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コンテンツの質を左右するWebディレクターの役割・求められるスキル

Webディレクターはクライアントや上長が納得のいくコンテンツを制作スタッフと作り上げることが求められています。コンテンツ作成において、Webディレクターが担う役割について詳しく解説します。いきなりWebディレクターを任せられた人は必見です。

Web業界で働く人の中には、いきなりWebディレクターになってしまい、 「Webディレクターになったはいいけど、何をすればいいかわからない」 「ちゃんとWebディレクターの仕事をやっていけるのか自信がない」 と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

Webディレクターは、これまで何かしらの形でコンテンツ作成に関わっていた方に任されることが多く、中には、管理者・責任者としての経験がほとんどないのに、いきなり任命されるケースも少なくありません。

Webディレクターとは ●クライアントと打ち合わせをし、制作スタッフを指揮する ●期限通りにコンテンツが納品できるよう管理する などを行う立場の人を指します。

コンテンツが完成するまでの雑多な業務を行うため、Webディレクターの役割がきちんと機能しているかどうかによって、制作するコンテンツの質が大きく左右されるといっても過言ではありません。

より良いコンテンツを作成していくために、まずはWebディレクターの役割を知って、「自分が何をしなければならないのか」を理解しましょう。

Webディレクターとは「コンテンツ作成の管理者」

出版業界やテレビ業界、演劇業界といった様々な業界にディレクターは存在しますが、Web業界においてはプロジェクト(コンテンツ作成)を監督・指揮・管理する人を「Webディレクター」と呼びます。

Webディレクターに求められていること

Webディレクターに求められているのは、ライターやデザイナー、エンジニアなど職種も仕事内容も異なる制作スタッフたちをまとめて、クライアントの要望通りの納品物を作り上げることです。

求められていることは意外とシンプルですが、その業務内容は多岐に渡ります。

例えば、クライアントと打ち合わせをするときはクライアントが抱える言語化できない要望や感覚的なオーダーをうまく聞き出すことが必要ですし、それを正確に制作スタッフに伝えることも求められます。

社内ではプロジェクトメンバーをアサインしたり、クライアントの意向が最大限反映できるよう、納品物を定義したりすることが必要です。同時に、期限通り納品できるようマネジメントも行わなければなりません。

こういったことから、コンテンツを完成させられるかどうかはWebディレクターの腕にかかっていると言われることもあります。

Webディレクターを任されやすい人

未経験で募集をかけている企業や新卒社員に任せている企業も中にはありますが、基本的には何かしらの形でWebコンテンツの作成に関わった人がWebディレクターを任せられることが多いです。

Webディレクターは自分で記事を書いたり、プログラムを開発したりすることはほとんどありませんが、コンテンツ作成がスムーズに進むよう、クライアントや上長だけでなく、制作スタッフとも調整を行ったりしなければなりません。

求められるスキルや知識は自然と多くなりますし、何よりどのようにコンテンツが作られるのかある程度頭に入っている必要もあります。

そのため、Webディレクターはコンテンツ作成に関わったことがある方に多いです

コンテンツ作成におけるWebディレクターの主な役割

Webディレクターの役割は、明確な定義がなく、企業によって異なります。

例えば、Webディレクターと共に「Webプロデューサー」がいる場合は、クライアントとやりとりをしたり、メンバーを集めたりするのはWebプロデューサーの役割ですが、WebディレクターがWebプロデューサーの業務を担っているというケースも珍しくはありません。

このように、Webディレクターの役割は、社内の状況によって異なるため一概にはいえませんが、ここでは基本的に「Webプロデューサー」がいない企業を想定した仕事内容について解説します。

クライアントとのやり取り

Webプロデューサーがいない場合は、クライアントとのやり取りはWebディレクターが行います。

営業担当から引き継いだクライアントの元へ向かい、作りたいコンテンツの要望を聞いて提案を行ったり、製作スタッフが円滑に作業できるようクライアントと細かい部分を詰めたりして、コンテンツが完成に向かうよう、何度も打ち合わせを重ねます。

また、営業とWebディレクターを兼任している場合やフリーランスのWebディレクターの場合は、クライアントや上長と費用や予算の折衝をすることもあります。

コンテンツの企画設計

クライアントとの打ち合わせや上長とのやりとり、市場分析で作成するコンテンツがイメージできたら、コンテンツの具体的な企画を練って行きます。

具体的には、 ●UI(ユーザーインターフェイス)やUX(ユーザーエクスペリエンス)の設計 ●ワイヤーフレームの作成 ●サイト内コンテンツの企画 などを行って行きます。

企画設計ができたら、もう一度クライアントと打ち合わせを行い、制作スタッフに依頼できる形にまで持って行きます。

コンテンツ作成のスケジューリング

コンテンツ完成までの見通しを立てるのもWebディレクターの仕事です。

コンテンツ制作では、いつまでにデザインを完成させるのか、サイト内コンテンツはいつまでにサイトにアップするかなどを決めて、それに間に合うように制作スタッフに依頼しなければならず、Webディレクターによる正確なスケジューリングは必要不可欠となっています。

制作スタッフ(ライター・デザイナー・エンジニア)のキャスティング

コンテンツを作るためには、制作スタッフを集めなければなりません。

どんなスタッフをどこから集めるかを決めるのもWebディレクターですので、時には、代行業者やクラウドソーシングを利用したり、フリーランスの方に依頼したり場合もあります。

代行業者やクラウドソーシングを利用したり、フリーランスの方に依頼したりする場合は、どれを利用するか・費用はどのくらいか・期間はどのくらいか・質は担保できるのかなど細かいやりとりを重ねます。

自社のスタッフをキャスティングする場合でも、自社スタッフが作成できるコンテンツの質、起用する人数、他業務とどのくらいの割合でプロジェクトの業務に時間を割いてもらうかなど様々なことを考慮し、誰になにを依頼するのかを検討する必要があります。

Webディレクターは、自社のリソース状況や社員1人1人の業務体制などを鑑みてメンバーを集めなければなりません。

制作スタッフへのサポート

制作スタッフを起用したら実際にお願いしたい業務を任せます。 その際、レギュレーションの共有や定期的なミーティングといった制作スタッフへのサポートが必要となってきます。

どんなコンテンツを作るかについてクライアントの次に一番よく知っているのは、Webディレクターです。 きちんと形にできるよう、制作スタッフとやりとりを重ね、クライアントに納得してもらえるコンテンツを作り上げることが大切です。

クライアントのサイト分析

Webディレクターは名前から、コンテンツ制作に関する管理業務だけと思われがちですが、制作した後のサイト分析も重要な役割の1つです。

サイト分析では実際に掲載しているコンテンツで、「狙ったキーワードからの流入はあるか」「セッション数はどのくらいか」「コンテンツからコンバージョンにつながる数は?」などといった様々なデータを元に詳しく分析していきます。

分析したデータを元に、今後どういったキーワードを狙うか、コンテンツの更新を増やすか減らすか、コンテンツの戦略は間違っていなかったか、新しい施策はないかなど様々な戦略を立てて、提案するのもWebディレクターの仕事です。

Webディレクターに必要なスキル・知識

Webディレクターは、色々な立場・職種の人と関わって仕事をしていく分、業務内容は多岐に渡ります。 そのため、幅広い知識やスキルが必要です。

もし、Webディレクターをやる上で自分に足りないと思うスキルや知識があるのであれば、普段の業務から意識してスキルを身に着けたり、隙間時間を使って知識を身につけたりすることを心がけましょう。

調査能力・分析能力

調査能力はコンテンツ制作のはじめにおけるキーワード選定や競合調査、分析能力はコンテンツ制作の効果測定やデータを元にした今後の戦略などで必要なコンテンツ制作に直接関わる能力です。

日常的に同業他社のコンテンツに目を通すようにすること、またその記事がどのようなキーワードを対策しているか、人気のあるコンテンツはどんな構成・内容か、その理由も合わせて普段から考えるようにすることで、調査能力・分析能力は養われていきます。

企画力・発想力

調査能力・分析能力があっても、コンテンツを形作れなかったら意味がありません。 そのため、Webディレクターには調査した情報をもとにどういったコンテンツにするのかをじっくり企画できる能力が求められます。

コンテンツの対象となるユーザーのニーズを考え、それを満たせるコンテンツを考えることも大事ですし、「こういったコンテンツがあったら面白いかも」「こういった情報を掲載したら流行るかも」といった視点を持ちながらコンテンツを作り続けることが重要です。

企画力・発想力を身に着けるには、日々いろんなコンテンツを目にして視野を広げることが最も手っ取り早いです。 アイデアを何もないところから生み出すのは非常に難しいので、コンテンツのヒントとなる情報を色々な媒体からキャッチアップしましょう。

スケジュール管理能力

Webディレクターは、コンテンツ制作のスケジューリングをしなければならないため、コンテンツ制作のスケジュールをしっかり管理できる能力が必要です。

スケジュール管理能力は簡単なようで実は非常に難しいものです。 Webディレクターになるとスタッフの制作速度やスケジュール、タスクを把握して計画を立てなければなりません。

さらに、制作スタッフ1人が急病などの理由でプロジェクトに参加できなくなってしまった場合、別のメンバーをアサインしたり、クライアントや上長と交渉して、スケジュールを後ろ倒しにしたりする必要もあります。 そのため、Webディレクターはできるだけ他のメンバーのスケジュールを把握することを心がけましょう。

スケジュール管理で意識すべきなのは、制作スタッフの作業時間やレベル、抱えているタスクを正確に把握することです。 過去にどれくらいで成果物を仕上げてきたのか、1ヶ月の勤務時間でどれくらいの時間をプロジェクトに割けるのかなどをみて、スケジュールを立てましょう。

コミュニケーション能力

Webディレクターは、クライアントや制作スタッフなど色々な人とやり取りをする「コミュニケーションを必要とする仕事」です。

具体的には、 ●相手の立場になってわかりやすく伝える ●仕事内容を正確に伝える ●クライアントと交渉をする ●信頼を得る といったことが求められます。

コミュニケーション能力を身につけるには、日頃から分かりやすく伝えることを心がけたり、要点をまとめてから話したりすることを実践していきましょう。

また、上長や他のWebディレクターに円滑に交渉や打ち合わせを進めるコツを聞いて実践するのもおすすめです。

Webディレクターに任命されたらまず何をする?

Webディレクターを任される経緯は状況によって様々です。 ですので、まずはプロジェクトの現状を把握しましょう。

営業担当から引き継いだ場合は、営業担当から状況を聞き提案内容をまとめる必要がありますし、前任のWebディレクターがいる場合はコンテンツ作成の全体のスケジュール感や残りのタスクを引き継ぎ、それを整理する必要があります。

Webプロデューサーがいる場合は、コンテンツ作成に関わるメンバー(ライター・編集者/校閲者・デザイナー・エンジニア・カメラマン・Webマーケター/コンサルタント)との打ち合わせを行います。

Webディレクターを任せられたら、まずはコンテンツ作成の状況をしっかりと把握しましょう。

まとめ

Webディレクターの業務はコンテンツの企画設計やコンテンツ制作のスケジューリングなど、多岐に渡ります。 そのため、すべての業務をしっかりこなすには、コンテンツ制作に関する幅広い知識はもちろん、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力といった様々なスキルが必要とされます。

Webディレクターの実力次第で、質の高いコンテンツ制作ができるかが大きく変わってきます。

急にWebディレクターを任されて何をすればいいかわからなかったという方も、本記事を読んでやるべきことを理解してもらえていたら幸いです。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。ご意見・ご要望などございましたら、
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minweb編集部(株)セルリア

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