IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年7月31日

ざいあんすこうか

ザイアンス効果

同じ人や物に接する回数が増えるほど、警戒心が薄れ、その対象に対して好印象を抱くようになる効果のこと

別名

POINTザイアンス効果とは

ザイアンス効果とは、同じ人や物に接する回数が増えるほど、警戒心が薄れ、その対象に対して好印象を抱くようになる効果のことを指します。

1968年、アメリカの心理学者、ロバート・ザイアンスが考案しました。彼の名前から「ザイアンス効果」または「ザイオンス効果」と呼ばれています。

ザイアンス効果は、人や物、音楽など、様々なものに当てはまります。例えば、何度も同じ曲を聴くことでその曲が好きになったり、CMやテレビ番組で何度も目にした商品に親しみを感じたりすることは、ザイアンス効果の1つだと考えられています。

ザイアンス効果の活用方法①Webマーケティング

ザイアンス効果は、Webマーケティングにおいて活用することができます。具体的な活用方法としては「アプリのプッシュ通知」「メルマガ」「リマーケティング広告」の3つが挙げられます。

①アプリのプッシュ通知
アプリのプッシュ通知を活用し、ユーザーがアプリを開くように促すことで、アプリへの好感度を高めることが期待できます。また、アプリの好感度を高めることで、定期的な利用や商品の購入に繋げることができます。

プッシュ通知の内容は、キャンペーンセールや無料のクーポン券配布など、ユーザーにとってメリットのあるものにするのが望ましいです。ユーザーの属性とサービス内容に応じて、接触頻度を増やすことで、アプリの使用頻度を高めることができます。

②メルマガ
ザイアンス効果を活用するためには、メールマガジンを発行し、接触回数を増やすことも効果的です。例えば、ECサイトでは、商品購入から到着に至るまでの間に複数のメールを送付し、ユーザーとの接触を試みています。これは、自社に好印象を抱いてもらうことを目的としています。

③リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、一度自社のホームページや商品ページを閲覧したユーザーに対し、繰り返し広告配信をおこなう仕組みのことです。一度は興味を持って訪れたサイトや商品のバナーを表示するため、ユーザーにクリックしてもらえる可能性が高いです。

ザイアンス効果の活用方法②営業

ザイアンス効果は、マーケティングだけでなく、営業でも活用することができます。

具体例として「訪問販売」が挙げられます。営業活動では、何度も同じ顧客を訪問し、雑談だけして帰ることがあります。これは、何度も訪問し、顧客との接触回数を増やすことで、まずは自分自身に好印象を抱いてもらうことを目的としています。

多くの場合、はじめてインターホンを押した時は、門前払いにあい、話を聞いてもらうことはできません。そのため、何度も訪問することで警戒心を解き、信頼関係を築いていきます。その後、適切なタイミングで商品を紹介することで、購入してもらえる可能性が高まります。

ザイアンス効果の特徴

ザイアンス効果の特徴として、以下の2つが挙げられます。

①接触時間ではなく接触回数が重要
ザイアンス効果においては「接触回数」が非常に重要となります。一般的には7回目で購買行動が増え、10回が上限で、それ以上は何回接触しても印象は変わらないとされています。ただし、これらの回数はあくまで目安ですので、時と場合に応じて柔軟に対応することが大切です。

また、ザイアンス効果において、1回あたりの接触時間は好感度に影響を与えないと考えられています。つまり、重要なのはあくまで「接触回数」です。

②短期間に集中した方が効果的
ザイアンス効果を引き出すためには、接触頻度がポイントとなります。そのため、短期間の間に集中して、何度も接触回数を重ねる方が効果的です。また、一度ザイアンス効果によって強い印象を持つと、その効果は長続きするといわれています。

ザイアンス効果の注意点

ザイアンス効果の注意点として、以下の2つが挙げられます。

①悪い印象が強くなってしまう可能性がある
ザイアンス効果は「『嫌い』を『好き』に変える」ものではなく、「接触回数が多いほど印象が強くなる」ものです。そのため、第一印象などの早い段階で嫌悪感を抱かれてしまった場合、接触回数が増えるほど、悪い印象がさらに増幅してしまう可能性があります。

②接触回数が多すぎると嫌われる可能性がある
接触頻度があまりにも高かったり、1回あたりの情報量が多すぎたりすると、ユーザーに嫌悪感を与えてしまう可能性があります。特にメールマガジンの配信では、配信頻度や文章量、コンテンツの質に注意する必要があります。

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ザイアンス効果の使用例

「ザイアンス効果を営業に活かそう」

ザイアンス効果の活用方法の1つとして、訪問販売が挙げられます。何度も訪問して接触回数を重ねることで、ザイアンス効果によって好印象を持ってもらうことが期待できます。

「ザイアンス効果を狙って、リマーケティング広告を配信しよう」

ザイアンス効果は、Webマーケティングでも活用することができます。リマーケティング広告を配信することで、既存ユーザーの再訪問を狙うことができます。

「ザイアンス効果は、短期間に集中した方が効果的だ」

ザイアンス効果は、短期間に集中した方が効果的という特徴があります。短期間の間に集中して接触することで、接触頻度を高めることができるからです。

「ザイアンス効果には上限回数がある」

一般的に10回以上の接触は、何回でも印象に影響を与えないとされています。この回数はあくまでも目安ではありますが、上限回数があることには注意が必要です。

ザイアンス効果に関係した気になる話題

ザイアンス効果は恋愛にも効果的?

マーケティングや営業など、ビジネスの場面で活用されることが多いザイアンス効果ですが、恋愛にも活用することができます。

例えば、お付き合いしてほしい方に対し、出会ったばかりの段階で交際を申し込んでも、相手は警戒しているため、よい返事をもらうことは難しいです。メールや電話で連絡をとったり、食事に誘ったりすることで、接触機会を増やし、好感を持ってもらうことが重要です。

このように、ザイアンス効果は恋愛にも活用することができます。意中の人に関心を持ってもらいたい時や、結婚したい相手がいる時など、ザイアンス効果を活用することで、成功率が高まるかもしれません。


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