PDCAサイクルの名前は、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字から取られています。PDCAは、品質管理の父と呼ばれている「ウィリアム・エドワーズ・デミング博士」によって1950年代に提唱された、生産管理や品質管理などの業務を向上・改善することを目的に用いられるフレームワークです。
このフレームワークはビジネスシーンだけでなく、私生活の中でも生活習慣改善といった目的で用いられることがあります。
PDCAは、業界・業種・目的にかかわらず応用することができる改善の考え方なので、企業戦略から個人的な目標達成まで役立てることができます。
PDCAのPlan(計画)とは、理想とする目標を設定し、その目標を達成するためのプロセスの計画を立てることです。目標を設定することで、その目標を達成するにはどのようなプロセスを辿るべきかを仮説を立てながら「計画」します。
例えば、「Webサイトへの集客を来月までには3倍にする」という目標を立てることで、そこからどのようなプロセスを辿れば達成できるかを「計画」します。
「Webサイトへの集客を来月までには3倍にする」という目標を達成するために、例えばGoogleで検索順位を上位表示させたり、新しい広告を作成するといった方法を「計画」し、どのくらいの効果があるか「仮説」を立てながら計画をおこないます。
PDCAのDoとは
PDCAのDo(実行)とは、Plan(計画)で立てられた計画に基づいて実際に行動を「実行」する段階のことです。
例えば、「Webサイトへの集客を来月までには3倍にする」ためには、Googleで自社Webサイトの検索順位を上位表示させると計画したとします。
この計画を達成するために、キーワード対策などといった方法を「実行」します。
もし、Do(実行)が上手くいかない場合は、Plan(計画)で立てた計画に無理があるということになるので、Plan(計画)を現実的に実行可能な範囲に修正する必要があります。
PDCAのCheckとは
PDCAのCheck(評価)とは、Plan(計画)に沿ってDo(実行)が上手くできていたかを評価する段階のことです。もし、Check(評価)の段階で計画通りの成果が得られていなかった場合は、なぜそうなってしまったのか原因を調査し、改善を検討する必要があります。
例えば、「半月でWebサイトへのアクセス数が1.25倍にはなったが、計画では1.5倍の予定だった」とします。計画していたよりもSEO効果が弱かったのか、ユーザーの興味を惹くような広告ではなかったのか、何が原因か調査・評価することで今後のPlan(計画)、Do(実行)を改善することができます。
PDCAのActionとは
PDCAのAction(改善)とは、PDCでの検証結果を受けて、計画通りに進んでいない場合は改善策など今後の方針を検討します。
例えば、このまま「Webサイトへの集客を来月までには3倍にする」のか、それとも目標を「2.5倍に変更する」のか、Check(評価)をもとに検討します。
こうしてAction(改善)の段階で改善・修正された目標に基づいて、また新たにPlan(計画)に戻り、新しい計画を検討していきます。
P→D→C→Aの順でサイクルし続けることで、継続的に改善することができ、より良い解決策を導き出すことができます。
PDCAサイクルをおこなうメリットは
PDCAサイクルを活用する大きなメリットは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Actiton(改善)のサイクルに沿うことで、作業を効率的におこなうことができることです。定型化したサイクルを何度も繰り返し、改善・修正を続けることで効果的な解決策を見つけることができます。
ほかにも効果的な解決策を見つけることができれば、コスト・時間を節約しながらプロジェクトの成否を判断することもできます。
「仕事のできる人はPDCAがわかっている人が多いよ」
ある程度PDCAサイクルを回すことで、仕事を効率化することができます。PDCAが完成しても改善の余地はありますので、日々修正し、より良いもにすることができます。
「一郎選手もPDCAサイクルを野球に活用していたんだよ」
ビジネスシーンだけで、スポーツなどでも目標を定め、どのように練習をすれば達成できるかを決める指針として用いられることもあります。
「PDCAってなんの略称なの?」
PDCAサイクルの名前は、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字から取られています。
「PとDを考えるだけでは、PDCAサイクルにはならないよ」
Plan(計画)を検討し、Do(実行)して終わりではなく、Check(評価)、Action(改善)をおこなって、またPlan(計画)に戻り修正することが重要になります。
PDCAをおこなう際に陥りがちな失敗
一般的にマーケティングの4Pに変わるもので、4Cが消費者側、4Pが企業側という視点の違いがあります。具体的には、4Pが商品を企業が考え市場に売り込むプロダクトアウト、つまりものから考える戦略であるのに対して、4Cは消費者のニーズから考えるマケットイン、つまり消費者から考える戦略といえます。
一方で、優れた4Pを実現するための思考ツールという位置付けとも言えます。ラウンターボーンは4Pを設定する前に、まず買い手視点での4Cの検討から入るべきであると主張している。マーケティング担当者は、ターゲット市場の顧客を4Cの視点で理解すれば4Pの設定もはるかに容易になるとも述べています。
4Cと3Cの違いはなんですか?
PDCAが失敗する原因に、Plan(計画)で設定した目標が高すぎることが挙げられます。
高すぎる目標を設定すると、改善まで辿り着く前に、実行者たちのモチベーションが低下してしまうケースもあります。
Plan(計画)では、現実的な目標を設定することが望ましいです。
ほかにも目標を設定する際は、定量的な数字を用いていないと感覚で評価しなければいかないので、評価者次第で評価が変わってしまいます。そうなった場合、改善策も感覚によって変動してしまうのでPDCAが上手く回らないことがあります。
PDCAをおこなう際のコツ
PDCAサイクルの重要なポイントは、目的・目標を明確にすることです。
目的・目標を常に意識することで、自分たちが何のために行動しているか、見失わないようすることができます。
また、前回のサイクルの結果をもとに改善し実行した後、どのような影響をもたらしたかが常に分かるように定期的にチェック・レポートにすることも重要になります。
新しいサイクルであるOODAやD-OODA
OODAの名前は、Observe (観察)、Orient (状況判断、方向づけ)、 Decide(意思決定)、Act (行動)の頭文字から取られています。
OODAは、PDCAと比較して素早い状況判断に重きを置かれています。
柔軟かつ素早い意思決定を実現するためのフレームワークです。
D-OODAの名前は、Design(計画立案)、Observe(観察)、Orient(方向付け)、Decide(決定)、Act(行動)の頭文字から取られています。
D-OODAは、PDCAに比べ組織体系をより効率化させることを目的としたフレームワークです。
この記事がお役に立ちましたら、"いいね!"をお願いします
minweb辞書のIT用語をお届けします