IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年9月3日

とりぷるめでぃあ

トリプルメディア

マーケティング戦略を立てる際に便利な「メディア分類の考え方」のこと

別名

POINTトリプルメディアとは

トリプルメディアとは、主にwebマーケティングで用いられる考え方です。

トリプルメディアの考え方では、メディアの形態によって「ペイドメディア・オウンドメディア・アーンドメディア」の3タイプに分類します。広告枠を提供しているものなのか、純粋に商品の情報提供をするためのものなのか、などによってそのメディアの分類は大きく変わります。

それぞれのメディアをうまく掛け合わせることで、単一のメディアでは出せない効果を発揮することができます。

費用をかけて露出を増やすペイドメディア

ペイドメディアとは、「お金を払って広告を出す」という従来のメディアを指します。テレビや新聞などの「マス広告」、Yahoo!JAPANやスマートニュースなどの「インターネット広告」が該当します。

ペイドメディアの特徴としては、「短期的な効果が期待出来る」ということがあげられます。

「期間限定のセールを行う」「新規商品の認知度をすぐに上げたい」「オウンドメディアを立ち上げたばかりでなかなか検索流入が集まらない」などの場合、ペイドメディアを活用することで狙った成果に繋がる可能性が高まります。

一方で、広告として読み飛ばされてしまう可能性や、広告出稿するための費用が発生するなどのデメリットも存在するため、利用の際には注意する必要があります。

企業が自社で所有しているオウンドメディア

オウンドメディアとは、企業が自身で所有するメディアのことを指します。企業は、自身がもつメディア(オウンドメディア)で、自社の商品やサービスの紹介を行ったり、直接販売を行ったりします。

その企業の商品・サービスに関心がある人や、検索エンジンからの流入がオウンドメディアのユーザーに該当します。ペイドメディアでの広告に比べ、「詳細な商品の説明」であっても、最後まで読み飛ばされずに読んでもらえる可能性が高いです。

しかし、ペイドメディアのような不特定多数に対する宣伝を行うことは出来ないことは注意が必要です。また、検索エンジンからの流入を期待する場合は、SEO(検索結果で、自分のサイトのページを上位に表示させるようにする施策のこと)を意識したコンテンツ作りをすることが求められます。

ユーザーと双方向の交流ができるアーンドメディア

アーンドメディアとは、消費者による情報発信によって形成されるメディアのことを指します。アーンドメディアの例として、 TwitterやInstagramなどのSNSや、メディアの取材による報道などがあります。

アーンドメディアの特徴を一言で表すと「大きな拡散力」です。特にSNSは、いいねやリツイートなどの機能が実装されていることで、共感を呼ぶコンテンツであれば瞬く間に拡散されます。

しかし、評判というのは良いものだけでなく悪いものも当然存在します。「消費者がどのような内容の発信をするか」については、コントロール不可能です。自社のブランドやイメージのためにも、SNSでの炎上などに対しては細心の注意を払う必要があります。

トリプルメディアの活用方法

トリプルメディアの活用は、まずオウンドメディアに力を入れてコンテンツを作成しつつ、作成したコンテンツをペイドメディアやアーンドメディアを用いてユーザーに届けるという動きが効果的です。

オウンドメディアはコンテンツを積み上げることで、長期的な流入を埋める一方で、短期的に集客をするのが苦手です。一方、ペイドメディアやアーンドメディアは短期的な集客に繋がりやすいですが、長期的な集客にはあまり適してはいません。

それぞれの苦手な部分を補いつつ、サイトを育てていくことで、長期的な集客につなげていくことができます。現状のメディアの状況に応じて適切に運用していきましょう。

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トリプルメディアの使用例

webマーケティングでは、トリプルメディアの考え方を活用しよう

個々のメディアにはそれぞれ特徴があるため、トリプルメディアの考え方を用いた、効率的なメディア利用が重要です。そうすることで、コスパの良いマーケティングが可能になります。

世界的企業のインテルは、トリプルメディア戦略を用いて110万以上の反応を生み出した

世界的なIT企業のインテルでは、たった24人のインフルエンサーの働きで、ソーシャルメディア上で110万以上の反応を得ました。この成果は、メディアの特徴を捉えたトリプルメディア戦略の効果が最大限発揮された結果であると考えられます。

トリプルメディアは企業ブランディングに大切です

企業ブランドを高めるには、継続的に自社の精神を伝えていくことが重要です。
また、トリプルメディアを用いたメディア戦略は、継続性を持って顧客に情報発信ができます。そのため、トリプルメディアは企業ブランドの構築に大切な役割を果たします。

トリプルメディアに関係した気になる話題

トリプルメディアに変わるPESOモデル

ここ数年、トリプルメディアに変わる考え方として「PESOモデル」が提唱されています。PESOモデルとは、トリプルメディアの3つの分類にシェアードメディアを加えた、新しいメディア分類の仕方のことをいいます。

PESOモデルでは、もともとアーンドメディアとされていた「SNS・ブログでの口コミ」をシェアードメディアと呼んでいます。一方で、このモデルでのアーンドメディアは、パブリシティによる情報発信を指します。パブリシティとは「マスコミからのインタビュー対応」「企業側からマスコミへの積極的な情報提供」を行うことにより、マスコミに自社の内容を取り上げてもらうように促す活動のことをいいます。

アーンドメディアとシェアードメディアは、情報を自身でコントロールできないという意味では共通しています。しかし、パブリシティによる情報発信であるか、それとも消費者の感想の共有であるかという点で異なっています。

SNSのもつ影響力は日に日に大きくなり、新聞やテレビなど、従来のメディアの影響力が相対的に小さくなっています。PESOモデルは消費者自身の情報発信をより細かく分析できるという点で、トリプルメディアよりも現状に即したものであると考えられています。

トリプルメディアを提唱した日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会とは

日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会とは、マーケティング・コミュニケーションにデジタルを活用するための必要な研究・情報収集を行っている組織です。広報・マーケティング携わる広告主以外にも、制作会社、シンクタンク、学術団体も参加しています。

この組織では、年に一度インターネット広告、Webマーケティングに関わる人に向けて、最も取り組むべき課題についての宣言を行っています。「トリプルメディア」は、2010年の日本広告研究会宣言によって提唱されたものです。


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