2020年に本格的に普及が始まった、第5世代移動通信システムを指し、5Gの「G」はGeneration(世代)の略です。携帯電話、パソコン、テレビなど、様々なものがこの通信システムを通じて、データや情報の送受信をしています。
2020年3月25日から、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯キャリア3社が順次開始しました。
5Gの特徴としては、高速大容量(通信スピードが早い)・低遅延(遅延が少ない)・多数同時接続(多くの機器と通信できる)の3つがあげられます。
5Gは、4Gとどう違うのか
①高速データ通信が可能になった
4Gでの通信速度は1Gbpsでしたが、5Gでは20Gbpsになりました。
4Gと比較すると、5Gでは、高解像度の映像のダウンロード時間が短縮し、インターネットで動画を再生する際に動画が停止したり音声が途切れたりすることが減っています。
②データ送信の遅延が改善された
4Gでのデータ送信の遅れは10ミリ秒程度でしたが、5Gではは1ミリ秒程度まで改善したため、リアルタイムで遠隔操作をする場合にスムーズな操作ができるようになりました。
③同時接続台数が増加した
4Gでは、1キロ平方メートルでの台数制限は10万台でしたが、5Gでは、100万台の同時接続が可能になり、インターネットにより繋がりやすくなりました。
5Gになると生活はどう変化するのか
①IoT機器の利用が拡大する
IoT機器(Internet of Things)は生活家電やヘルス機器などの電源をいれた時間・利用時間・使用位置など、さまざまなデータを逐次記録する機器を指します。IoT機器は、行動や活動のデータ化を可能にします。
IoT機器から集められたビッグデータは、AIが分析し、QOL向上のための提案や健康管理に役立てられることもあります。
②スマートファクトリー化が進む
工場のロボット、製造ライン、カメラなどあらゆるものにセンサーを持たせ、5G経由で統合することで、工場の人手不足問題を緩和することができるかもしれません。
また、ヒューマンエラーが減ることで、効率性や正確性が改善します。
③スマートハイウェイ化が進む
車両や道路上のスマートシステムから提供されるデータをAIで分析し、事故発生の原因を特定したり、事故防止対策の強化を図ることができます。
高速道路を走行する車の車両内に取り付けられた様々なセンサーや通信設備と、高速道路上に配置されているスマートシステム(電力供給システム、料金所、街灯)などを利用することで、より安全で便利な運転が実現します。
④娯楽が多様化する
動画コンテンツの画質が大幅に改善するため、高解像度の映画やライブ映像が見ることができます。
また、高速で大容量の通信ができることで、VRやARを用いたゲームを楽しんだり、臨場感のあるライブやスポーツ観戦といった、リアルタイム性が求められるサービスの拡大に繋がります。
VR(virtual Reality)
ヘッドマウントディスプレイと呼ばれるゴーグルを装着することで、頭の動きや傾きや身体の動きが映像とリンクし、まるで現実世界のような仮想体験ができる。
AR(Augmented Reality)
実現する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を仮想的に拡張する
5Gの課題
①カバー範囲が狭い
総務省は「5年以内に50%以上のメッシュ(全国を10キロ四方で区切ること)で5G高度特定基地局を整備する」としており、5年たっても日本の半分しかカバーされない可能性があります。
②電波の飛距離が小さい
5Gの電波は4Gに比べて、飛距離が小さく、障害物に弱いといえます。そのため、建物内だと電波が入りにくい、基地局の少ない場所では電波が届かない、といった問題が発生する可能性があります。
5Gが導入されて、渋谷でもネットが繋がりやすくなった
5Gでは、100万台の同時接続が可能になったので、人が多い地域でもネットが繋がりやすくなりました。
5Gを使って200人規模のオンライン研修をしよう
5Gでのデータ送信の遅延は1ミリ秒程度です。たとえば200人規模でも、ほとんどリアルタイムでオンライン研修を実施することができます。
①和歌山県と和歌山県立医科大学の実証試験
NTTドコモが受託した遠隔診療サービスです。和歌山県立医科大学と川上診療所に4Kモニターを設置し、エコー画像や高精細カメラで撮影した患部画像を、5Gを使って診療所から和歌山県立医科大学へ高速伝送しました。双方の医師が映像を見ながらテレビ会議によるリアルタイムなコミュニケーションを図りましたが、声や映像の遅延がほとんどなく、画質が良い、エコー動画でみる心臓の動きが鮮明で、今後利用が拡大すると期待されています。
ビデオ通話などで離れた場所から診察を受けられるため、近くの診療所に足を運ぶだけで、専門医の意見を聞くことができます。
近くに医者がいない離島やへき地をはじめとした、医療難民問題の解決に繋がるかもしれません。
また、災害や事故現場から小型エコーで撮影した映像を高速伝送など、緊急医療においても活躍すると考えられています。
②ソフトバンク株式会社のVR・AR技術を活用した5Gプレサービス
ソフトバンクグループ株式会社は2019年8月にバスケットボールの国際大会でVR・AR技術を活用した5Gプレサービスを展開しました。
複数のカメラで撮影した試合映像をVRヘッドセットやARグラスなどに転送され、選手がシュートを決めたときにテロップが表示されます。カメラの位置を切り替え、座席の位置にかかわらず好きな場所から試合を観戦できます。
プレサービス展開時点では数秒から数十秒ほどのタイムラグはありましたが、臨場感のあるスポーツ観戦が可能にになることは間違いないでしょう。
バナー広告は「ディスプレイ広告」の一種です。「ディスプレイ広告」はバナー画像を表示させることが多かったので、バナー広告として使われるようになりました。
1Gから5Gまでの歴史
①1G
1990年代に普及した1Gでは、ショルダーフォンや自転車電話を用いて、通話サービスが提供されました。
②2G
続く2Gでは、メールやインターネットが可能になりました。この時期からカラー画面やカメラ機能が搭載され始めました。
③3G
3Gでは、スマートフォンが導入され始め、動画が見れるようになりました。
クリアな音質の通話や写真付きメールの送受信、ネットからの音楽ダウンロードも可能になりました。この時期から、携帯電話にエンターテイメント要素を融合されました。
④4G
4Gでは、高速でネット環境を楽しむことができるようになりました。
この記事がお役に立ちましたら、"いいね!"をお願いします
minweb辞書のIT用語をお届けします