ROIとは「Return On Investment」の略で、投資した費用に対してどれくらいの利益を得ることができたかを表す指標です。日本語では「投資対効果」「投資利益率」「投資収益率」「投資資本利益率」などと呼ばれます。ROIが高いということは、投資の費用対効果が高いということを意味します。
ROIは、導入するシステムやツールを比較・検討する際や、実施した施策の効果を測定する際などに用いられます。広告効果を測る指標として用いられることも多く、インターネット広告を評価する際などに活用されます。
①投資によって得られた効果を数値的に測ることができる
ROIを算出することで、投資したコストに対する効果を数値的に見ることができます。利益をベースに計算するので、事業や広告の採算性を判断することができます。また、事業全体だけでなく、1つ1つの施策ごとに算出することもできるので、より詳細に把握することも可能です。
②規模が異なる事業の効果を測定することができる
ROIを使用することで、規模が異なる事業も簡単に比較することができます。ROIは利益をベースに計算するので、それぞれの事業の費用対効果を対等に比較・検討することができます。投資効果が優れている事業、優れていない事業を把握することで、会社の発展に繋げることができます。
ROIのデメリット
①長期的な利益を軽視してしまう
ROIだけを重視しすぎてしまうと、長期的な利益を蔑ろにしてしまう可能性があります。長期的な投資と短期的な投資を同じスパンで比較してしまうと、投資を始めたばかりは、あまり収益が出ないような長期的な投資と比べて、短期的な投資の方がすぐにROIに反映されやすいため、長期的な投資が軽視されてしまう恐れがあるからです。長期的な視点を忘れないことが大切です。
②数値化できない価値を評価することが難しい
ROIは利益という数値をもとに算出する評価基準なので、数値化できない価値を評価することはできません。例えば、広告による認知度の向上や、ボランティア活動による企業のイメージアップなどは、金額上の利益として表すことができないため、ROIには反映されません。
ROIの計算方法
ROIは「利益÷投資額×100(%)」で計算することができます。利益とは、売上金額から売上原価と投資額を引いた数値のことで、「売上−売上原価−投資額」で計算することができます。また、売上原価とは仕入れや製造にかかったコストのことです。
例えば、ある事業の売上金額が1000万円、売上原価が300万円、投資額が200万円だとします。この場合、利益は「1000万円−300万円−200万円=500万円」となります。つまり、ROIは「500万円÷200万円×100(%)=250%」となります。
ROIとROASの違い
ROIは「Return On Investment」の略で、投資したコストに対してどれくらい利益が発生したかを測る指標です。利益をベースに算出するので、計算式は「利益÷投資額×100(%)」となります。
これに対し、ROASは「Return On Advertising Spend」の略で、投資した広告費に対してどれくらい広告経由の売上が発生したかを測る指標です。売上をベースに算出するので、計算式は「広告経由の売上÷広告費×100(%)」となります。
ROIとROASはいずれも、投資した費用に対してどれくらいの効果を得ることができたかを測る指標です。しかし、ROIは「利益」を見るのに対し、ROASは「売上」を見るという点で異なります。
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「明日の会議までにROIを算出してレポートを作成しなけれなならない」
ROIの計算方法は「利益÷投資額×100(%)」です。ROIを算出することで、事業や広告の採算性を数値的に把握することができます。
「今回の広告は知名度アップを目的としているから、ROIで評価するのはやめよう」
知名度の向上やイメージアップなど、金額上の利益として表すことができないものは、ROIには反映されません。そのため、事業や広告の目的によっては、ROIが評価基準として相応しくない場合もあります。
「この事業はROIが高いので、もっと投資して事業規模を拡大させよう」
ROIが高いということは、投資効果が優れていることを意味します。ROIが高い事業や広告に力を入れることで、さらなる利益の拡大を期待することができます。
「来期の事業投資について、ROIを参考にしよう」
ROIは投資したコストとそれによって得られた利益をもとに算出するので、規模の異なる事業も対等に比較することができます。
ROIが重要視されるようになった背景
ROIが重要視される理由として、ROIは投資の費用対効果を利益ベースに測ることができる指標であることが挙げられます。
近年、マーケティングツールの多様化やフローの複雑化などによって、マーケティング効果がわかりにくくなってきています。一方で、特にリーマンショック以降、企業は経営体制の見直しが求められるようになりました。
このような背景から、1つ1つの投資の効果を明確化することができる、ROIへの関心が高まってきています。
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