IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年11月23日

えすえすぴー

SSP

Webサイトやアプリ内の広告枠において、収益の最大化を支援するツールのこと。

英字

POINTSSPとは

Webサイトやアプリ内の広告枠において、収益の最大化を支援するツールのことを指します。

閲覧者が目にする回数(インプレッション)1回ごとに広告収入が高いものを自動で選択して配信するため、高い収益性を狙えることが特徴です。

広告枠を提供しているWebサービスやデベロッパーがSSPに登録し、DSPというプラットフォームに登録している広告主と取引を行うことで機能します。

アプリやコンテンツを図などで表現し、機能やアクションを感覚的に分かりやすくすることで、ユーザーが電子機器を操作するときの使いやすさを向上させるために使用されます。また、FacebookやTwitterなどのSNSにおける、プロフィール画像の別名としても使用されます。

SSPはよくDSPと共に活用される

SSPは広告枠を提供する媒体側のためのプラットフォームですが、DSP(Demande-Side Platform)と呼ばれる、広告を発信したい広告主側のプラットフォームも存在します。

2つのプラットフォームでは、登録された内容を連動させることで、互いに有益な取引が行える仕組みを取っています。

SSPに登録された情報をDSPが受け取ると、契約している広告の中からターゲットユーザーに最適な広告を選んで送信し、SSPとの間でRTB(Real Time Bidding:リアルタイム入札)と呼ばれる取引が行われます。RTBでは1インプレッションごとにリアルタイムで入札する形式をとるため、広告側にとっては不要な広告費を抑えられることが特徴です。

広告配信におけるSSPの役割

SSPには大きく分けて2つの役割があります。

SSPの役割① 広告枠の提供者にとって収益性が高い広告を自動で選択して配信する

SSPが登場する以前は、広告枠の提供者には多くの広告事業者からの依頼があるものの、どの広告を出せば高い収益が得られるのかが不明瞭でした。SSPが登場したことで負担が軽減され、広告枠の提供者も増加しました。

SSPの役割② 広告枠が提供されるメディアに訪れるユーザー情報や広告枠の情報を管理する

DSPとの間で行われるRTBでは、広告枠を設けているメディアにどのようなユーザー層が訪れていて、どのようなことに関心を示しているかなどを分析し、アプローチを行う必要があります。この処理がSSPが機械的に行うことで、ユーザー層に対して高い広告効果を狙うことができます。

SSPを通した広告配信の仕組み

まず、広告枠の提供者はSSPに「広告枠をいくらで売りたいか」「広告の表示量や頻度はどれくらいか」「どのような広告主に売りたいか」等の条件を事前に指定しておきます。

ユーザーが広告枠提供者のサイトに訪れると、サイト側からSSPに向けて広告を表示するリクエストが行われます。その後、SSPでは、事前に広告枠提供者の指定した条件と一致した広告がRTB取引によって決定され、サイト側に送信、広告枠に表示される仕組みとなっています。

SSPに向いているケース・不向きなケース

サイトに訪れるユーザー数(ユニークユーザー)が多く、ユーザーの属性が多様であるほどSSPに向いている媒体であると言えます。

ユニークユーザーが多いと広告が表示される回数が増え、ユーザー情報の量も増えるため、RTB取引で有利になりやすくなります。さらに属性が多様であれば、選出される広告の数も多くなるため、高い広告収入が望めます。

SSPに登録して利用するには手数料がかかります。似たような属性のユーザーが多い場合は、広告を出し分ける必要性が低いので、利用しない方が高い広告収入を得られることがあります。

SSPの使用例

「広告収入が欲しいので、SSPに登録しよう」

「広告枠をいくらで売りたいか」等の条件を指定するだけで数多くの広告の中から最適な広告が選出され、自動で表示されます。

「SSPに登録してから広告収入が増えたんだよね」

SSPでは自動で収益の高い広告を選んで表示するため、PV数やユニークユーザー数が多いサイトではより高い広告収入が見込まれます。

「どこのSSPサービスを利用するべきかな」

SSPではDSPとの連携を行って最適な広告を選出しています。そのため、提携を行っているDSPにどれほど多くの広告が登録してあるのか、登録されている広告の種類(バナー画像、動画、GIF等)を把握することが重要です。

SSPに関係した気になる話題

有名なSSPサービス

①日本国内でメジャーなSSP

日本で有名なSSPサービスとしては株式会社ジーニーの「GENIEE」やユナイテッド株式会社の「AdStir」、株式会社プラットフォーム・ワンの「YIELD ONE」などが挙げられます。

中でも株式会社ジーニーの提供している「GENIEE」では、SSPの他にDSPやDMPのサービスも一社の中で行い、ソフトバンクとも資本業務提携を行っているため、膨大なデータ量から最適な広告の収益化を行うことができます。

②海外でメジャーなSSP

海外で有名なSSPサービスとしてはGoogle Inc.の「Admeld」やThe Rubicon Project,Inc.の「Rubicon Project」、PubMatic社の「PubMatic」などが挙げられ、これらを合わせて三大SSPと呼ばれています。

中でもGoogle Inc.の「Admeld」では、Googleの持つ情報力と広告主としての経験が豊富である社員が多いことから、サービスの質がとても高いことが評価されています。

SSPが行うRTB取引とは

RTB取引とは、1インプレッションごとにリアルタイムで入札する形式をとる、SSPとDSPの間の取引のことで、公正な取引を行うため、様々な工夫がなされています。

①フロアープライス

SSPでは「フロアープライス」と呼ばれる、広告枠の最低落札料金を設けています。フロアープライスを設定することで、この価格を下回る広告が配信されることはなく、広告枠平均価格の急落を防ぐことができます。

②セカンドプライス方式

一般的なSSPでは、セカンドプライス方式をとります。セカンドプライス方式とは、最も高い入札額を設定した広告主を勝者とするものの、実際の入札額は二番目に高い入札額を設定した広告主の入札額+1円で購入することができる仕組みのことです。

入札競争が生じなかった場合は、フロアープライス+1円で広告枠を入札することができるので、広告枠平均価格の高騰を抑える役割を果たしています。


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