UGC(User Generated Contents)とは、一般ユーザーによって作られたコンテンツのことです。ユーザー生成コンテンツと呼ばれることもあります。
UGCの例としては、Twitter・InstagramなどのSNSに投稿されたコンテンツや、口コミサイトに投稿された感想・意見、通販サイトの商品レビューなどが挙げられます。
企業が作成したCMや広告などに対し、UGCは一般消費者が発信した情報であるため、信頼性が高く、親近感を持ちやすいという特徴があります。
UGCがマーケティングで重要視されるようになった背景として2つあげます。
①インターネットやSNSの普及
インターネットやSNSの普及により、誰もが簡単にリッチコンテンツの作成や気軽な情報発信をおこなうことができるようになりました。
以前は掲示板やレビューサイトの投稿が中心だったUGCですが、拡散力を持つSNS上で作成されるようになったことで、UGCは以前よりずっと多くのフォロワーに影響を与える存在となりました。これにより、UGCはインターネット上の重要なコンテンツとして、注目されるようになりました。
②消費者の購買行動の変化
消費市場が成熟し、必要な物はほとんど揃っている現代では、消費者の物に対する所有欲が低く、共感した物にお金を払うといった傾向を持つようになりました。また、SNS上の一般ユーザーの評価にはリアリティがあり、共感を得やすいという特徴があります。
こうした消費者の購買行動の変化を受け、SNSの投稿など、ユーザーの共感を得やすいUGCを活用することで、消費者を商品購入により後押しすることができると考えられるようになりました。このこともUGCが重要視されるようになった背景の1つです。
UGCを取り入れるメリット
UGCをマーケティングに取り入れる際のメリットとして4つあげます。
①ユーザーから親近感や共感を得やすい
企業による宣伝よりも、一般ユーザーの意見の方がリアリティがあり、消費者は自分が商品を購入した時を想像しやすいでしょう。例えば、細身のモデルが商品の洋服を着ている写真よりも、Instagramで自分と似た体型の一般人が商品を着ている写真の方が参考になる場合があります。
②肯定的な意見だけでなく否定的な意見も収集できる
UGCには肯定的な意見から否定的な意見まで様々なものがあるため、アンケート調査などではなかなか得ることができない否定的な意見も含めて、次の商品戦略に生かすことができます。
③信頼感を得ることができる
商品を選ぶ消費者の視点に立ったUGCは、良い点だけを押し出す企業のプロモーションとは異なり、客観的な一般消費者の意見・感想です。そのため、信頼性が高く、商品購入の後押しとなる可能性もあります。
④ユーザーならではの視点を得られることもある
ユーザーならではの視点で商品やサービスを紹介してもらえるので、企業が思いつかない斬新なアイディアや活用術が生まれる可能性もあります。例えば、あるお菓子商品の、本来の食べ方とは少し違った食べ方がTwitterで拡散され売り上げが伸びる、といった例があげられます。
UGCを取り入れる際に注意すべきポイント
UGCをマーケティングに取り入れる際、注意すべきポイントを3つあげます。
①情報の正確性
ユーザーが発信した情報であるため、その情報が本当に正しいかどうかはわかりません。ユーザーに悪意がなくても、間違って誤った情報を発信している可能性もあるため、注意が必要です。
②コンテンツの質の担保
一般ユーザーが作成したコンテンツであるため、UGCのコンテンツの質には差があります。UGCを活用したキャンペーンなどを企画する場合は、既存ユーザーがコンテンツを作成するハードルを下げつつ、新規ユーザーを引き付けるような質の良いコンテンツを作成してもらうため、工夫する必要があります。
③権利侵害の可能性がある
UGCの活用の仕方によっては、著作権や二次使用などの権利を侵害する可能性があります。例えば、あるユーザーの写真を許可なく拡散したところ、後日ユーザーからクレームが届く、ということもあるかもしれません。
UGC活用するためのマーケティング施策とは
UGCをマーケティングに活用する場合、「UGCを生成するための施策」と「UGCを活用するための施策」の2つがあります。
①UGCを生成するための施策
UGCを生成するための施策として「ハッシュタグキャンペーン」があります。ソーシャルメディア上でハッシュタグをつけた投稿を促し、認知拡大を目指すキャンペーンです。
そのほかにも、「顧客が思わず投稿したくなるような看板やPOPを店頭に設置する」「インフルエンサーを起用して商品の紹介をしてもらう」などの施策があります。
②UGCを活用するための施策
生成されたUGCを収集し、活用するための施策です。ソーシャルリスニングなどを通してUGCの収集・分析をおこない、広告施策やSNSの拡散に活用します。
本当にUGCが売り上げ向上につながっているのか、評価をしながら進めていくことが大切です。
「UGC / ユーザー生成コンテンツ」を調べた人はこの用語も調べています
「このカバンを買おうか迷うなあ。口コミサイトでUGCを収集してみよう」
商品を購入しようか迷っている時に、口コミサイトなどで一般ユーザーからの客観的な意見を参考にしようとするユーザーはとても多いです。
「UGCを生成するためにTwitterでハッシュタグキャンペーンをやりましょう」
ユーザーが参加しやすく拡散力もあるTwitterでは、よくハッシュタグキャンペーンがおこなわれています。
「自分の服を買う時は、企業のCMよりもInstagramのUGCの方が参考になる」
プロのカメラマンが撮ったモデルが着ている綺麗な商品の写真よりも、一般ユーザーが撮った写真の投稿の方が、消費者は親近感を持ちやすい傾向にあります。
「とあるマーケティング施策が失敗して、ネガティブなUGCが増えてしまった」
UGCはユーザー主体であるため、企業主体でコントロールしにくいという特徴があります。炎上などにつながらないよう、注意が必要です。
UGCを活用したマーケティング事例
UGCを活用したマーケティング事例として2つあげます。
①スターバックスの#WhiteCupContest
「#WhiteCupContest」とは、2014年にStarbucksがTwitter上でおこなったキャンペーンで、白いカップに絵を描いてハッシュタグをつけて投稿し、優勝者のデザインは期間限定でスターバックスのカップデザインに採用されるという内容のものです。多くのユーザーが腕をふるって参加し、Twitter上で多くの拡散が生まれました。
②カゴメのFacebook広告
食品メーカーのカゴメは、UGCそのものをFacebook広告の素材として使用し、成果を上げました。Facebookの広告は通常の投稿の間に表示されるものなので、UGCを活用することでリアリティのある広告が作成でき、成果につながったようです。
UGCと混同されやすい「CGM(消費者生成メディア)」とは
UGCと混同されやすい言葉に、CGMがあります。
CGM(Consumer Generated Media)とは、直訳すると「消費者生成メディア」という意味で、ユーザーの投稿によって成り立っているメディアのことを指します。例えば、TwitterやInstagramなどのSNS、口コミサイト、食べログ、クックパッドなどです。
これに対し、UGCは一般ユーザーに作られたコンテンツのことを指します。例えば、TwitterやInstagram などのSNSの投稿や、口コミサイトの意見、食べログやクックパッドに投稿されたレビューなどです。
つまり、CGMとは、多数のユーザーが作成したコンテンツである、UGCが集められて成り立つメディアだと言うことができます。
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