IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年7月27日

ぶらんどえくいてぃ

ブランドエクイティ

ブランドが持つ総合的な資産価値のこと

英字

POINTブランドエクイティとは

ブランドエクイティとは、ブランドが持つ資産価値のことです。カリフォルニア大学バークレー校の研究者、デイビット・アーカーが提唱した概念で、ブランド名やブランドが掲げるシンボルと結びついた価値のことを、総称して「ブランドエクイティ」と名付けました。

ブランドエクイティは、有価証券や生産設備などの有形資産とは異なり、目で見ることはできません。しかし、有形資産と同様、投資によって育成することで価値を高めることができます。また、悪いイメージを与えるような行為をすると、価値は下がってしまいます。

つまり、ブランドエクイティとは、ブランドが持つプラスの価値だけでなく、マイナスの価値も含んだ、総合的な価値のことを指します。

ブランドエクイティの4つの要素

ブランドエクイティを構成する要素として、主に「ブランド認知」「知覚品質」「ブランドロイヤリティ」「ブランド連想」の4つが挙げられます。

①ブランド認知
ブランド認知とは、ブランドが認知されている度合いのことで、ただ単にブランド名を知っているだけでなく、ブランドの詳細についても理解していることを指します。ブランド認知を高めることで、消費者に安心感を覚えてもらい、商品・サービスの購入を促すことができます。

②知覚品質
知覚品質とは、そのブランドに対して、消費者が認識している品質のことです。知覚品質には、実際の性能だけでなく、ブランドの信頼性や漠然とした雰囲気なども含まれています。

③ブランドロイヤルティ
ブランドロイヤルティとは、ブランドへの愛着の度合いのことで、ブランドロイヤルティが向上することで、継続購入率を高めることができます。そのため、既存顧客のブランドロイヤルティ向上は、安定したビジネスの構築に役立ちます。

④ブランド連想
ブランド連想とは、消費者がブランド名を聞いた時に想像する、そのブランドに対するイメージのことです。ブランド連想の範囲を広げることで、ブランド拡張やリブランディングなど、事業拡張の機会を獲得することができます。

ブランドエクイティの重要性

ブランドエクイティを確立することで、競合優位性を高めるだけでなく、ロイヤルティの向上や、新規顧客の獲得も期待することができます。

消費者が商品・サービスを購入する際、「見たことがあるもの」や「親しみを感じているもの」は購入してもらえる可能性が高いため、ブランドエクイティは非常に重要となります。ブランドエクイティを高めることで、競争優位性を保ち、価格競争からの解放や、ブランド拡張を期待することができます。

また、既存顧客の満足度を高めることで、バイラルを起こし、新規顧客の獲得に繋げることもできます。さらに、新規顧客の継続利用を促し、リピーターを増やすことで、ブランドロイヤルティを獲得することができます。

ブランドエクイティ向上による効果

ブランドエクイティ向上による効果として、以下の4つが挙げられます。

①競合他社よりも優位にマーケティングを実施することができる
ブランドエクイティを向上させて、競合他社と差別化を図ることで、自社の商品・サービスを選んでもらいやすい環境を形成することができます。

②顧客のロイヤリティが高まる
ブランドエクイティを向上させることで、顧客のロイヤリティを高めることができます。ロイヤリティとは、企業やブランドに対する愛着心のことです。ロイヤリティが高い顧客は、継続して購入する可能性が高いため、顧客のロイヤリティを高めることで、安定した収益を確保することができます。

③利益率の向上が期待できる
ブランドエクイティにおいて重視するのは、価格の安さではなく、ブランドが持つ様々な価値です。ブランドエクイティを高めることで、熾烈な価格競争から解放され、利益率の向上が期待できます。

④慣習的思考に影響を与えることができる
慣習的思考とは、一度ある行動を決定し、何度も同じ行動を繰り返すことで、他の行動を取りにくくなるという現象のことです。ブランドエクイティを高めることで、慣習的思考に影響を与えることができます。

ブランドエクイティの評価方法

ブランドエクイティの評価方法には、大きく分けて3つの方法があります。

①コスト・アプローチ
コスト・アプローチとは、ブランド構築にかかったコストをもとに評価する手法のことです。認知度向上にかかった費用や、顧客維持にかかった費用など、ブランド構築にかかったコストを積算して評価します。

②キャッシュフロー・アプローチ
キャッシュフロー・アプローチとは、そのブランドが将来的に生み出すキャッシュフローをもとに評価する手法のことです。実際の財務情報を活用し、無形資産の価値を算出することで、ブランドの価値を計測します。

③マーケット・アプローチ
マーケット・アプローチとは、実際に市場で取引されている類似ブランドの価値をもとに評価する手法のことです。

「ブランドエクイティ」を調べた人はこの用語も調べています

ブランドエクイティの使用例

「新商品のマーケティング施策はブランドエクイティを重視したものにしよう」

ブランドエクイティを向上させることで、ロイヤリティの向上や競争力の強化、慣習的思考への影響など、様々な効果を期待することができます。

「このブランドはブランドエクイティが高い」

ブランドエクイティが高い商品・サービスは、競合商品と比較した時、選んでもらいやすい傾向にあります。そのため、競合他社に対し、優位に立つことができます。

「ブランドエクイティにはマイナスの価値も含まれるので注意が必要だ」

ブランドエクイティには、ブランドが持つプラスの価値だけでなく、マイナスの価値も含まれます。会社が不祥事を起こしたり、品質問題が発生したりすると、ブランドエクイティに悪影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。

「利益率を向上させるため、ブランドエクイティの高めよう」

ブランドエクイティを高めることで、価格競争から解放され、利益率を向上させることが期待できます。

ブランドエクイティに関係した気になる話題

ブランドエクイティの成功事例

ブランドエクイティの構築に成功している企業の事例として、「無印良品」が挙げられます。無印良品とは、衣類や生活雑貨などを扱う日本企業で、1998年の上場以降、右肩上がりの成長を続けています。

通常のマーケティングでは、商品のカテゴリーを絞り、その中で人気獲得と売上向上を目指します。しかし、無印良品では、商品のカテゴリーを限定せず、すべての商品に共通するコンセプトを持たせました。

共通するコンセプトを設定したことで、「無印良品=シンプル、ナチュラル」というイメージが確立され、ブランドエクイティの構築に成功しました。このブランディングは海外でも受け入れられ、無印良品は高い利益率を誇っています。


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