IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月10日

えーてぃーおー/びーてぃーおー

ATO / 受注生産

部品や中間製品などの在庫をあらかじめ揃えておき、受注後すぐに生産・組立をおこない完成とともに出荷するという生産形態

別名
英字

POINTATO / 受注生産とは

ATO(Assemble to Order)とは、受注組立生産のことをいいます。部品や中間製品などの在庫をあらかじめ揃えておき、受注後すぐに生産・組立をおこない完成とともに出荷するという生産形態です。企業にとっては売れ残りのリスクを抑えられる、消費者にとっては必要な製品のスペックを自分でカスタマイズできるというメリットが存在します。
ATOの生産方式は、パソコン販売や自動車産業、SIer業界などでよく用いられます。

同じ意味として、BTO(Build to Order)という単語も存在します。BTOという単語はDellのBTOパソコンによって有名になり、今では受注組立生産の意味ではATOよりもBTOという方が一般的に用いられるようになりました。

ATO/BTOのメリット

ATO/BTOには、企業と消費者にとってそれぞれメリットが存在します。

企業にとってのメリットは、商品の売れ残りの心配をしなくていいことです。部品や中間製品などの在庫の管理は必要ですが、組み立てた後すぐに商品を発送するため、商品の在庫の管理のコストがかかりません。
他にも、消費者のニーズを満たした商品を届けることができるため、企業の信頼や顧客満足度の向上を図ることができるというメリットもあります。

消費者にとってのメリットは、自分の欲しい機能や予算に合わせて商品を自由にカスタマイズできることです。注文後に要望の変更に対応してくれるところもあり、商品をより自分が欲しいものに近づけることができます。

ATO/BTOのデメリット

ATO/BTOには、企業と消費者にとってそれぞれデメリットが存在します。

企業にとってのデメリットは、受注してから消費者から商品の要望の変更があった場合、対応するのが難しい場合もあることです。必要に応じて、追加コストの請求や納期の延期をしなくてはいけない可能性もあります。

消費者にとってのデメリットは、既存の商品より高額になる可能性があることです。ATOでは大量生産ができず、個別に注文を受けてから1つ1つ組み立てるためコストがかかってしまいます。
他にも、実物を見て買えない、商品が手元に来るまで時間がかかるというデメリットもあります。

BTOパソコンとは

BTOパソコンとは、BTOの生産方式で生産されるパソコンのことです。
既製のパソコンよりも、詳細にメモリやハードディスクなどをカスタマイズすることが可能であり、予算や自分が求める機能などに応じて自由にカスタマイズすることができます。自分で部品を集めてパソコンを組み立てるよりも、比較的、費用や手間を抑えて生産することが可能です。

BTOパソコンは、DELLがパソコンの販売にBTO方式を導入し始めたことで有名となりました。今では、BTOパソコンを扱う会社としてパソコン工房やドスパラなどが有名です。

BTOパソコンのメリット

BTOパソコンのメリットとして大きく3つ挙げます。

・価格を抑えられる
大手のBTOパソコン製作会社では部品を大量に購入するため、自分で部品を1から集めるよりも安く作ることができます。また、不要なソフトを抜くなどして、既製のパソコンよりも安く仕上げられる場合もあります。

・自分好みにカスタマイズできる
CPUやハードディスクなど、詳細に自分で決めることができます。

・メーカーの保証が受けられる
自作のパソコンでは保証が得られませんが、BTOパソコンでは、パーツの保証、動作確認・動作保証がつき、安心して購入することができます。

BTOパソコンのデメリット

BTOパソコンのデメリットとして大きく3つ挙げます。

・実物を見て買えない
BTOパソコンは注文を受けてから生産されるので、実物を見てから購入することはできません。

・カスタマイズにはある程度知識が必要
パソコンについての性能や機能など、カスタマイズする際にはある程度の知識が必要です。ただ、BTOパソコンにもカスタマイズ不要なコースもあります。

・出荷まで日数がかかる
注文を受けてから生産されるため、購入してから製品が手元に届くまである程度時間がかかってしまいます。すぐにパソコンを手に入れたいという場合は既製品がいいでしょう。

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ATO / 受注生産の使用例

「「BTOパソコンの購入を検討しているんだ」

BTOパソコンは自分が求める性能や機能を比較的安価で手に入れることができます。

「ATOの生産方式を採用しようかなぁ」

ATOは在庫管理のコストを抑えられ、購入者の要望に沿って生産することができるというメリットがありますが、デメリットも存在します。生産する製品やターゲットとなる消費者に合う生産方式を選ぶことが必要です。

「弊社では、BTO生産方式によってお客様の要望に沿った商品を提供します」

BTOでは、購入者の要望に沿った製品の生産が可能です。SIerのシステム導入やBTOパソコンなど、購入者の要求が人によって異なる場合によく使われます。

ATO / 受注生産に関係した気になる話題

MTS(見込み生産)とは

MTS(Make to Stock)とは、見込み生産のことをいいます。あらかじめ需要を予測して最終製品を生産し、注文に応じて商品を納品する生産形態です。
ATO/BTOに比べてリードタイムが短く、コストを抑えて大量生産できることがメリットですが、需要予測を誤ると過剰在庫や欠品を招いてしまう可能性もあるため、適切に需要を予測して生産する必要があります。


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