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ペルソナとは?顧客のニーズに寄り添う組織を作る考え方と作成のポイント

マーケティングを行う際にターゲットをありありと想像できなければ、効果的なマーケティングを行えません。ペルソナを企業が作成する事で顧客をありありと想像する事ができるとともに顧客のイメージを社内で共有する事ができます。この記事ではペルソナを設定する理由から作成におけるポイントを紹介していきます。

ペルソナとは古典劇の「仮面」や心理学の「人間の外的側面・自分の内面に潜む自分」を意味しています。
マーケティング分野におけるペルソナは企業がターゲットとするユーザーの架空モデルを意味します。

ペルソナとターゲットの違い

ペルソナとターゲットは同じ分野であるため、非常に混同される事が多いです。
ターゲットは「20代・男性・年収400万」「50代・女性・主婦」というように幅をもたせた属性情報として処理されます。
ペルソナはそれを現実社会で生きる一人の人物像として具体的に落とし込んでいきます。

ペルソナを設定する理由

顧客は毎回同じ人がくる訳ではないのに何故ペルソナを設定する必要があるのでしょうか。

具体的なイメージの共有

商品やサービスを開発・営業していく人材はたくさんいます。
そのために、全員のイメージが固まっていなければ、全員の方向性を統一する事はできません。
企業は一つの部署で構成されている訳ではなく、様々な部署によって成り立っています。
各担当者が具体的なある一人のイメージを共有できていれば、意思疎通やプロジェクトの進行がスムーズになります。

ターゲットを絞り込む

より多くの人に購入してもらいたいからと、ターゲットを幅広く定めてしまうと、コンセプトが曖昧になります。
コンセプトが曖昧になってしまうと、どの層のニーズにも的確に満たす事ができず、どの消費者にも響かない商品になってしまう恐れがあります。
阪本 啓一さんの著書に『「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。』があります。
この言葉が体現しているように、ペルソナを設定し、ターゲットを絞る事で、消費者にとっては唯一無二の商品・サービスになります。

BtoBとBtoCにおけるペルソナ設定の違い

BtoBとは対企業を想定した施策であり、BtoCとは対顧客を想定した施策の事を指します。
例えば、名刺管理システムであれば一個人を想定してマーケティングを行うのではなく、企業を想定し施策を考えるのが得策であり、化粧品を売るのであれば卸業者でない限り、個人にフォーカスし施策を行うべきでしょう。

BtoBのペルソナ設定では、個人が所属する企業の事業内容や所属歴、課題、決裁権の有無、認識している課題などが商品・サービスの購入に影響を与えます。
そのため、BtoCで重視される個人の好みや嗜好よりも企業属性や職務情報が重視されます。
しかし、購買フェーズの認知の段階では個人の関心や嗜好が関わってくる事は念頭に置いておきましょう。
他にも企業によって追加するべき要素もあると思いますが、BtoBペルソナ作成に必要な主な要素は以下のとおりです。

次にBtoCを想定したペルソナ設定です。
BtoBとは異なり、個人に購買意思決定が委ねられるため、重視されるのは個人の好みや嗜好を表す、定数情報です。
商材やサービスによって他に追加するべき要素があると思いますが、BtoCペルソナ作成に必要な主な要素は以下のとおりです。

ペルソナ作成のポイント

リアルな顧客像を設定する

ペルソナ作成の際の最大の落とし穴は「こんなお客さんだったらいな」という希望的観測でペルソナを定義してしまう事です。
理想的な顧客であればこちらが苦労してマーケティングを行わなくても良くなってしまいます。
実際の顧客は理想どうりに行く事は稀です。
そこをどのような施策でコンバージョンに至らせるかを試行錯誤するかがマーケティングの面白いところであり、難しいところです。
リアルなペルソナを定義するためには、ターゲットの顧客に関するデータを収集する事が大切です。
実際に顧客と対面している営業部門にヒアリングしたり、アンケート結果を分析したりして、ターゲットの顧客のリアルなペルソナ像を作り上げましょう。
定義しようとしているペルソナの属性に近い人物がいれば、そのような人へのヒヤリングを行うのも良い方法です。

ペルソナを複数定義する

商材にもよりますが商品やサービスの対象となる顧客が1タイプだけに収まる事はあまりありません。
通常のマーケティングであれば様々な属性でセグメントし、異なる顧客グループに合わせた施策を展開していきます。

このような場合、ペルソナも複数定義しておくのが望ましいと言えるでしょう。
主要ターゲットとなるメインペルソナを設定した上で、属性の異なるサブペルソナを設定し、顧客グループに沿ったペルソナに合わせたマーケティング施策を検討していきましょう。

例えば、AGAケア商品だとしたら、40代で髪の毛を気にし始めた男性をメインペルソナとし、サブペルソナには20歳から髪の毛に危機感を持っている人や場合によっては夫の髪の毛が気になりだした女性がターゲットとなる事もあるでしょう。
そのような異なるターゲット像を個別に分析し、ペルソナとして定義します。

ペルソナは成長させない

実際に対応する顧客は商品・サービスを認知した段階から「成長」が始まります。
ここでいう成長とは肉体的な成長ではなく、商品・サービスへの理解が高まることや自社へのロイヤリティが高まるといった意味です。
マーケティングを行っていく上で企業は顧客を育成させるためにメール配信やセミナーの開催、Webコンテンツによる良質な情報提供を行う事で「見込み顧客」「顧客」「リピーター」「優良顧客」のように育成されていきます。

しかし、ペルソナの場合は一度定義した場合基本的に成長させません。
市場には様々な段階のターゲットが存在し、ペルソナを設定する際はどの層に向けてアプローチするのかを明確にした上で行います。
よって、設定したペルソナが成長してしまっては折角の設計がまた再構築しなければならなくなってしまうので、実際の顧客が成長したとしてもペルソナはその段階で固定しておきましょう。

定期的にアップデートを行う

世の中の仕組みが変わっていく事で顧客の購買方法が変化してきたり、それに伴い営業方法のプロセスが変化していきます。
ペルソナには鮮度があり、はじめに作成した状態からほったらかしにせず、環境の変化に伴い、定期的にアップデートする事が大切です。
ペルソナ設定では、ユーザーの声や実際の顧客情報、行動などの情報をもとに、実際の具体像に近いペルソナを作成します。
定期的に更新しなければ、過去の環境にいる顧客像を追いかける事になってしまい、効果的なマーケティングを行えません。
ペルソナのアップデートでは最低でも一年に一回は行い、今の流行りや経済の動向にあったものになっているかを確認しましょう。

まとめ

ペルソナとはいったいどのようなものなのか、なぜ作成する必要があるのかについて紹介してきました。
ペルソナを設定することで、曖昧だった顧客増が具現化され、顧客理解が深まり、ニーズに沿ったマーケティングを行う事ができます。

また、ペルソナを部門間で共有する事により、個人の思い込みや勘を排除した共通の人物像を思い描く事ができ、部門間での目指すべき方向の統一やスピード感のある連携のあるマーケティング施策が可能になります。
ユーザーが情報を簡単に入手出来る状況になり、ユーザーのニーズや購買行動が複雑化している中ではペルソナ作成は必要不可欠と言えるでしょう。
是非、ペルソナを適切に設定し、意識統一を行いましょう。

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