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インサイドセールスとは?メリット・デメリットから役割までを徹底解説

内勤型営業と呼ばれるインサイドセールスは営業効率を向上させるために生み出されました。労働人口が現象し、従来の営業方法ではリソースが足りなくなっている現状でインサイドセールスを導入する企業が増えてきます。この記事ではインサイドセールスの概要からインサイドセールスのメリットデメリット、役割を紹介していきます。

インサイドセールスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
顧客と対面で行うような社外での営業活動をフィールドセールスといい、顧客とオンラインを利用するような社内での営業活動をインサイドセールスと呼びます。
日本では顧客と対面での営業を主とする風習がありますが、コロナの影響もあり対面での営業ではなく、オンラインや電話を利用したインサイドセールスが普及しつつあります。
今回はインサイドセールスの概要からフィールドセールスと比較し、どのような場合にインサイドセールスを利用すべきなのかを紹介します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは内勤型営業とも呼ばれ、オンラインツールや電話を利用し、直接会うことなく営業することです。
インサイドセールスの起源はアメリカにあります。
アメリカは国土が広く、日本の営業のように簡単に訪問できないことがあり、直接訪問することの非効率さを解決すべく、編み出された手法です。
もともとは家庭向けの価格帯の低い商材の営業として利用されていきましたが、徐々に企業間の大きな取引にも利用されるようになってきました。

2008年のリーマンショック以降、効率的に営業を行いたいと考える企業が増え、インサイドセールスはより多くの企業に取り入れられることになり、2017年度にはインサイドセールスの市場は3兆円規模に達しているという情報もあります。
コロナの影響もあり、テレワークが見直され、日本でもインサイドセールスの市場がますます拡大していくでしょう。

インサイドセールスのメリット

インサイドセールスと対を成すフィールドセールスと比較しながらインサイドセールスのメリットを紹介していきます。

人員を割くことなく効率的に営業ができる

従来のフィールドセールスでは移動時間などがかかってしまい、1日に訪問できる企業の数が多くても5件ぐらいだと言われています。
そのため、フィールドセールスを行う場合は多数の人員を割くことで、営業数を増やしていました。
しかし、少子高齢化が進み、企業も採用が厳しくなっている状況で多数の人員を営業にかけることができず、営業数が減ってしまうという現状がありました。
インサイドセールスではフィールドセールスに必要な移動時間をなくすことができ、相手の急な予定変更にも時間をずらすだけで対応ができてしまいます。
単純計算にはなりますが、1日8時間勤務しているとして商談が1件1時間かかると想定した場合、最大8件の商談が可能になります。
フィールドセールスでは網羅できなかった領域まで補完できるようになります。

教育が綿密に行える

インサイドセールスはフィールドセールスのよりも時間を効率的に使用できます。
フィールドセールスでは移動時間であった分を、新人の教育に当てることができます。
更に、インサイドセールスではフィールドセールスと比べ、時間効率が良く、多数の案件に触れることができます。
その為、1日の中での実戦の機会が多く与えられ、場数を踏んでいくことでの成長が見込めます。

確度の高い営業につなげることができる

インサイドセールスとフィールドセールスの比率を分配することで確度の高い営業に力を咲くことができます。
例えば予算も決まってない、具体的に解決したい課題が見つかってないという企業に営業に行く場合と予算が決まっていて、具体的に解決したい課題が明確で自社のサービスで解決できそうな企業に営業に行く場合であれば、後者の方がニーズが合致しやすく成約率が高くなると言えるでしょう。
フィールドセールスのみで営業を行うと課題があるかもしれない企業に飛び込んで営業を行う営業形態になり、確度が低い営業を繰り返す可能性があります。br> 一方、インサイドセールスで要望や条件のヒアリングし、情報から顧客を選定するまでを行いアポイントをとる段階まで行えば、契約確度の高い顧客に直接提案をすることができます。
顧客側も全ての営業に対応する必要がなくなり、情報から課題を解決できる可能性の高いサービスの営業に時間を咲くことができます。
インサイドセールスとフィールドセールスを良い面を組み合わせることで、営業側と顧客側の双方にメリットを与えることができます。

インサイドセールスのデメリット

コミュニケーションの希薄さ

「足で稼ぐ」という言葉もあるくらいですから、日本人がフィールドセールスを重要視しているのは明確です。
HubSpotが行った「日本の営業に関する意識・実態調査結果」では商品やサービスの買い手側となる経営者・役員・会社員にアンケートを行ったところ、29.4%が「営業担当者に自社を訪問してほしいとは思わない」と回答しました。
一方で、営業担当者の訪問を希望する人(全体の70.6%)にその理由を質問したところ、1位は「顔を見ずの商談には誠意を感じない(35%)」、2位「営業担当者の顔を見ると安心感がある(30.1%)」という結果になり、精神面での要因が大きいことが分かりました。
メールや電話では伝わらない情報を得ることが約7割の経営者・役員・会社員の方に好意的に受け止められるという点はインサイドセールスでは補完できません。
ただ、インサイドセールスを導入している企業と導入していない企業で成約率に差があるのか尋ねたところ39.6%、41.6%という情報があるように、物理的な訪問を行うことで「誠意」や「安心感」を与えたところで成約率にほぼ差が出ないという結果が出ています。

引用:日本の営業に関する意識・実態調査結果

綿密な情報共有の必要性

インサイドセールスとフィールドセールスを分担することで確度の高い営業に力を入れることができるというメリットがあります。
ただここで必要になってくるのが、綿密な情報共有です。
初期段階のインサイドセールスにおいて要件要望をヒアリングし、顧客を選定しフィールドセールスに繋げることが一般的です。
インサイドセールスの段階で正しい情報を得ることも大事ですが、フィールドセールスの担当者に情報を共有する段階で、間違った情報や情報漏れ、情報の汲み取り方に違いがあった場合、顧客に対して不快な思いをさせてしまう場合があります。
折角、確度の高い営業先を選定できたにも関わらず、1つの情報で信頼を落としかねません。
一人の担当者が一気通貫で担当しない場合は綿密な情報共有が重要になります。

インサイドセールスの役割

インサイドセールスとフィールドセールスを比較しながらメリットデメリットを紹介してきました。
経営者の多くが営業の中に時間の無駄があると考えている中で、インサイドセールスを取り入れることで解消できる兆しが少しでも見えたのではないでしょうか。
では、実際にインサイドセールスを取り入れている日本の企業はどの程度あるのでしょうか。
「電話・Eメール・DM・ビデオ会議などを用いた非訪問型営業」の導入有無を経営者に尋ねたところ、導入率はたったの11.6%でした。
米国の同様の調査では導入率が47.2%、欧州では37.1%と日本の約3~4倍となっており、我が国においては非訪問型営業は海外よりも普及が遅れていることが分かりました。

引用:米国内の1,151の企業、欧州の28カ国を対象とした調査

更に、インサイドセールスの認知度を調べてみると経営者の35.6%しか「インサイドセールス」という言葉を知りませんでした。
ここまで読んでいただいた方は昔からの営業習慣である「顔を見せて訪問する礼儀」を疑わず、続けてしまっていることに疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
ただ、現状は「足で稼ぐ」という風習が根強く残っています。
アポイントを取れたもののメールや電話のみで対応しようとした場合に、がっかりされてしまい折角の商談が白紙になってしまう可能性があります。

では、どのような場面でインサイドセールスは役に立つのでしょうか、インサイドセールスの役割を紹介していきます。

全面的なインサイドセールス化

「低価格で商品の説明が簡単にできる商品」である場合はインサイドセールスにて業務を完遂させることができます。
例えばウォーターサーバーの営業などが挙げられます。ヒヤリングや営業活動に使用していた移動時間を削減することができ、大幅な業務効率化が見込めます。

一部分のインサイドセールス化

商品の説明が安易でない場合や商品の価格が高い場合一部分のインサイドセールス化が有効的です。
アポイントの獲得や要件要望のヒヤリングを行い、顧客の選定までをインサイドセールスで行うことで、営業成約率が高い顧客に絞り営業を行うことができます。

例えば、勤怠管理システムを導入したいと考えている企業に電話で営業をかけ、自社の商品の説明をし、顧客が課題を解決できそうだと判断した段階で、アポイントをとって営業をする。
これは、むやみに企業の扉を叩いて訪問するよりも時間効率が良く、交通費や移動時間のリソースを無駄遣いしなくて済みます。

顧客のナチャーリング

ナチャーリングとは潜在的ニーズを抱える見込み顧客に対して、メルマガやセミナー、Webコンテンツなどを通して有益な情報を中長期的かつ適切なタイミングで提供し、結果として自社の製品やサービスへの購買意欲を高めていくための手法やプロセスのことを指します。
「価格が高く、商品説明が難しい商品やサービス」をインサイドセールスのみで完結させることは適していません。
しかし、メールや電話などを利用し顧客のナチャーリングを行うことで、その後の営業に繋げることができます。

まとめ

人数不足の中で生産性をあげるためにインサイドセールスを活用することで解決できる可能性はあがります。
現在時点ではフィールドセールスしか受け付けない企業もありますが、それらの一部もしくは全部をインサイドセールスに置き換え、生産性が変わらない状況であれば非常に有効な営業システムと言えるでしょう。
インサイドセールスは営業する側だけでなく顧客側にもメリットがあります。
予定が立てやすかったり、時間を突然奪われることを防げたり、課題に対して明確な糸口を認識した状態で商談を設けることができるなど双方に置いてメリットがあります。
人材が乏しい中で効率化を目指す企業には欠かせない戦略となるでしょう。
自社の営業サイクルの中でインサイドセールスに置き換えられる部分はないか検討してみてください。

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