コーポレートサイトとは、直訳すると「会社のWebサイト(会社が公式に運営・管理するサイト)」という意味になります。「コーポレートWebサイト」「企業Webサイト」「企業サイト」「企業ホームページ」などと呼ばれることもあります。
コーポレートサイトには、主に「会社概要」や「企業理念」、「扱っている商品・サービス」「IR情報」「プレスリリース」「会社の実績」などの情報を載せることが一般的です。
採用に特化したリクルートサイト(採用サイト)や商品やサービスに特化したサービスサイト、ECサイトなども広い意味ではコーポレートサイトと言えます。しかし、一般的には、コーポレートサイトは「会社の案内を目的としたホームページ」のことを指します。
どのような会社であるかを知ってもらうことは「信頼を得る」ことにつながります。会社の情報を開示して信頼性を高めることはビジネスにおいて重要度が非常に高いと言われており、近年は多くの企業がコーポレートサイトを設けるようになりました。
コーポレートサイトの目的は主に2つあります。
①企業の情報を開示することで信頼を得ること(企業サイトが名刺代わり)
コーポレートサイトをもつ最大の目的は、「信頼を得る」ことです。
インターネットの普及とともに、近年は多くの企業がコーポレートサイトをもつようになりました。法人でコーポレートサイト(公式サイト)がないと、お客様から怪しまれてしまうケースもあり、採用活動にまで影響を与える可能性があります。
コーポレートサイトとは、「名刺の代わり」とも言われています。
コーポレートサイトでお客様から信頼を得るためには、会社概要や商品・サービス情報、実績紹介などの基本的な情報に加え、代表メッセージやスタッフ紹介なども顔出しで紹介した方が効果的だと言われています。
②企業のブランドイメージを伝えること
コーポレートサイトをもつことで、企業のブランドイメージが伝えやすくなります。
企業が大切にしている信念や社長の思い、社員の仕事対する姿勢などをコーポレートサイトならばお客様にしっかりとアピールできます。また、コーポレートサイトの全体のデザインやテキストの書き方など、そういった細かな部分でも、ブランドイメージはお客様に伝わります。(例えば、みずほ銀行なら青のイメージ、三菱UFJ銀行ならば赤のイメージ等)
コーポレートサイトをもつメリット
ここではコーポレートサイトのもつメリットを4つほど紹介します。
①広告効果が期待できる
コーポレートサイトは「どのようなことをしている会社か」アピールすることができます。うまく活用できれば、コーポレートサイトはネット上の広告活動に役立てることもできます。例えば、バナー広告で自社のサービスに興味を持ち、サービス情報を調べていくうちに自社のコーポレートにたどり着いたとします。コーポレートサイトの豊富な実績紹介見て、自社のサービスを導入した、といったケースもあります。
このようにコーポレートサイトを通じて、新規顧客に対して自社のサービスや実績をアピールすることができます。
②人材採用に役立てることができる
近年、ほとんどの求職者は企業を知るためのツールとして、コーポレートサイトを活用する傾向が強まっています。リクルートやマイナビなどの有名な求人媒体だけでなく、直接企業のコーポレートサイトを訪れて、会社の雰囲気や事業、福利厚生などを調査する求職者は多いです。そのため、魅力的なコーポレートサイト(デザインやコンテンツ等)があれば、優秀な人材を獲得できるチャンスが拡大する可能性があります。
③ビジネスチャンスにつながる
コーポレートサイトからの問い合わせで、業務提携が決まったというケースもあります。
サービスの金額や実績、お客様の声など、お客様から見て印象がよくなる情報が多く、きちんと更新をおこなっているサイトならば、お客様が競合(情報量が少ないコーポレートサイトの場合)と迷った際に自社を選択してくれる可能性があります。
また、コーポレートサイト内にお問い合わせ先を載せておくことで、インバウンド率も上がり、よりビジネスチャンスを拡大できます。
④サポート体制の充実
インターネットが普及する以前は、問い合わせは電話や書面などが主軸で対応に時間がかかっていました。しかし、近年はコーポレートサイト上に「お問い合わせフォーム」や「FAQ」「よくある質問」などを設け、顧客からの不満点や不明点に対応する企業が増えてきました。また、リアルタイムで対応できるチャットでのサポートを導入している企業もあります。
ネット上でのサポート体制を整えることで、電話対応による手間の軽減やユーザーの満足度(「Q&A」「よくある質問」で解決できることならば電話するストレスがなくなる)を高めることにつながります。
目的によってコーポレートサイトは異なる
会社のサービスや商品に特化したサービスサイトやリクルートサイト、ECサイトなども、広い意味ではコーポレートサイトといえますが、一般的にコーポレートサイトは「会社案内」を目的にしたサイトを指します。
ここではそれぞれのサイトの概要と役割を紹介します。
①サービスサイト
サービスサイトとは、主に「商品・サービスに関する情報提供」を主軸にしたサイトを指します。サービスサイトの目的は、新規顧客の獲得やサービスの認知・理解促進、既存顧客・見込み客への購買意欲促進などが挙げられます。
②リクルートサイト
リクルートサイトとは、人材採用に特化したWebサイトです。リクルートサイトの主な目的は「求職者に対して役立つ情報を提示すること」です。コーポレートサイト内に採用ページがある場合やコーポレートサイトとは独立して「採用専用のWebサイト」として存在するケースがあります。
③プロモーションサイト
プロモーションサイトとは、特定の商品やサービスの情報を宣伝するためのWebサイトです。プロモーションサイトの目的は、商品やサービスを魅力的に伝えて、共感を生み、購買意欲を促進させることです。
④ECサイト
ECサイトとは、PCやスマホ、タブレットなどのデバイスを用いて、インターネット上で商品・サービスの売買ができるサイトのことです。有名なECサイトを運営している企業として、楽天やAmazonなどが挙げられます。
コーポレートサイトに必要な主なコンテンツとは
①会社概要
会社名、代表者名、所在地、資本金、設立、事業概要、取引銀行、役員名など表で掲載するのが一般的です。
②商品・サービスの情報
主要な商品・サービスの特徴や魅力などを記載しておくとよいでしょう。
サービスサイトやECサイトなどを持っている場合は、概要のみ掲載し、それらへのリンクを貼っておくと効果的です。
③採用情報
主にコーポレートサイト内に採用ページを設ける場合とコーポレートサイトとは独立したリクルートサイトをもつケースがあります。
④IR情報
上場企業であれば、投資家向けのIR情報は掲載するべき項目です。
投資家向けの代表メッセージ、業績・財務情報、決算短信などのIR資料、コーポレートガバナンス、ディスクロージャーポリシー、株主情報、電子公告、免責事項などを掲載します。
⑤お知らせ(ニュース、スタッフブログなど)
企業からのお知らせやニュースリリース、会社の魅力を発信できるスタッフブログはサイトへのアクセス数を伸ばすのに有効です。
⑥お問い合わせフォーム、よくある質問・FAQ
ユーザーからのお問い合わせにスムーズに対応するために、24時間365日受付のお問い合わせフォームを設置する企業もあります。また、よくある質問・FAQの項目があれば、ユーザーはわざわざ問い合わせをする必要がなくなる可能性があるので、会社としても対応の手間が軽減されます。
⑦個人情報保護法(プライバシーポリシー)
お問い合わせフォームを設置する場合、ユーザーからの個人情報を取得することになるので、個人情報保護方針の記載も必須になります。
⑧サイトマップ
サイトマップとは、サイト全体のページ構成をリスト形式で記述したもので、ユーザーにも検索エンジンにもサイトの内容をわかりやすく伝えるという役割があります。ユーザビリティの向上だけでなく、クローラビリティの向上も期待できるのでSEOにも有効です。
⑨実績一覧
商品・サービスの導入社数、導入業界数、納入先実績(社名)、販売実績(点数・売上金額・販売年数など)でアピールできる部分がある場合は制作すると良いコンテンツです。
⑩代表メッセージ(企業メッセージ)
代表による事業にかける思いや信念、将来のビジョンなど、自社の存在意義を訴えかけるようなメッセージを掲載すると良いでしょう。
「コーポレートサイト / 企業サイト」を調べた人はこの用語も調べています
「コーポレートサイトのデザインを変更しよう」
Webサイトのデザインはユーザーの印象を左右する重要な要素になります。Webサイトの目的に適したデザインを制作しましょう。
「2020年のオリンピックに向けてコーポレートサイトを多言語対応にしよう」
コーポレートサイトを多言語対応することで、市場拡大による新規顧客の獲得、競合他社との差別化など様々なメリットを得ることができます。
「デザイン性の優れたコーポレートサイトをつくろう」
デザイン性に優れたサイトは、いずれもユーザーにとって情報が見やすく、飽きのこない作りである点が特徴です。
「コーポレートサイトに掲載する写真を撮って来てくれ」
掲載する写真も重要ですが、動画やアニメーションなども効果的に用いることで、より魅力的なサイトになります。
ブランディングサイトとは
ブランディングサイトとは、主に商品やサービスの認知・体験を通してユーザーの※ブランドロイヤリティ獲得を目的としたサイトのことを指します。コーポレートサイトとは主に「会社案内」を目的としたサイトなので、サイトの目的が異なります。
目的は異なりますが、コーポレートサイトのコンテンツのひとつとしてブランディングページを用意し、情報を掲載しているサイトもります。
※ブランドロイヤリティ獲得
顧客が特定のブランドに対して感じる愛着や信頼のことです。ブランドロイヤルティが高いと、消費者が何度も繰り返し同じブランドの商品を購入してもらえることにつながります。
優秀なコーポレートサイト事例
ここではWebグランプリ2019「企業グランプリ企業サイト賞」に選ばれた企業サイトを紹介します。
「公益社団法人 日本アドバタイザーズ協会 Web広告研究会」が主催する「Webグランプリ」は、応募各社の審査によって受賞作品を決定する、“相互審査方式”によって決められています。『Web関係者の、Web関係者による、Web関係者のための賞』が基本コンセプトになっているので、Webグランプリへ応募することで、サイトをより良いものへと変える多数のヒントが得られます。
■第一回企業サイト賞 グランプリ
◉中部国際空港セントレア
セントレアという空港と商業施設が一体となった施設で、最大限の利便性を追求するために、利用目的別に入口を設け、お客様のニーズに応える情報がより簡単に入手可能な設計としています。
■第二回企業サイト賞 グランプリ
◉日清食品グループサイト
日清食品グループ会社6社の企業サイトを統合したグループサイトです。ビジュアルを重視したデザインに刷新することで、日清食品グループのイメージを分かりやすく表現し、他企業のサイトとの差別化を狙い、見事グランプリを獲得しました。
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