IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2019年12月22日

ぐろーすはっく

グロースハック

ユーザーから得た商品・サービスについてのデータを分析し、マーケティングの課題を解決していく手法

英字

POINTグロースハックとは

グロースハック(Growth hacking)とは、ユーザーから得た商品・サービスについてのデータを分析し、マーケティングの課題を解決していく手法です。インターネットマーケティングと混同されがちですが、2つには異なる点があります。

2010年にアメリカのQualaroo社、ショーン・エリス最高経営責任者によって提唱された概念です。インターネットサービスの分野では、グロースハックを専門とする「グロースハッカー」の存在が重要とされています。

Facebook、Twitter、Dropbox、Uber、Airbnbなど、ここ数年で急成長を遂げた企業の背景には、この「グロースハッカー」が関係していると言われています。

 

グロースハックと従来のマーケティングの違い

従来のマーケティングでは、広告を出稿したり、SEOやアクセス解析、A/Bテストやユーザーテストなどがおこなわれていました。しかし、これらにはサービス完成後のPRやマーケティングといった意味合いが強くありました。

グロースハックでも、SEOやアクセス解析などをおこないますが、それらに加えて、「サービスの向上や進化」を図ります。常にホームページについて分析し、仮説と検証を繰り返す、これが従来のマーケティングと大きく異なる点です。

グロースハッカーとは

グロースハッカーは、2010年にアメリカQualaroo社のショーン・エリス最高経営責任者が提唱した職種の名称です。

グロースハッカーとは、製品やサービスなどについて技術的な知識を用いて費用をかけずにマーケティング上の課題を解決し、新たな方法で効率、生産性を上げることで企業・ビジネスの成長を加速させ、成長を継続させる仕組みを作る人(チーム)のことです。

Facebook、Twitter、Dropbox、Uber、Airbnbなど、これらの企業が急速に成長できたのは、グロースハッカーの存在が大きいと言われています。

グロースハックを行う上でのポイント

グロースハックを成功させるためには「データ分析」がポイントになり、どのようなデータが欲しいのかを明確に定めておく必要があります。
ユーザーの行動を分析するのに役立つのが「コホート分析」「ファネル分析」です。

■コホート分析
ユーザーの行動をグループ化し、指標ごとに数値化して分析する手法

「コホート分析」をおこなう際に便利なツールが「Googleアナリティクス」です。
Googleアナリティクスには、グロースハックで最も重要とされるA/Bテストの機能が標準で備わっているので、対象となるWebページにタグを埋め込むことでA/Bテストの実施と詳細な分析をおこなうことができます。

■ファネル分析
アプリ内でユーザーにしてほしいアクションに至るまでのプロセスの離脱率を把握し、どこで多くのユーザーが離脱しているかを確認する分析手法

「ファネル分析」をおこなう際に便利なツールが「Mixpanel」です。
Googleアナリティクスが一般的なWebサイトのアクセス解析に使われるのに対しMixpanelはユーザーの詳細な行動を分析したいときに活用されます。

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グロースハックの使用例

「グロースハックができる人材を獲得しよう」

グロースハックができる人材とは、サービスを利用するユーザーのデータ分析し、サービスを成長させていくことができる人材のことです。

「グロースハッカーの需要はこの先も増していくだろう」

米国ではこのグロースハッカーがスタートアップ企業だけでなく、数多くの企業から求められるような人材となっています。

「グロースハックを始めるには何からすればいい?」

何から始めるか迷った場合、まずA/Bテストをすることをおすすめします。A/Bテストはグロースハックを実践する上で非常に重要な手法です。

「グロースハッカーに必要な資質とは?」

グロースハッカーには「ABCDE」の資質が必要だと言われています。
簡単に訳すと、分析的であり、広い好奇心を持ち、クリエイティブで自律心があり、共感的である人です。

グロースハックに関係した気になる話題

AARRR(アー)モデルとは

Apple Watchは腕につけるタイプの小型パソコンやスマートフォンのことです。時計としての機能はもちろんスマートフォンと連動することもでき、メールチェックやラインでの通知なども表示することができます。

日常的な場面でスマートフォンをわざわざ持ち歩くのが面倒というときでも、Apple Watchだけ身に着けていれば、最低限の電話やメッセージなどは確認することができます。

AARRR(アー)モデルとは

グロースハックの主なフレームワークにAARRRモデルがあります。
AARRRモデルとは、「Acquisition」「Activation」「Retention」「Referral」「Revenue」の5つの段階から構成されています。

このモデルは主に、ネットショップなど会員を集め収益化を目指すWebサービスで、よく見られる成長戦略です。

①Acquisition(ユーザー獲得)
AARRRモデルの入り口となるのが、「ユーザー獲得(Acquisition)」フェーズになります。
例えば、新しいWebサービスは、立ち上げたばかりの場合、多くの人はその存在を知りません。より多くの人にサービスを認知してもらい、実際に訪問してもらうことがAcquisitionのフェーズです。

②Activation(利用)
Activationは「利用開始」を意味します。
商品・サービスの利用を開始してもらい、慣れてもらわなければ最終的な収益にはつながりません。このフェーズでは、新規ユーザーの早期離脱を防ぐことと継続利用してくれるユーザーを増やすことが目的です。

③Retention(継続)
Retentionのフェーズでは、ユーザーが一定期間すぎても継続的にサービスを利用しているかをみます。Retentionを促すためには、メルマガやプッシュ機能など、サービスのことを忘れてもらわないような取り組みも重要です。

④Referral(紹介)
Referralのフェーズでは、すでにサービスを利用しているユーザーが、新規のユーザーにサービスを紹介誘導することを指します。

⑤Revenue(収益化)
Revenueは最後のフェーズになります。
Revenueは収益化を指し、ユーザーのコンバージョン、つまり継続利用ユーザーから課金ユーザーへの転換を目的としています。

成功したグロースハックの事例②

次にTwitterの成功事例を紹介します。
Twitter社は自社サービスのデータ分析をおこなった結果、下記のことがわかりました。

①「初日に4人以下しかフォローしなかったユーザーはやめる割合が大きい」
②「逆に初日に5人以上フォローしたユーザーは継続率が高い」

①、②のデータをもとに、Twitterは登録直後にフォローを促すステップを入れ、「5人以上フォローしないと利用が開始できない仕組み」を導入しました。

この施策の結果、ユーザーの継続率を向上させることに成功しました。
データをもとに、ユーザーを増やす仕組みを構築した成功例です。


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