IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年7月13日

あいぴーあどれす

IPアドレス

パソコンやスマートフォン、タブレットなど、ネットワーク上の機器それぞれに割り当てられる識別番号のこと

英字

POINTIPアドレスとは

IPアドレス(Internet Protocol Adress)とは、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、ネットワーク上の機器それぞれに割り当てられる識別番号のことです。
ネットワークで通信相手を判別するために用いられるため、「ネットワーク上の住所」と表現されることもあります。

現在普及しているIPv4というバージョンでのIPアドレスは、32桁の2進数で表現されています。しかし、そのままではわかりにくいため、8桁ごとに「.」で区切って「172.168.1.1」などの10進数で表記することが一般的です。

IPアドレスは通常IPv4アドレスで表現される

IPアドレスには、IP(インターネット上で通信するための通信規約)のバージョンに応じて、IPv4のIPアドレス(IPv4アドレス)とIPv6のIPアドレス(IPv6アドレス)がありますが、現在普及しているのはIPv4アドレスです。

IPv4アドレスでは、32桁の2進数でIPアドレスを表現します。しかし、そのままでは扱いにくいため、8桁ずつ10進数表記をして表現することが一般的です。
例えば、「10101100101010000000000100000001」というIPアドレスは、「10101100.10101000.00000001.00000001」と8桁ずつ区切り、「172.168.1.1」と10進数表記されます。

IPアドレスはネットワーク部とホスト部で構成される

一般的に、IPアドレスは、その機器がどのネットワークに所属しているかを示す「ネットワーク部」と、ネットワーク内でどの機器かを識別するための「ホスト部」から構成されています。ネットワーク部とホスト部の境界はIPアドレスによって異なり、IPアドレスを割り当てたいホスト(コンピュータ端末)の数などによって自由に設定されます。

例えば、「172.168.1.1」というIPアドレスのネットワーク部が「172.168.1」だとすると、ホスト部は「1」です。このとき、ネットワーク部が同じでホスト部が異なる「172.168.1.2」や「172.168.1.3」のIPアドレスが割り当てられた機器は、同じネットワーク部に所属しています。

逆に、「172.168.2.1」のIPアドレスが割り当てられた機器は、「172.168.1.1」とネットワーク部が異なるため、「172.168.1.1」が割り当てられた機器とは違うネットワークに所属することがわかります。

IPアドレスのネットワーク部とホスト部の境界を区別する方法

一般に、IPアドレスはネットワーク部とホスト部から構成されますが、ネットワーク部とホスト部の境界がわからないと、結局そのIPアドレスはどこのネットワークのどの機器を示しているのか、判断することができません
そこで、IPアドレスのネットワーク部とホスト部の境界を区別する方法を2つ挙げます。

①クラスフルアドレス
IPアドレスの先頭のビット列によって、ネットワーク部とホスト部の境界を決定する方法です。以下のように、クラスAからクラスCまでそれぞれ使えるアドレス範囲が決定されています。
・クラスA 先頭ビット列0 アドレス範囲0.0.0.0~127.255.255.255
・クラスB 先頭ビット列10 アドレス範囲128.0.0.0~191.255.255.255
・クラスC 先頭ビット列110 アドレス範囲192.0.0.0~223.255.255.255

②クラスレスアドレス
クラスフルアドレスでは、8桁ずつでしかネットワーク部とホスト部の境界を設定することができませんでしたが、クラスレスアドレスでは、サブネットマスクを用いて自分の好きな位置を境界に設定することができます。

サブネットマスクはネットワーク部とホスト部の境界を示すために用いられる32桁の数値のことで、「1」はネットワーク部、「0」はホスト部を意味します。
例えば、「172.168.1.1」というIPアドレスのサブネットマスクが「255.255.0.0(10進数表記)」(「1111.1111.0000.0000(2進数表記)」)なら、「1」で表現された「172.168」の部分がネットワーク部、「0」で表現された「1.1」の部分がホスト部と判別されます。

また、IPアドレスの後ろに数字をつけて、何桁目までがネットワーク部か表す表記もあり、その場合は「172.168.1.1/16」というように表現されます。

IPアドレスにはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスがある

IPアドレスは、用途別に「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」に分類されます。

①グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスとは、その機器固有のIPアドレスのことで、インターネットに接続された全てのパソコンやネットワーク機器に1つ1つ割り当てられています。
世界で固有のアドレスのため、重複することはありません。通常、パソコンやルーターなどをインターネットに接続すると、ISP(インターネット接続事業者)からグローバルIPアドレスの1つが割り当てられて、インターネットが利用できるようになります。

②プライベートIPアドレス
プライベートIPアドレスは、インターネットに接続しない、プライベートなネットワーク内で利用するためのIPアドレスです。
プライベートIPアドレスを持った機器がインターネットに接続する場合は、「NAT」と呼ばれる、プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する機能を持ったルータが必要となります。

また、プライベートIPアドレスは、設定できるIPアドレスの範囲が「10.0.0.0~10.255.255.255」「172.16.0.0~172.31.255.255」 「192.168.0.0~192.168.255.255」とあらかじめ決められているという特徴もあります。

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IPアドレスの使用例

「プライベートIPアドレスを手動で設定する」

自分でネットワークの構築をする場合は、手動でIPアドレスを設定する必要がある場合もあります。

「この前、この端末に中国のIPアドレスから不正アクセスされていることが確認されたよ」

第三者からのインターネット経由で不正アクセスや攻撃などをされた場合、デバイスに残されたログからIPアドレスを割り出し、どこの国や地域のIPアドレスか調べることができます。

「自分のIPアドレスを確認してみよう」

今、自分が使用しているグローバルIPアドレスは、「確認くん」などのサイトで確認することができます。

「IPアドレスが枯渇しないよう、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを使い分ける必要があるね」

インターネットの発展により、IPv4のIPアドレスはほぼ枯渇してしまっています。インターネットに直接接続する必要のない機器はプライベートIPアドレスで管理するなどの対策がとられています。

IPアドレスに関係した気になる話題

IPアドレスとドメイン名との関係

IPアドレスと同様に、ネットワークで通信をする相手を判別するために用いられる識別子として「ドメイン名」があります。ドメイン名は、WebサイトのURLや、電子メールのアドレスなどに用いられます。
例えば、URLでは「https://selrea.jp/」の「selrea.jp」の部分、電子メールでは「info@example.co.jp」の「example.co.jp」の部分などがドメイン名にあたります。

IPアドレスとドメイン名は、どちらも通信相手を判別するための識別子ですが、IPアドレスは「コンピュータ用の識別子」、ドメイン名は「人間用の識別子」という違いがあります。IPアドレスは2進数の32桁(または128桁)の数値で、そのまま人間が扱うには複雑でわかりにくいため、ドメイン名というわかりやすい表記に変換して使用しています。

ドメイン名とIPアドレスの変換は、DNS(Domain Name System:IPアドレスとドメイン名を紐づけるシステム)によっておこなわれ、正しい通信相手と通信できる仕組みが成り立っています。

IPアドレス枯渇問題とIPv6の関係とは

インターネット利用の拡大により、現在広く利用されているIPv4のIPアドレスが枯渇するという問題が発生しています。
現在、分配済みのIPアドレスの効率的な利用や、IPアドレスの再利用など、様々な対策を講じていますが、使用できるIPアドレスの総数は増えていないため、根本的な問題解決にはなりません。

そこで、IPアドレス枯渇問題の対策として話題に上がっているのが「IPv6」の活用です。 IPv6はIPv4と同様、インターネットで通信するための通信規約の1つで、IPv4で使うことができるIPアドレスが約 2の32乗 個(約43億個)であるのに対し、IPv6では約 2の128乗個(約340澗個)ものIPアドレスが使用可能です。

IPv4からIPv6に移行するには時間がかかるため、現在は、IPv4の効率利用を進めつつ、IPv6の普及を進めている段階です。


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