IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年6月29日

りーどなーちゃりんぐ

リードナーチャリング

獲得した見込み顧客(リード)を自社の顧客に育成していくこと

POINTリードナーチャリングとは

リードナーチャリングは、直訳すると「見込み顧客の育成」という意味の英単語で、獲得した見込み顧客(リード)を自社の顧客に育成していくことを指します。また、見込み顧客を獲得することを「リードジェネレーション」といいます。
リードナーチャリングは、広告や展示会などにおけるリードジェネレーションによって獲得した見込み顧客に対し、メールや電話などを用いて継続的なコミュニケーションを取ることで、購買意欲が上がったタイミングで商談に繋げることを目的としています。
リードナーチャリングでは、オンライン、オフライン問わず様々な手法を利用し、有益な情報を中長期的に提供することで、自社の商品・サービスへの購買意欲を高めていくことができます。

リードナーチャリングが重視される理由

①購買プロセスの長期化・多様化
リードナーチャリングが重要視されるようになった理由の1つとして、購買プロセスの長期化・複雑化が挙げられます。
従来の購買プロセスは、比較的単純で短期的なものでした。しかし、インターネットの普及により、顧客が能動的に情報を収集することが可能となりました。これに伴い、顧客は情報収集をおこなった上で、商品・サービスの比較・検討をおこなうようになったため、購買プロセス長期化・複雑化しました。

②休眠顧客の増加
休眠顧客とは、過去にアプローチして獲得したものの、購入などのコンバージョンに至らず、そのまま放置してしまっている見込み顧客のことを指します。リードジェネレーションに取り組んできた企業では、このような休眠顧客が溜まっている可能性があります。

リードナーチャリングのメリット

①長期的な顧客フォローを制度化することができる
リードナーチャリングを仕組みとして組み込むことで、営業担当の属人的なフォローに頼ることなく、効率的に見込み顧客をフォローすることが可能となります。

②既存の顧客情報を活用することができる
リードナーチャリングをおこなうことで、既存の顧客情報を活用し、効率よくコンバージョン獲得を狙うことができます。一般的に新規のリード獲得は、1件あたり8000〜1万3000円かかるといわれています。既存の見込み顧客に対し、継続的にアプローチをおこなうことで、無駄な集客コストを削減することができます。

③適切なタイミングで再アプローチできる
見込み顧客と継続的にコミュニケーションを取ることで、見込み顧客の行動や興味を確認することができます。これにより、顧客のニーズが顕在化した段階で、タイミングよく再アプローチすることができます。

④見込み顧客が競合他社に流出することを防げる
アプローチした時点でコンバージョンに至らなかった見込み顧客の多くは、数年以内に購買行動を起こし、競合他社の商品・サービスを購入する傾向にあります。リードナーチャリングをおこなうことで、見込み顧客を繋ぎ止め、競合他社に流出してしまうことを防ぐことができます。

リードナーチャリングのデメリット

①リソースがかかる
リードナーチャリングの実施には、見込み顧客の情報とマーケティングに関するデータを一括で管理する必要があります。マーケティングオートメーションなどを利用することで、効率よく情報を管理することができますが、ツール導入にはコストがかかります。また、工数がかかるため、人的リソースが必要となります。

②効果が出るまでに時間がかかる
リードナーチャリングでは、商品の検討を始めたばかりの顧客や、自社の商品について詳しく知らない顧客を長期的に育成していく必要があります。そのため、結果が出るまでに時間がかかります。

③リードジェネレーションをおこなっている必要がある
リードナーチャリングは、あくまで「既存」の見込み顧客に対しておこなう施策なので、既存の見込み顧客がいることが前提となります。あらかじめリードジェネレーションをおこない、見込み顧客を獲得しておく必要があります。

リードナーチャリングの手法5つ

①インサイドセールス
インサイドセールスとは、獲得した見込み顧客の精査をおこない、確実性の高い見込み顧客に対して商談をおこなう営業手法のことです。インサイドセールスをおこなう際は、まずメールや電話によって連絡を取り、コミュニケーションの中で見込み顧客の課題・要求を引き出します。引き出した情報をもとに商談をおこなうことで、より確実にコンバージョンに繋がりやすくなります。

②マーケティングオートメーションツール(MAツール)
マーケティングオートメーションとは、マーケティング活動を自動化するツールのことで、オンラインで半自動的に接客をおこなうことができます。見込み顧客の興味・関心に沿ったコンテンツ提供や、興味段階別のメール配信、スコア判定による見込み顧客の確度の可視化などをおこなうことが可能です。

③リターゲティング広告
リターゲティング広告を活用することで、商品・サービスを忘れた頃に再認識してもらい、購買候補に入れてもらうことができます。

④セミナー
商品・サービスに関するセミナーを開催することで、顧客が欲しい情報を提供し、見込み顧客の関心をさらに高めることができます。また、資料請求やWebサイトの閲覧などに比べると、セミナー参加はハードルが高いため、興味・関心の高い見込み顧客が対象となります。

⑤SNS / Eメール
SNSやEメールを用いて情報を発信することで、見込み顧客の関心を集めたり、関係性を強めることができます。Eメールでは、見込み顧客の興味段階に応じてメールの内容を変えることで、より効果的にアプローチすることができます。

リードナーチャリングを成功させるためのポイント

①営業部門とマーケティング部門の連携を強化する
一般的に、リードナーチャリングはマーケティング部門が担当します。リードナーチャリングを成功させるためには、営業部門が求める見込み顧客の状態を部門間で共有し、購買意欲が高まった見込み顧客を、速やかに営業部門に引き渡すことが重要となります。

②興味段階に応じた魅力的なコンテンツを用意する
見込み顧客の興味・関心を高めるためには、興味段階に応じたコンテンツを提供し続けることも重要です。そのためには、ユーザーニーズを満たすような、魅力的なコンテンツを用意しておく必要があります。

③見込み顧客のスコアリングをおこなう
リードナーチャリングをおこなう際は、見込み顧客の関心度や購買意欲を数値に置き換え、可視化することも重要です。マーケティングオートメーションツールを活用し、効率よくスコアリングをおこなうことで、その後の施策に活かすことができます。

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リードナーチャリングの使用例

「リードナーチャリングをおこなう」

リードナーチャリングをおこなうことで、効率的に見込み顧客に対してアプローチをかけることができます。

「リードナーチャリングの前にリードジェネレーションをおこなうべきだ」

リードナーチャリングは、既存の見込み顧客に対しておこなう施策なので、適切な集客ができていない場合は効果が現れにくいです。リードジェネレーションによって、見込み顧客を獲得することも重要です。

「MAツールを導入して、効率的にリードナーチャリングをおこなう」

MAツールとは、マーケティングオートメーションツールの略です。MAツールを導入することで、自動的にマーケティングをおこない、見込み顧客をフォローすることができます。

「リードナーチャリングを実施する上で、営業とマーケティングの連携は必須だ」

リードナーチャリングをおこなうマーケティング部門と、顧客に対して商談をおこなう営業部門が連携することによって、効果的にリードナーチャリングを実施することができます。

リードナーチャリングに関係した気になる話題

リードナーチャリングの成功事例

リードナーチャリングの成功事例として、Oktopost社の事例が挙げられます。Oktopost社は、主にBtoBのソーシャルマネジメントプラットフォームを提供している企業で、営業部門とマーケティング部門の連携による効率的な営業活動を実現しました。
当初、Oktopost社ではマーケティング部門がすべてのリードナーチャリングを担当しており、その情報の伝達は逐一手動でおこなっていました。そのため、無駄なコストが発生し、情報の正確性も不明確な状態でした。
そこで、マーケティングオートメーションツールを導入し、見込み顧客の確度をスコアリング、その情報を営業部門に随時共有しました。また、マーケティングオートメーションツールを活用し、メールマーケティングやリターゲティング広告の活用もおこないました。


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