IT/Web/マーケティング用語辞典

更新:2020年3月14日

ちゃっとぼっと

チャットボット / chat-bot

SiriやLINEの公式アカウントなど、対話(chat)するロボット(bot)のこと

英字

POINTチャットボット / chat-botとは

チャットボットとは、対話(chat)するロボット(bot)のことです。チャットボットを用いることで、人間同士が会話するようにコンピュータとリアルタイムで対話をすることができます。例えば、iPhoneに搭載されているSiriや、お問い合わせや雑談が可能なLINEの公式アカウントなどがチャットボットと呼ばれます。

従来のチャットボットは、決められた言葉に対して決められた言葉を返すというような対応しかできませんでしたが、最近では人工知能と組み合わせることで、より人間に近い言葉を返すことができるチャットボットも使われるようになりました。

チャットボットでできること

チャットボットを用いることで、ユーザーごとに必要な情報を適切に提供することができます。チャットボットとの対話やユーザーの選択肢に基づいた情報や、時間・言語・人数などに応じて対応の仕方を変えることができます。おすすめの商品の提案やレストランの予約、サービスの見積もりなど、様々な場面で利用されます。

また、チャットボットは、お問い合わせ窓口として、お問い合わせの用件を識別して専門のオペレーターにつないだり、営業時間外の対応や大量の顧客への同時対応をしたりする役割を担うこともあります。

さらに、社内の在庫管理システムや人事管理システムなどと連携させて、チャットボットを通して簡単に在庫確認や勤怠管理をすることもできます。

チャットボットのメリット

チャットボットを使う利用者側のメリットとして大きく3つ挙げます。

①待ち時間なく、スムーズにコミュニケーションを開始できることです。チャットボットは土日祝や深夜など、営業時間外であっても自分の好きなタイミングでお問い合わせをすることができます。

②気軽に問い合わせできることです。フォームの入力や電子メールの送付をしなくても、簡単な操作で扱うことができます。また、人に相談するのが気が引ける方にも便利です。

③欲しい情報を得ることができることです。入力内容によってチャットボットが自動で情報を探してくれるため、自分で探す手間が省けます。

また、チャットボットを導入する提供者のメリットを大きく3つ挙げます。

①業務を効率化できることです。今までの顧客対応や事務作業をチャットボットに移行することで、それまで対応にかかっていた時間や費用を削減することができます。

②24時間365日、多言語対応が可能なことです。営業時間外でも顧客の対応をすることができ、顧客の待ち時間や機会損失を少なくすることができます。

③顧客とのコミュニケーションが増えることです。チャットボットを導入することで、顧客のお問い合わせへのハードルを下げることができ、ユーザーの離脱防止や見込み顧客の増加などの効果が期待できます。また、継続して顧客とのコミュニケーションをとることはファンの形成にもつながり、売上を伸ばすことができるかもしれません。

チャットボットの種類

チャットボットには大きく4つの種類があり、Eliza型、選択肢型、辞書型、ログ型と呼ばれるものがあります。

①Eliza型は、聞き役として相づちや相手の会話の要約をしながら会話をするもので、チャットボットの原型であるElizaから名付けられたものです。

②選択肢型は、あらかじめ決められたシナリオに沿って設定された回答を選択することで会話するものです。設定されていない受け答えができないのが特徴です。

③辞書型は、登録された単語とそれに対する応答をするものです。チャットボットの使用範囲や用途が限定されている場合に用いられます。

④ログ型は、会話ログを利用して文脈に近い応答をするものです。ログが蓄積されることでより精度の高い受け答えをすることができますが、ログが少ないと性能が落ちてしまいます。
また、ログの解析に人工知能を活用することで、より人間同士の会話に近づけるという試みもされています。

チャットボットを運用するときのポイント

チャットボットを導入し、運用するときのポイントとして、大きく2つ挙げます。

①データを蓄積して今後のマーケティングに生かすことです。チャットボットから得られるデータを適切に活用することで、今後の売上増加や顧客満足度の向上が見込めるからです。
ユーザーとの会話のログや選択肢をデータとして蓄積し、ユーザーが離脱しやすいポイントなど分析して、より使いやすいチャットボットを目指すことが大切です。また、会話のログを自然言語処理などと組み合わせて解析することで、顧客の潜在ニーズを汲み取れるかもしれません。

②人とチャットボットの業務を選定して実行することです。チャットボットに全ての業務を任せるのではなく、決まった対応が求められる業務はチャットボット、個別な質問やクレームには人が対応するなど、業務をしっかり線引きすることで、人が必要な対応をより効率的におこなうことができます。

チャットボットの活用事例

チャットボットの活用事例を3つ挙げます。

①ECサイトでの接客に使う事例です。チャットボットがユーザーに合わせてコーディネートの提案やおすすめ商品の紹介をおこないます。ユニクロの公式アプリなどに搭載されているチャットぼっとです。

②カスタマーサポートとしての活用事例です。通販サイトの「LOHACO」では、AI型チャットボット「マナミさん」を導入しています。顧客対応をチャットボットが対応することで、6.5人ぶんの人件費を削減したそうです。

③ヤマト運輸の公式LINEアカウントでもチャットボットが用いられています。配達状況の確認、再配達の依頼・日時変更などをLINE上で会話をするだけで完了することができ、離脱防止や顧客満足度の向上につなげた事例です。

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チャットボット / chat-botの使用例

「よくある質問の対応は人ではなくてもチャットボットに任せることができそうだね」

よくある質問など、マニュアル化ができる対応はチャットボットに任せることができる場合が多く、それまで対応にかかっていたコストを削減することができます。

「チャットボットからオススメされた商品がとてもよかった!」

チャットボットの中にはECサイトなどで接客の役割を担うものもあり、ユーザーの趣味趣向に合わせた商品の提案や、人気商品の紹介などをすることができます。

「在庫管理にチャットボットを導入したらとても楽に在庫確認ができるようになったよ」

顧客対応だけでなく、在庫管理や経費精算などの事務作業もチャットボットが対応できる場合もあり、人件費の削減や業務の効率化につながります。

「僕、暇な時はLINEの公式アカウントのチャットボットと雑談するのが趣味なんだ」

企業によっては、チャットボットをユーザーとのコミュニケーション手段の1つとして活用する場合もあります。この場合は、人件費の削減よりもロイヤルティの向上が主な目的であることが多いです。

チャットボット / chat-botに関係した気になる話題

チャットボットは「ELIZA」から始まった

初期のチャットボットは、1966年に「ELIZA」として登場した自然言語処理のプログラムです。ELIZAは英語環境のチャットボットで、人が入力したテキストに対し自動で回答を行うことができるものでした。

その後、様々なチャットボットが出現し、2000年代になるとIBM Watson、Siriなど登場します。さらに、開発環境がオープン化されたことで企業が独自のチャットボットを提供することが可能となり、今ではFacebookやSkype、LINEなどにチャットボット機能が追加され、身近でチャットボットが利用される場面が増えました。


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