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InDesignで行間サイズを調整する方法

行間の幅によってテキストの読みやすさは変わるため、InDesignでデザインを制作する際には行間の設定方法を覚えておくと便利です。今回は、InDesignで行間を設定する方法を解説します。

カテゴリ: InDesign

本記事では、InDesignで行間サイズを調整する方法について解説します。

行間について知っておきたい基礎知識

行間サイズの調整方法について説明する前に、DTPにおける行間サイズの基礎知識を確認しておきましょう。

行間でよく使われる単位

文字サイズや行間サイズで使われる単位は、国によっても違います。日本では、文字サイズに対しては級数、行間サイズに対しては歯数という単位が使われることが多いです。

名称 説明
歯数 日本の印刷・出版業界で使われる行間サイズの単位。単位に「歯」もしくは「H」を使う。H数という表記されることもある。1歯は0.25mm。歯は活版印刷の写植機で用いられている歯車の一つ分が、1級分であったことに由来する。
級数 日本の印刷・出版業界で使われる文字サイズの単位。単位に「級」もしくは「Q」を使う。Q数という表記されることもある。1級は0.25mm。級は日本語の活版印刷で用いられる最小の値であった0.25mmが1mmの1/4であったことから、英単語で1/4を意味するQuarterの頭文字であるQを使ったことに由来する。
ポイント 活版印刷時代から用いられている文字サイズや行間サイズの単位。同じポイントでも国や地域によって規格のサイズが異なる。アメリカで用いられるアメリカンポイントは1pt=0.3514mm、主にヨーロッパで用いられるディドーポイントは1pt=0.3579mmとなる。日本のJIS規格ではアメリカンポイントが採用されているが、DTPにおいては一般的に1pt=0.3528mmが用いられている。

参照URL:MAU造形ファイル「級・歯・ポイント」

InDesignでは、環境設定から行間サイズや文字サイズの単位を変更可能ですが、本記事ではデフォルトの設定である歯数や級数を用いて調整する方法を解説します。

一般的な行間サイズの目安

日本語の場合は、一般的に文字サイズの1/2程度の行間が読みやすいと言われています。行間サイズは、文字サイズ+行間の行送りで指定しますので、文字サイズの約1.5倍の値が一般的な行間サイズの目安となります。

ただし、これはあくまでも一般的な例であり、フォントの種類、フォントの太さ、縦書き・横書き等で、テキストが読みやすくなる最適な行間の値も変わってきます。この辺りは、デザイナーの経験値やセンスの見せ所なので、文字組みに関しての専門書などを参考にして知識を増やしておきましょう。

行間サイズを調整する方法

以下が行間サイズを調整する手順になります。

1.メニューから「文字」を選択

画面上部にあるメニューバーから書式をクリックし、表示されたメニュー項目の中から「文字」を選択します。

2.文字パネルの行間を調整する欄で数値を設定

「文字」を選択すると、上の画像のように文字パネルが表示されます。このパネルにある行間を調整する欄で数値を設定していきます。数値を設定する項目が多くありますが、文字サイズの値は「Q」となっているのに対し、行間サイズの値は「H」なっていますので、すぐに行間を指定する欄はわかると思います。

デフォルトの状態では、括弧で囲われた自動調整の数値が入っています。個人で用いる場合は、この自動調整のままでも問題はありませんが、プロのデザイナーとして業務を行う場合は、他の人がデータを扱うことも想定して文字サイズに合わせて適切な行間サイズを指定しておく必要があります。

文字サイズは、欄の右側にある「∨」のボタンを押して表示されるプルダウンメニューからプリセットの値を選択するか、欄の左側にある「∨」「∧」のボタンを押して数値を一つずつ増減することで変更できます。

3.行間サイズを狭める

行間サイズを狭める場合は、欄の左側にある「∨」のボタンを押して行間サイズの数値を小さくしていきます。前述のように、文字サイズの級数と行間サイズの歯数は、単位の名前こそ違いますがメートル法に換算するとどちらも同じサイズになります。

従って、基本的な行間サイズの最小値は文字サイズと同じ数値になります。ここでは、文字サイズ25Qに対して、25Hの行間サイズを設定してみます。

上の画像のように、行間サイズが狭まりました。文字サイズよりも行間サイズを小さくすることもできますが、その場合は文字と文字が重なってしまいます。文字をデザイン上の装飾として用いるケースなどを除いて文字を重ねる必要性はありませんので、基本的には文字サイズよりも大きい行間サイズを設定しましょう。

4.行間サイズを広げる

行間サイズを狭める場合は、欄の左側にある「∧」のボタンを押して行間サイズの数値を大きくしていきます。

ここでは、テキストフレームの大きさギリギリまで行間サイズを広げてみましょう。

上の画像のように、54Hまで行間サイズが広がりました。

5.一般的な行間サイズに設定する

前述のように、フォントの種類やフォントウエイト(文字の太さ)の種類などでも変わってきますが、一般的に可読性の高い行間サイズ、行送りは文字サイズの約1.5倍に設定することが多いです。

文字サイズ25に対して、1.5を掛けると37.5になります。ここでは、小数点の入らない整数の38に設定してみます。上の画像を見ても、確かに読みやすい行間サイズであることが確認できると思います。

6.縦書きの場合も同様に行間サイズを設定する

最後に、縦書きの場合の行間サイズ設定方法についても補足しておきます。行間サイズを示すアイコンが横書きをイメージさせるものになっていますが、縦書きの場合も横書きの場合と同じ行間サイズの欄に数値を設定します。その点だけ理解しておけば、あとは全く同じです。

縦書きのテキストは、文字サイズが26になっているので、ここでは1.5をかけた39に行間サイズを設定してみます。上の画像のように読みやすい行間になりました。

まとめ

行間サイズによって、文字の読みやすさは大きく変わります。文字の読みやすさはエディトリアルデザインにおいて非常に重要な要素です。

仮に非常に良い編集デザインが完成したとしても、行間サイズが適正でなければ、書籍・出版物としての質も下がってしまうでしょう。本記事を参考にして、行間サイズの設定・調整方法をしっかりとマスターしておきましょう。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。ご意見・ご要望などございましたら、
以下のフォームよりお問い合わせを受けつけておりますので、よろしければご利用ください。

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