
分類された小さなグループのことを「セグメント」と呼びます。

従来は対象を特定しない「マスマーケティング」と呼ばれる手法が主流でしたが、現在はユーザーニーズが多様化してきているため、ニーズにあわせた商品開発やプロモーション戦略が求められるようになりました。
セグメンテーションををおこない、市場を細分化することで、経営資源を効率的に投下できるうえに、マーケティング効果を最大化させることが可能になりました。

 

セグメンテーションとターゲティングの違い

セグメンテーションの後、自社の商品を市場に出す際に、どの顧客層(セグメント)をターゲットとするかを決めることを「ターゲティング」といいます。このとき、セグメンテーションによって分類された小さなグループのうち、狙うと決めた対象グループのことを「ターゲット」と呼ぶこともあります。

適切なターゲティングをおこなうには、自社の強みや弱みだけでなく、競合他社の状況や市場の成長性などを分析する必要があります。

セグメンテーションとポジショニングの違い

「ポジショニング」とは、ターゲットに定めた顧客層の中にある競合商品・サービスと比較し、自社の立ち位置を決めることです。

ターゲティングによって特定のセグメントをターゲットとすることで、競合商品や既存商品と、自社の商品との違いを検討することができます。ポジショニングでは、他社と比較した上で、自社の商品に優位性があるポジションを探していきます。

セグメンテーションの分類方法

セグメンテーションの分類方法は様々ありますが、「地理的変数(ジオグラフィック変数)」「人口動態変数(デモグラフィック変数)」「心理的変数(サイコグラフィック変数)」「行動変数」の4つで分けられことが多いです。

「地理的変数」は国や市区町村、気候、人口密度などの地理的な違いによって区分する方法です。
よく利用されるセグメンテーションとして、人口統計分布に基づいた「人口動態変数」が挙げられます。これには年齢や性別、家族構成、所得などの変数があります。

「心理的変数」とは、価値観やライフスタイル、性格などがこれにあたります。
「行動変数」とは、ユーザーの購買履歴や動向を分析することによって、商品購入におけるユーザーの行動パターンに注目する方法です。

セグメンテーションの4Rとは

セグメンテーションする際、不要な細分化を避けるために使われる視点として「優位性(Rank)」「有効規模(Realistic)」「到達可能性(Reach)」「測定可能性(Response)」の4つがあります。

「優位性」とは、セグメントを重要度によって順位をつけるという視点です。「有効規模」は、そのセグメントが十分な市場規模や収益可能性があるかどうかを検討する視点を指します。

また、セグメントに対して商品やサービスを届ける難易度や実現可能性に関する視点を「到達可能性」、商品やサービスがユーザーに届いたときにセグメントの反応を測定したり分析したりできるかという視点を「測定可能性」といいます。

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セグメンテーションの使用例

「どの変数を使ってセグメンテーションする?」

商品の種類や販売方法によって変数との関連度も変わります。例えば、インターネット通販やオンラインサービスにおいて、地理的変数は関連度が低いことが挙げられます。

「どのセグメントをターゲットにする?」

どのセグメントを標的市場とするか決める際は、利益性を測るため、市場の成長性や競合商品の状況、広告や宣伝にかかるコストなどを分析する必要があります。

「この商品の購入者情報を年齢でセグメンテーションしておいて」

年齢によるセグメンテーションは比較的容易なため、生活に関わる身近な商品やサービスにおいて利用されることが多いです。例えば、コンビニの利用者データや、テレビの視聴率調査の分析に利用されています。

「ユーザーをセグメンテーションしてターゲットを絞ろう」

ユーザーニーズが多様化する中、詳細なセグメンテーションによって、自社にとって優位性の高い市場を特定することは非常に重要です。これにより、限られた経営資本を効果的に活用することができるからです。

セグメンテーションに関係した気になる話題

セグメンテーションの例 「ハーゲンダッツ」

効果的なセグメンテーションによる成功例として、ハーゲンダッツの例が挙げられます。

かつてのアイスクリーム市場は、主なターゲットはおやつとしてアイスクリームを購入する子供でした。それに対してハーゲンダッツは「高級・高品質なお菓子を求める大人」というセグメントをターゲットとしました。
さらに実店舗から撤退し、パッケージ商品のみを展開することで、特定の店舗でしか販売されていない高級なアイスクリームとも差別化を図りました。

これらの戦略により「どこでも手に入る高級・高品質なアイスクリーム」というポジショニングをおこない、新たな顧客層の獲得に成功しました。

セグメンテーションするときの注意点

セグメンテーションした後、そのセグメントをターゲットとすることで利益が生まれるのかチェックする必要があります。商品開発の時点では利益性が成り立っていても、広告や宣伝にかかるコストを考慮すると利益性が低くなる場合があるからです。

また、ターゲットとしたセグメントに対して、自社の強みが活かしきれない場合もあります。セグメンテーションの際は、自社の強みや競合他社との関係性を考慮する必要があります。


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