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更新:2020年3月30日

あっぷせる

アップセル / up selling

「アップセル」とは、顧客単価を向上させるための手法の1つで、より単価が高いものを顧客に購入してもらうことを目指します。

英字

POINTアップセル / up sellingとは

「アップセル」とは、顧客単価を向上させるための手法の1つで、より単価が高いものを顧客に購入してもらうことを目指します。
アップセルでは、以前商品を購入した人や現在購入を検討している人など、既存顧客に対してアプローチをおこないます。これにより、売上や顧客満足度の向上を図ることができます。

アップセルを成功させるコツ

アップセルを成功させるコツとして、「顧客情報の収集・分析」「ナーチャリング施策」「継続的な施策の改善」の3つが挙げられます。

・顧客情報の収集・分析
個人情報や購買行動、閲覧履歴などの顧客情報を大量に収集・分析することで、アップセルの対象となりうる顧客を見つけ出し、その顧客のニーズを読み取ることができます。

・ナーチャリング施策
ナーチャリング施策とは、企業・ブランドに対する顧客の愛着度を向上させるための施策のことです。ナーチャリング施策を実施するためには、エンゲージメントを定量的に測定するツールを導入し、効率的に優良顧客を育成することが重要です。

・継続的な施策の改善
常にPDCAサイクルを回し、継続的に施策の改善をおこなうことも大切です。そのためには、マーケティング担当者や営業、データ分析チームなど、関連部署間での連携が必要となります。

アップセルの効果的なタイミング

アップセルを実施するタイミングとしては、商品の購入を前向きに検討している段階が効果的です。
まだ購入すること自体を悩んでいる段階でアップセルをおこなうと、顧客の混乱を招く可能性があります。一方、購入する商品を決定した後では押し売り感が出てしまい、かえって不信感を招いてしまう恐れがあります。
きちんと顧客とコミュニケーションを取りながら、顧客視点に立った商品を提案することが重要です。その際、顧客にとってのメリットをわかりやすく提示することもポイントとなります。

アップセルの注意点

アップセルを実施する際、「押し売り」にならないよう注意しなければなりません。
そのためには、顧客視点に立った提案をおこなうことが重要です。商品やサービスの特徴について丁寧に説明し、顧客にとってのメリットをわかりやすく提示するようにしましょう。ナーチャリング施策をおこなって、企業・ブランドの「ファン」を育成することも効果的です。
また、顧客が購入を検討している商品からかけ離れたものを紹介しないように注意しましょう。顧客のニーズからあまりにもかけ離れた商品・サービスを勧めてしまうと、強引なセールスという印象を持たれてしまう可能性があります。

アップセルの事例

アップセルの実施例として、「クレジットカード会社」「ファストフード店」「家電量販店」が挙げられます。

・クレジットカード会社
クレジットカード会社では、ランクの高いクレジットカードへの切り替えを勧めることがあります。ゴールドカードやプラチナカード、ブラックカードなどのランクが高いカードは、より高額な年会費がかかるため、売上向上を図ることができます。

・ファストフード店
商品を注文した顧客に対し、商品のサイズアップを提案することで、顧客単価の向上を図る例です。「今なら◯◯円引きです」などと割安感を演出することも、アップセルを成功させるコツの1つです。

・家電量販店
家電量販店では、値段が高く性能が優れている商品を勧めるという手法で、アップセルが実施されます。特にパソコンなどの単価が高い商品ではよく用いられます。

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アップセル / up sellingの使用例

「最新型のパソコンを売ってアップセルを目指そう」

アップセルの実施例の1つに、最新型の性能が高い分、値段も高い商品を販売して顧客単価の向上を目指す例が挙げられます。

「アップセルを活用して売上向上を図る」

アップセルは顧客単価を増やすことで、売上向上を図る販売戦略の1つです。アップセルを活用するためには、適切な顧客に対し、効果的なタイミングで声をかけることが重要となります。

「アップセルを成功させるために、顧客データの見直しをおこなう」

アップセルを成功させるコツの1つが、適切な顧客に対してアプローチをかけることです。適切な顧客を見つけるためには、顧客データを収集・分析することが大切です。

「商品をしつこく勧めてしまうとアップセルは成功しにくい」

アップセルをおこなう上で注意するべきなのが、押し売りにならないことです。顧客の視点に立って商品を提案するようにしましょう。

アップセル / up sellingに関係した気になる話題

収益向上を目指す「クロスセル」

クロスセルとはアップセル同様、顧客単価を向上させるための手法の1つで、顧客に他の商品も併せて購入してもらうことを目指します。
新規顧客を獲得するよりも低コストで、収益向上を図ることができるというメリットがあります。

アップセルに有用なNPS指標

アップセルを成功させるためには、顧客のロイヤルティが重要となります。ロイヤルティとは、企業・ブランドに対する顧客の信頼度や愛着のことです。
NPS指標とは、ロイヤルティをもとにした顧客のセグメンテーションに活用できる指標のことで、「Net Promoter Score」の略です。
NPSは「購入した商品やサービスを友人に勧めたいか?」という質問に対し、0〜10点で評価してもらうという方法で計測します。0〜6点は「批判者」、7〜8点は「中立者」、9〜10点は「推奨者」と分類し、「NPS=推奨者の割合ー批判者の割合」で求めることができます。
また、NPSの調査には、ロイヤルティの高いセグメントを見つけ出すという効果もあります。アップセルが成功しやすい傾向にある、ロイヤルティの高い顧客にターゲットを絞り、アップセル施策を実施することができます。


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