IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年6月29日

そーしゃるりすにんぐ

ソーシャルリスニング

ソーシャルメディア上の顧客の声を収集・分析し、マーケティングに活用していくこと

POINTソーシャルリスニングとは

ソーシャルリスニングとは、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNS、ブログや掲示板、口コミサイトなどのソーシャルメディア上の顧客の声を収集・分析し、マーケティングに活用していくことです。アンケート調査をおこなうよりも膨大な情報を収集し、ソーシャルメディア上の顧客の正直な感想や率直な意見を得ることで、今後の企業戦略や商品戦略に生かすことができます。

また、ソーシャルリスニングはリスク管理にも活用でき、ソーシャルメディア上のネガティブな情報にいち早く対応し、炎上を未然に防ぐこともできます。

ソーシャルリスニングでわかること

ソーシャルリスニングによってわかることを4つ挙げます。

①ブランドイメージ
ソーシャルメディア上からは顧客から発信される生の声を得ることができ、顧客が持つ商品や会社に対するブランドイメージを正確に分析することができます。

②顧客の潜在ニーズ
ソーシャルリスニングでは、幅広い層の顧客の率直な意見を収集することができ、顧客の潜在的なニーズを知ることができます。アンケートなどでは書かれなかったネガティブな意見も、SNSからは得ることができるかもしれません。

③業界や消費者の動向
自社の製品やブランドイメージだけでなく、業界のトレンドや顧客の動向も把握することができます。先を見越して商品開発に生かしたり、新たな顧客層へのアプローチもできるかもしれません。

④プロモーションの効果測定
SNSはリアルタイムで情報が更新され、消費者の素の反応を集めることができます。そのため、プロモーションの効果をいち早く把握し、次の施策に生かすこともできます。

ソーシャルリスニングの必要性

現在、多くの顧客が商品を買う際に口コミやレビューを参考にしています。そこで、ソーシャルリスニングを通してこれらの口コミやレビューを分析し、今後の企業戦略や商品戦略に生かすことが重要視されるようになりました。

また、近年、スマートフォンやSNSの普及により、誰もがリアルタイムに自分の意見を発信できるようになりました。そこで、今まではアンケート調査などができなかった潜在顧客層からの意見やSNS上の顧客の率直な反応を得ることができるようになり、これらの声を収集・分析して今後の企業活動に生かすためにもソーシャルリスニングが必要となりました。

ソーシャルリスニングの活用方法

ソーシャルリスニングによって得たデータは、マーケティング施策のターゲットの決定や見込み顧客の情報収集に役立てることができます。マーケティング活動において、ターゲットの設定は非常に重要です。ソーシャルリスニングによってターゲットの年代やニーズなどを明確化することで、より効果のあるマーケティング施策をおこなうことができます。

また、ソーシャルリスニングをリスク管理に役立てることもできます。ソーシャルリスニングから得られるデータはリアルタイムな消費者の生の声です。もし、ソーシャルリスニングを通して得られたネガティブな意見にすぐに対応することができれば、炎上を事前に防ぐことにつながります。

主なソーシャルリスニングの流れ

主にソーシャルリスニングは、①明確な目的を設定する→②分析対象を決定する→③情報を収集・分析する、という流れでおこなわれます。

①明確な目的を設定する
まずは、何のためにソーシャルリスニングをおこなうのか決定します。ブランドイメージを知りたいのか、プロモーションの効果測定をおこないたいのかによって、ソーシャルリスニングの情報収集・分析方法は異なります。ソーシャルリスニングの効果を高めるためにも、明確な目標設定が必要です。

②分析対象を決定する
どのようなアカウントから、どのようなキーワードについて分析をおこなうか決定します。欲しい情報が得られる分析対象を設定しましょう。

③情報を収集・分析する
単純にキーワードが含まれた投稿件数だけでなく、それらの投稿に頻出するキーワードや影響力の高いアカウントの割り出しなどをおこないます。また、投稿の数値的な解析だけでなく、その投稿がネガティブかポジティブかという定性的な分析も重要です。

ソーシャルリスニングのやり方

まず、簡単にできるソーシャルリスニングのやり方としては、TwitterなどのSNSで自社の名前や商品名などを検索する方法(エゴサーチ)が挙げられます。また、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで検索してみてもよいかもしれません。

ただし、この手法は取り扱い商品数や顧客数が多い場合は情報収集すべき投稿数が膨大になり、自力で分析するのは困難でしょう。そこで、用いられるのが「ソーシャルリスニングツール」です。ソーシャルリスニングツールとは、ソーシャルメディア上の膨大な投稿を収集し分析し、欲しい情報を得ることのできるツールです。有名なものとしては、「クチコミ@係長」や「見える化エンジン」などがあります。

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ソーシャルリスニングの使用例

「店頭アンケート調査だけではなく、ソーシャルリスニングを活用してみない?」

アンケート調査では質問の項目などが決まっていて得られる情報量に限りがありますが、ソーシャルリスニングでは自由に書き込まれたソーシャルメディア上の情報を分析するため、顧客の生の声を得ることができます。

「ソーシャルリスニングをしたところ、意外な商品の改善点が見つかった」

ソーシャルリスニングでは匿名性の高いソーシャルメディア上の投稿を分析するため、店頭アンケートよりも顧客の本音が得られやすいかもしれません。

「潜在顧客を見つけるためにソーシャルリスニングを活用しよう」

ソーシャルリスニングは今の顧客からの意見だけでなく、市場や消費者の動向やトレンドも知ることができます。そのため、ソーシャルリスニングは新たな市場開拓のために使われることもあります。

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ソーシャルリスニングの活用事例

ソーシャルリスニングを活用事例を2つ挙げます。

①消費者や市場の動向をSNSから分析
株式会社ブレインパッドは日本コカ・コーラ株式会社のプロジェクトの一環として、SNSの投稿画像をAIで解析し、ドリンクの消費シーンを分析しました。特定のブランドのドリンクが移った画像のみを抽出し、一緒に写っている人物や背景、物体などまで解析しました。これにより、消費者のドリンクを飲むシチュエーションや一緒に食べられている食品などを解析し、商品戦略に生かすことができたといいます。

②SNSの炎上をいち早く発見して迅速に対応
Hulu社が炎上の早期発見としてソーシャルリスニングを活用した事例です。2009年、Huluが人気番組を事前告知なしで削除したところ、その直後からソーシャルメディア全体で怒りの声が多く上がりました。Huluは2週間以内にソーシャルメディア上の声を分析し、番組の削除に関する適切な説明がなかったことへの謝罪と2週間後改めて削除する旨を顧客に発信しました。このHuluの迅速で誠実な対応は顧客に好意的に受け止められたため、ソーシャルリスニングによって炎上によるダメージを軽減できたと言えるでしょう。

ソーシャルリスニングツールの例

ソーシャルリスニングツールを使えば、ソーシャルメディア上の膨大な情報の中から顧客の生の声を分析することができます。
例えば、「Social Insight」は、特にSNS上のクチコミの分析に長けたソーシャルリスニング活用ツールです。キーワードを設定して投稿を調査するだけでなく、自社や競合のアカウントを登録して一括比較することができます。
他にも、「クチコミ@係長」というツールもあります。クチコミ@係長では、SNSやWebメディアなど各ソーシャルメディア上の口コミを素早く分析することができます。


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