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Lightroom Classicのテザー撮影機能を使ってみよう!

Lightroom Classicではカメラとパソコンのモニターやタブレットなどを繋いで大きな画面で撮影した画像をリアルタイムに確認しながら撮影する「テザー撮影」ができます。今回の記事ではLightroom Classicのテザー撮影機能を解説します。

カテゴリ: Lightroom

本記事ではLightroom Classicのテザー撮影機能について解説します。

テザー撮影とは

テザー撮影(Tethered Shooting)とは、カメラとパソコンのモニターやタブレットなどを繋いで大きな画面で撮影した画像をリアルタイムに確認しながら撮影する方法です。

デザー(Tether)という単語の意味は、「動物のつなぎ綱」や「つなぎ止める」といった意味で、ケーブルを繋いで撮影する状態が、動物をつなぎとめておく様子に似ていることが由来となっているようです。

現在は、Wi-FiやBluetoothといった通信技術も発達してきており、有線ケーブルを用いずにテザー撮影を行うことも可能です。

しかし、無線でモニターとカメラをつなげた状態は、不安定であったり、タイムラグが発生する可能性があったりと、現状はデメリットも多いので、今でも有線ケーブルを使ったテザー撮影が主流となっています。

Lightroom Classicには、このテザー撮影を可能にする機能が搭載されています。カメラとパソコンを繋ぐので、スマートフォンなどで撮影しクラウドで写真を管理するLightroomではなく、Lightroom Classicのほうに搭載されている機能ですので、その点は押さえておきましょう。

テザー撮影のメリット

1.複数人で撮影した写真をリアルタイムに確認することができる

テザー撮影は、大きなモニターに写真データを表示できるので、複数人でリアルタイムに写真を確認しながら撮影を行うことができます。

例えばファッション関係でモデルやタレントを撮影する場合は、フォトグラファーの他に、服飾デザイナーや被写体となるモデルやタレント、モデルやタレントが所属する企業のマネージャーなど写真を確認したいと思う関係者は複数人になります。

特に、人物の表情などは、カメラモニターの小さい画面では確認しきれない部分もあります。大きなモニターで確認できるテザー撮影は、どれがベストショットであるか複数人で合意しながら撮影を行う状況において大変役立つ撮影方法なのです。

2.大画面で細かな部分をリアルタイムに確認しながら撮影をすすめられる

カメラモニターは小さいので、どんなに解像度が高いものであっても、細かな部分まで確認するのは困難です。

テザー撮影を用いれば、リアルタイムで細かな部分までピントが合っているかを確認する、集合写真などで人物が目をつぶっていないかを確認するといった作業が可能になるので、リスクを回避するために必要以上に撮影枚数を増やし、写真をセレクトで大幅に時間をロスするといったことも避けられるのです。

3.カメラモニタが覗けない場所にカメラを設置して撮影することができる

三脚を高い位置に設定して、真上から被写体を撮影する場合、カメラモニタを確認するのが困難になる状況もあります。テザー撮影でパソコンモニターで撮影した写真を確認できるようにすれば、こうした真上からのカメラ撮影においてもリアルタイムで撮影内容を確認できるようになるのです。

4.メモリーカードを使わなくてもカメラで撮影ができる

テザー撮影ではパソコン端末に、直接撮影した写真画像を取り込んでいくので、メモリーカードを使わなくても撮影が可能です。テザー撮影可能なカメラ側の設定には、テザー撮影に関する項目の中に「メモリーカードなしレリーズ」というメニューがあります。

この「メモリーカードなしレリーズ」を許可すると、メモリーカードを入れなくても撮影ができるようになります。メモリーカードを使わないで撮影するメリットは、撮影枚数を気にせずに撮影を続けられる点にあります。

被写体が人物や動物などの場合は、メモリーカードを差し替えている間に状況が変わってしまうというケースも想定されます。テザー撮影は、フォトスタジオなど室内の撮影環境で用いられることが多いですが、風景などもメモリーカードなしで撮影することで一瞬の景色の移り変わりも逃しにくくなります。

もちろん、メモリーカードとパソコン端末の両方で写真を保存していくことで、データが消えてしまうリスク対策の強化にも繋がりますので、目的や撮影環境に合わせてメモリーカードを使うか使わないかという選択していきましょう。

テザー撮影のデメリット

テザー撮影には、デメリットもありますので、以下に説明します。

1.高速の連続撮影には向かない

カメラとパソコン端末を繋いで撮影するので、その分データ転送に時間がかかります。近年はカメラやパソコン端末も非常に高性能になっていますので、このデータ転送によるタイムラグも、かなり改善されてきていますが、高速で連続撮影するといった状況には、不向きの撮影方法です。

2.撮影範囲が限定される

有線でケーブルを繋いでテザー撮影を行う場合は、ケーブルが届く範囲でしかカメラを移動させることができません。無線の場合も、無線が届く範囲でしかカメラを移動できませんので、撮影範囲が限定されます。

ノートパソコンなどを用いて屋外でテザー撮影を行うケースもありますが、基本はフォトスタジオなどの屋内撮影に向いた撮影手法となりますので、その点留意しておきましょう。

3.無線接続の場合は不安定になるケースも

Wi-FiやBluetoothなどの無線でテザー撮影を行う場合は、接続が不安定になる事態も想定しておかなければいけません。

Lightroom Classicでテザー撮影を行うための準備

テザー撮影をするのに必要な機材や、事前に行う設定について説明します。

1.Lightroom Classicでテザー撮影が可能なカメラを用意する

まず、Lightroom Classicでテザー撮影に対応したカメラを用意する必要があります。デジタル一眼カメラであれば、どの機種でも対応しているわけではありませんので注意しましょう。テザー撮影は、主にプロのフォトグラファーが用いる手法なので、対応機種もハイエンドで高額なものが多いです。

Lightroomでテザー撮影が可能なカメラ機種

Lightroom Classicのテザー撮影に対応している主な機種を以下にいくつか紹介します。メーカーは、現在のところNikonかCanonの2社のみになっていますので、それ以外のメーカーは残念ながらLightroom Classicを使ってのテザー撮影はできません。

【主なテザー撮影対応カメラモデル】
Nikon デジタル一眼レフカメラ D3X
Nikon デジタル一眼レフカメラ D4
Nikon デジタル一眼レフカメラ D4S
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS-1Ds Mark II
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS-1DMK3 EOS-1D MARK III
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS-1Ds Mark II

この他にも数多くの機種に対応していますので、詳細は以下のAdobe公式ページから確認してください。

テザーカメラサポート | Lightroom Classic

今後も、NikonとCanonからLightroom Classicのテザー撮影に対応したハイエンドのカメラ機種の新商品が発売されると思いますが、新機種にLightroom側が対応が追いついていない場合もあり得ますので、新機種を購入する場合は必ずメーカーに問い合わせしておきましょう。

また、今回はLightroom Classicを使ったテザー撮影の解説となりますので詳細は割愛しますが、 SONY、Panasonic、OLYMPUSなど、この2社以外のカメラメーカーからもデザー撮影が可能な機種は数多く発売されています。

これらのメーカーの場合は、メーカーが提供するソフトや、フリーソフトウェアなどを用いてデザー撮影の環境を構築できます。

現在、他メーカーで最新のカメラを保有している場合はデザー撮影可能な機種である可能性も高いです。どうしてもLightroom Classicを使ってテザー撮影を行いたい場合以外は、新たに買い換える必要はありませんので説明書等を確認してみましょう。

加えて、 Lightroom Classicのテザー撮影に対応していないカメラでも、後述する「自動読み込み」機能と各メーカーの純正カメラコントロールソフトを併用することで、テザー撮影のようにパソコンのモニターでライブビューすることも可能です。

2.ケーブルを用意する

前述のように、カメラ機種によっては無線でテザー撮影を行うことも可能ですが、撮影場所によっては無線接続が不安定になる可能性もありますので、基本はUSBケーブルで繋いで撮影する準備を整えておきましょう。

カメラに同梱されているUSBケーブルを用いても構いませんが、撮影可能範囲を広げるためにも、できるたけ長めのUSBケーブルを別途用意しておくと良いでしょう。

また、USBケーブルと一口に言っても、その種類は様々なものがあります。カメラポートには、USB miniBとUSB Type-Cの2つのタイプがあります。また、パソコン側の接続口にもUSB Type-AやUSB Type-Cといったタイプがありますので、自分の使っている機種にあったものを用意します。

さらに、同じタイプのUSBであってもバージョンによってデータ転送速度が異なります。

データ転送速度が早いものを選ぶと快適な撮影環境を構築できますが、古い機種の場合はThunderboltなどの最新・最上位のケーブルに対応していない場合もありますので、カメラやモニター側の端末の説明書をよく確認して選びましょう。

3.カメラとLightroom Classicの設定を行う

機材が準備できたら、カメラとパソコンを繋げてLightroom Classicの設定を行います。

テザー撮影の設定方法

事前の整えられたら、以下の手順でLightroom Classicの設定を行います。ここでは、Lightroom側の手順を説明しますので、カメラ側の設定はカメラの取扱説明書を確認してください。

1.メニューから「テザー撮影を開始…」を選択

画面上部にあるメニューバーからファイルをクリックし、表示されたメニュー項目の中から「テザー撮影」にある「テザー撮影を開始…」を選択します。

2.テザー撮影の設定を行う

「テザー撮影を開始…」を選択すると上の画像のような、テザー撮影の設定パネルが表示されます。このパネルにある各項目を設定してテザー撮影の設定を行います。

セッションは、保存先のフォルダー内に作成するテザー撮影のセッション用のサブフォルダー名を設定する欄です。

名前は、撮影された写真のデータにつける名前を指定する欄です。セッション名に連番をつけるなど、いくつかのパターンで自動にデータファイルに名前を付けていく機能です。

保存先は、撮影された写真をパソコン端末のどこに保存するかを選択・指定する欄です。

その他にもメタデータやキーワードなどの情報も設定できますが、基本の項目はセッション、名前、保存先の設定になります。各項目の設定が完了したらパネル右下にある「OK」をクリックします。

3.カメラを検出する

「OK」をクリックすると、上の画像のようにカメラを検出するパネルウィンドウが開きます。カメラを検出できたら、カメラ端末とパソコン端末がつながっているかを確認し、何枚か試し撮りをしてから撮影を開始しましょう。

自動読み込み機能を使ってテザー撮影に近い撮影環境を構築する方法

Lightroom Classicのテザー撮影に対応していないカメラ機種でも、メーカー純正のカメラコントロールソフトとWi-Fiを使ったデータ転送機能があれば、Lightroom Classicの自動読み込み機能を使って、テザー撮影に近い撮影環境を構築できます。

ただし、テザー撮影は直接保存フォルダーへ撮影した写真データを保存していくのに対し、自動読み込み機能は、監視フォルダーを一旦経由して保存フォルダーへ格納されるため、その移動時間分データ転送時間が長くなります。

機材や端末によっては、動作がもたついて撮影に影響が出る可能性もありますので、その点は留意しておきましょう。

1.メニューから「自動読み込み設定…」を選択

画面上部にあるメニューバーからファイルをクリックし、表示されたメニュー項目の中から「自動読み込み」にある「自動読み込み設定…」を選択します。

2.監視先フォルダーを選択

「自動読み込み設定…」を選択すると、上の画像のような自動読み込み設定のパネルが開きます。このパネルにある監視フォルダーという欄にある「選択…」をクリックします。

「選択…」をクリックすると、監視フォルダーを選択するパネルが開きますので、監視フォルダー用のフォルダを選んでパネル右下の「選択」ボタンをクリックします。

監視フォルダーとは、自動読み込みを監視するフォルダーのことです。

3.「自動読み込みを有効にする」にチェックを入れる

「選択」ボタンをクリックすると、さきほどの自動読み込み設定のパネル画面に戻ります。このパネル上部に「自動読み込みを有効にする」という項目があります。監視フォルダーを設定すると、この項目にあるチェックボックスにチェックが入れられるようになります。

この「自動読み込みを有効にする」にチェックを入れると自動読み込みが有効になります。

保存先は、監視フォルダーから移動して最終的に写真を保存するフォルダーを選択します。ファイル名は、写真のデータにつける名前を指定する欄です。

その他にもメタデータやキーワードなどの情報も設定できますが、基本は、監視フォルダーを選択し、「自動読み込みを有効」にする」にチェックを入れ、保存先フォルダーとファイルの名前を設定したら、パネル右下にある「OK」をクリックして完了です。

一度、自動読み込み設定が完了していれば、画面上部にあるメニューバーからファイルをクリックし、表示されたメニュー項目の中から「自動読み込み」にある「自動読み込みを有効にする」を選択することで、機能のON/OFFを簡単に切り替えられます。

カメラ側の設定は、Wi-Fiを使ったデータ転送機能の転送先を、Lightroom側で設定した監視フォルダーに設定する必要があります。この設定については各カメラの取扱説明書を確認しましょう。

まとめ

写真の加工・編集はPhotoshopでもできるので、プロのフォトグラファー以外でLightroom Classicを利用する必然性を感じている人は少ないかもしれません。しかし、テザー撮影はAdobeのソフトウェアの中でLightroom Classicにのみ搭載された機能です。

かつては、プロのフォトグラファーに依頼してフォトスタジオで撮影するような現場であっても、近年は経費削減のために編集部でカメラを用意して、編集者やライターなどがカメラ撮影を行う現場が増えてきています。

Lightroom Classicのテザー撮影機能を使えばプロの撮影現場と同等な撮影環境も簡単に構築できますので、興味を持たれた方は本記事を参考にしてぜひチャレンジしてみてください。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。ご意見・ご要望などございましたら、 以下のフォームよりお問い合わせを受けつけておりますので、よろしければご利用ください。

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