IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月27日

ぷろとこる

プロトコル / protocol

通信をおこなうコンピュータ間での「約束事」

英字

POINTプロトコル / protocolとは

プロトコル(protocol)とは、IT通信に関わる用語で、通信をおこなうコンピュータ間での「約束事」を意味します。プロトコルによって通信手段や情報の表現方法などが定められ、これにより、異なるコンピュータ間でもネット通信を含めたITの多様な接続を円滑におこなうことができます。

また、プロトコルには通信の種類ごとに様々な種類があります。例えば、ファイルを送受信する際にはFTP、メールを送信する際にはSMTP、逆にメールを受信する際にはPOP3やIMAPと呼ばれるプロトコルが用いられます。

プロトコルの機能

一般的なプロトコルの構造は、ISO(国際標準化機構)によって定められた「OSI基本参照モデル(開放型システム間相互接続モデル)」に則った構造になっています。
OSI基本参照モデルでは、プロトコルの機能は大きく7つの階層に分類されます。

①第一層は物理層です。ケーブルやコネクタなどの物理的な機器同士の接続や端末間のIT接続を指します。

②第二層はデータリンク層です。第三層のネットワーク層からの要求に応じ、第一層の物理層の要求に対して要求を行います。世界的な有線LANの技術規格「イーサネット」はこの層に含まれます。

③第三層はネットワーク層です。ネットワークにおける通信経路の選択をおこなう層です。IPアドレスを用いる「IP」も第三層のプロトコルの一種です。

④第四層はトランスポート層です。これより上位の階層からの指令を受けデータを送信したり、受信したデータの報告をおこなったりします。有名なものとして、伝送制御プロトコルである「TCP」があります。

⑤第五層はセッション層です。通信中のセッションの管理をおこないます。具体的にはセッションが切れたときに再接続を試みる機能などをおこなう層です。

⑥第六層はプレゼンテーション層です。データの表現方法を定める層で、データの暗号化や圧縮、ファイル形式の定義や変換などをおこないます。例えば、メール転送プロトコル「SMTP」などがあります。

⑦第七層はアプリケーション層です。利用者が操作する具体的な機能についての仕様や通信手段などが定められます。この層には、メール転送プロトコル「SMTP」やHTMLコンテンツのプロトコル「HTTP」などがあります。

中でも第七層から第五層までの層は上位層、第四層から第一層のことは下位層と呼ばれます。このような第一層から第七層までが定義として満たされることによって、異なるコンピュータ間でも通信が可能となっています。

通信プロトコルの種類

通信プロトコルは通信の種類によって様々な種類があります。通信プロトコルの種類について5つ挙げます。

①IP(インターネット・プロトコル)
インターネットにおける主要なプロトコルで、ネットワークに接続されている全てのコンピュータに対してIPアドレスを振り分け、通信先の判別をおこないます。

②FTP(ファイル・トランスファー・プロトコル)
ファイルを送受信する際に用いられるプロトコルです。サーバにアップされたファイルを見ることや、サーバにファイルをアップしたりするときにも使われます。Webページを読み込んで表示するときも、このFTPによっておこなわれています。

③SMPT(シンプル・メール・トランスファー・プロトコル)
電子メールを送信する際のプロトコルです。階層的には第七層に属し、認証機能などがないシンプルな機能です。

④HTTP(ハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコル)
Webブラウザがサーバと通信をする際に用いられるプロトコルであり、HTMLなどで記載されたテキストページを読み取ることができます。

⑤NTP(ネットワーク・タイム・プロトコル)
ネットワークに接続されている機器の時計を正しい時刻に同期するためのプロトコルです。NTPは、サーバが時刻を取得した時刻から機器に情報が伝達するまでの通信時間も考慮して時刻が定められていて、より正確な時刻を機器に表示させることができます。

プロトコルが積み重なって機能するプロトコルスタック(プロトコルスイート)とは

プロトコルスタックとは、ある通信方式を実現するために、低い階層から順に通信プロトコルを積み重ねて全体として機能するようにした組み合わせのことをいいます。一般的に3層から7層程度を積み重ねて一つのシステムが機能します。
例えば、Webによる通信を行う場合には、物理層(Wi-Fi)やネットワーク層(IP)、トランスポート層(TCP)、アプリケーション層(HTTP)という階層かシステムが構成されます。

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プロトコル / protocolの使用例

「プロトコルがないと通信できないよ」

プロトコルがないと他のコンピューターと通信することができなくなります。また、ネットワークにも接続できなくなります。

「プロトコルは誰が決めているのかな」

多くのプロトコルは、IETF(インターネット技術特別調査委員会)によって定められています。

「プロトコルエラーが出てるけど、原因がわからないよ」

プロトコルエラーとは、プロトコルがうまく働いていないために生じているエラーです。
エラー番号がわかると解消することができます。
例えばエラー番号 : 0x800CCC0Fであれば、容量の大きいメールを送受信している場合や、Norton AntiVirus を使用している場合に起こるエラーであるとわかります。

「基本的なプロトコルに従わないと通信ができないよ」

一般に、世界的に標準とされているプロトコルに基づいてコンピュータやソフトウェアが設計されています。標準的なプロトコルに従わなければ、他のコンピュータとの通信ができないです。

プロトコル / protocolに関係した気になる話題

プロトコルを識別する番号「プロトコル番号」とは

プロトコル番号とは、上位層のプロトコルを識別するための番号です。IPパケットのヘッダに8ビット情報として記載されています。
プロトコルはIANA(Internet Assigned Numbers Authority)によって定められており、現在プロトコルの番号は0~255まであります。例えば、プロトコル番号が1の場合はICMPであり、番号が45であればIDRPとなります。


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