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InDesignのグリッド機能を使いこなそう!

各コンテンツを格子状・方眼状のグリッド(Grid)に沿ってレイアウトしていくデザイン設計の手法をグリットデザインといいます。InDesignには、グリットデザインに便利なレイアウトグリッドとグリッドとガイドがあるので、それそれ解説します。

カテゴリ: InDesign

本記事では、InDesignのグリッド機能について詳しく解説します。

グリッドデザインとは

グリッドデザインとは、各コンテンツを格子状・方眼状のグリッド(Grid)に沿ってレイアウトしていくデザイン設計の手法の一つです。

もともとはグラフィックデザインの分野で開発された手法ですが、Webデザインの分野でも現在主流となりつつあるデザインテクニックです。

DTPソフトウェアで、「グリッド」という用語が用いられた機能は沢山あるのですが、本記事ではInDesignで重要な機能になる「レイアウトグリッド」と「グリッドとガイド」機能について解説します。

レイアウトグリッドとは

InDesignの「レイアウトグリッド」とは、書式の設定を元に格子状・方眼状のグリッドを作成してレイアウトする機能です。

活版印刷における文字組や段組の設定は、この「レイアウトグリッド」に引き継がれています。

InDesignのドキュメントを作成する方法は2種類あります。

この「レイアウトグリッド」は、小説・エッセイ・文芸誌・学術書などテキスト中心のレイアウトに向いたドキュメント形式です。上の画像のように原稿用紙のようなグリッドが表示されたドキュメントが「レイアウトグリッド」です。

マージン・段組とは

もう一つの形式である「マージン・段組」は、パンフレット、商品カタログ、画集、写真集など写真やイラストなどを多く使うビジュアル中心のレイアウトに向いたドキュメント形式です。上の画像のように、とくにガイド等表示されていないドキュメントが「マージン・段組」です。

前述のようにテキスト中心は「レイアウトグリッド」、ビジュアル中心は「マージン・段組」を選択することが多いのですが、その中間的なドキュメントも存在します。

例えば、雑誌やムック、学習参考書や実用書などテキストとビジュアルの両方がメインと考えられるようなドキュメントの場合は、「レイアウトグリッド」と「マージン・段組」のどちらの形式も利用する場合があります。

雑誌と一口にいってもインテリア雑誌やファッション誌のようにフルカラーページが多くビジュアルが多めの雑誌と、専門誌や業界誌のようにテキストが多くモノクロや2色カラーページが多い雑誌では性質が異なりますので、その雑誌の体裁にあったドキュメント形式を選びましょう。

「レイアウトグリッド」と「マージン・段組」のどちらかで迷う場合は、より柔軟なレイアウトができる「マージン・段組」のほうを選択することをおすすめします。

新規レイアウトグリッドを作成する方法

最初に、新規レイアウトグリッドを作成する方法について説明します。

1.メニューから「新規」にある「ドキュメント」を選択

画面上部にあるメニューバーからファイルをクリックし、表示されたメニュー項目の中から「新規」にある「ドキュメント」を選択します。

2.各項目を選択し「レイアウトグリッド」をクリック

「ドキュメント」を選択すると、上の画像のようなウィンドウが開きます。

このウィンドウで用紙のサイズ・縦横・綴じ方などと、裁ち落としを設定したら右下にある「レイアウトグリッド」というボタンをクリックします。このボタンの下にある「マージン・段組」をクリックするとマージン・段組のレイアウトの新規ドキュメントが開きます。

「レイアウトグリッド」をクリックすると、上の画像のように「新規レイアウトグリッド」の設定パネルが開きます。このパネルで各項目の属性を設定していきます。

レイアウトグリッドで設定しなければいけない属性

次に、新規レイアウトグリッドで設定しなければいけない属性について説明します。

「レイアウトグリッド」は、後からの変更が比較的容易な「マージン・段組み」と比較すると、最初から書式や段組などをしっかり設定しておかなければいけないレイアウト形式になります。

新規レイアウトグリッドの設定パネルにある各項目の属性を上の画像に振られた番号を参照しながら以下に解説します。

A.グリッド書式属性

フォントの種類や字間・字送り設定などテキスト周りの設定する項目欄です。

①組み方向

「横組み」か「縦組み」かを設定する項目です。

②フォント

フォントの種類を設定する項目です。フォントのファミリーがある場合は、ウエイト(文字の太さのバリエーション)や斜体などの種類も選択します。

③サイズ

フォントのサイズを指定する項目です。レイアウトグリッドの場合は、Q数(1Qは0.25mm)で設定します。

Q数とは、1mmの4分の1である0.25mmのサイズなのでQuarterの頭文字をとってQという単位を用いています。漢字の「級」を用いて級数と表現されることもありますが、意味は同じです。

Q数は活版印刷で用いられてた文字サイズの単位です。テキスト中心の書籍編集では、現在もQ数を用いることが主流です。一方で、ビジュアル中心の雑誌編集では、Q数よりもポイントやmmといった他の単位を用いることもよくあります。

「マージン・段組」のレイアウトで作成されたデータでは、Q数ではなく他の文字単位で作成されている可能性が高いので、同一データ内では単位を統一して原稿を作成するように注意しましょう。

④文字垂直比率

文字に平体をかける項目です。平体とは印刷用語で、文字の縦幅を狭く変形させる処理です。デザインやスペースの関係上、文字の縦幅を狭くしなければいけない場合のみ用いられます。

⑤文字水平比率

文字に長体をかける項目です。長体とは印刷用語で、文字の横幅を狭く変形させる処理です。デザインやスペースの関係上、文字の横幅を狭くしなければいけない場合のみ用いられます。

フォントに長体・平体をかけることは、基本的に推奨されていませんのでプロのデザイナーはあまり使わない項目です。また、レイアウトグリッドの設定でも、ほとんど使われない項目です。

ただし、大幅な修正が入ってレイアウトされた段組にテキストが収まらない場合には、数%だけ長体・平体をかけることで問題が解決できるので、編集者は裏技的なテクニックとしてよく用いる機能であることは覚えておきましょう。

⑥字間・字送り

字間は文字と文字との距離を調整する項目、字送りは文字の中心から、次の文字の中心までの距離を調整する項目です。デフォルトの値は、字間は0、字送りは文字サイズと等しくなります。

⑦行間・行送り

行間は文字と文字との距離を調整する項目、行送りは行の中心(または上)から、次の行の中心(または上)までの距離を調整する項目です。デフォルトの値は、行間は0、行送りは文字サイズと等しくなります。

B.行と段組

行や段組に関する設定する項目欄です。

⑧行文字数

1行に入る文字数を設定する項目です。

⑨行数

1段に入る行数を設定する項目です。

⑩段数

1ページに入る段の数を設定する項目です。

⑪段間

段と段の間の距離を設定する項目です。

C.グリッド開始位置

グリッドの開始位置について設定する欄です。

「天/小口」「天/ノド」「地/小口」「地/ノド」「天地中央」「小口ノド中央」「天地小口ノド中央」から選択できます。選択した項目によって、調整できる部分が変わってきます。開始位置がわかるように、欄の左側に小さな画像が表示されますので、これを確認して適切なものを選びましょう。

「グリッドとガイド」の使い方

「マージン・段組」でも、グリッドを使ってレイアウトできます。「グリッドとガイド」という表示機能を使うことでグリッドのガイドラインが表示できます。

ここでは「ベースライングリッドを表示」というメニュー項目を一例として、その使い方を説明します。

1.メニューから「グリッドとガイド」にある「ベースライングリッドを表示」を選択

画面上部にあるメニューバーから表示をクリックし、表示されたメニュー項目の中から「グリッドとガイド」にある「ベースライングリッドを表示」を選択します。

上の画像のように、グリッドのガイドが表示されました。

2.メニューバーから、「環境設定」にある「グリッド…」を選択

グリッドのガイドに関する設定方法も説明します。画面上部にあるメニューバーからInDesignをクリックし、表示されたメニュー項目の中から「環境設定」にある「グリッド…」を選択します。

3.グリッドの各項目を設定

「グリッド…」を選択すると上のような環境設定のパネルが開きます。このパネルでガイドの色や間隔などを変更できます。

4.ベースライングリッドの作成方法

ベースライングリッドのラインを作成する方法も説明します。上の動画のように、ページの周囲にある定規(目盛りが表示されているエリア)に、カーソルを移動しクリックします。クリックした状態で、カーソルをスライドするとベースライングリッドが作成されます。

少し見えにくいかもしれませんが、動画でもライトブルーのラインが作成されているのがわかると思います。左側の定規からスライドされれば縦のベースラインが、上側の定規からスライドさせれば横のベースラインが作成されます。

このベースラインでページにガイドを作成しておくと、いちいち微調整したり、数値を入力・確認しなくても綺麗に整列された正確なレイアウトが可能になります。

「グリッドとガイド」には、この他にもグリッド表示に関する機能が搭載されています。例えば「ガイドにスナップ」という機能をONにしておくと、コンテンツがガイドに合わせて配置しやすくなります。いろいろ試して使ってみましょう。

まとめ

今回紹介した以外にも、InDesignにはグリッドを用いた機能が沢山搭載されています。グリッドに関する機能は、文字組や段組をマスターする上でも、グリッドデザインを実践する上でも非常に役立つ機能ですので、本記事を参考に基本事項をマスターしておきましょう。

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