閉じる

InDesignの親ページ(マスターページ)を編集する方法

InDesignには複数のページに同一のレイアウトを適用できるデザインフォーマット用のページである親ページを設定することができます。今回は、親ページを設定する方法を解説します。

カテゴリ: InDesign

InDesignを使いこなしていく上で重要な要素となるのが、親ページ(マスターページ)という概念です。ここでは親ページ(マスターページ)について説明します。

親ページ(マスターページ)とドキュメントページ

親ページ(マスターページ)とは

InDesignには親ページ(マスターページ)機能が搭載されています。親ページ(マスターページ)とは、複数のページに同一のレイアウトを適用できるデザインフォーマット用のページです。

PowerPoint、Googleスライド、Keynoteといったプレゼンテーション用のソフトウェアには、デザインテーマやデザインテンプレートといったフォーマットが用意されていますが、デザイナーや編集者以外の方は、それに近い機能だと理解するとイメージしやすいかと思います。

雑誌には特集ページと連載ページがあります。特集ページは毎回新しいレイアウトデザインを作成することが多いですが、一方で連載ページは毎回同じレイアウトデザインを用いることが一般的です。

書籍も、ジャンルによりますが基本的に大半のページは同じレイアウトで作成されることが多いです。

このように複数のページに共通のデザインを用いていく場合、親ページを利用すれば、すばやく背景色・見出しや本文のフォントやカラー・テキストの段組といったレイアウトなどを、すばやく空白のページへ適用できるのです。

また、冊子、チラシ、2つ折りパンフレット、3つ折りパンフレットなど、作成できる親ページのスタイルも様々なものに対応しています。

ちなみに、以前のバージョンでは、マスターページという用語が用いられていましたが、最新版では親ページという用語に統一されています。親ページに関する情報をネットで探したい場合は、マスターページという用語でも検索をかけてみましょう。

ドキュメントページとは

親ページ(マスターページ)に対して、実際の紙面・誌面を作成していく通常の編集ページをドキュメントページ、または単にドキュメントと呼ぶことが多いです。本稿では、通常の編集ページをドキュメントページと呼ぶことにします。

親ページ(マスターページ)の作成方法

親ページ(マスターページ)の作成方法ついて説明します。

1.メニューバーのウィンドウから「ページ」を選択してページパネルを開く

画面上部にあるメニューバーからウィンドウクリックし、表示されたメニュー項目の中から「ページ」を選択します。

「ページ」を選択するとページの設定パネルが開きます。

2.ページパネルのオプションメニュー項目から「新規親ページ…」を選択

ページの設定パネルの右上にオプションメニュー項目を表示されるハンバーガーメニューアイコンがあるので、これをクリックします。表示されたメニュー項目の中から「新規親ページ…」を選択します。

3.新規親ページ(マスターページ)の設定を入力する

「新規親ページ…」を選択すると、新規親ページの設定パネルが開くので各項目を設定・入力します。プレフィックスは親ページにつける名前や記号です。

このとき基準親ページで、すでに作成してある他の親ページを選択すると、その親ページの設定を受け継いだ親ページが作成できます。章やセクションなどでテーマカラーを変えたり、扉ページや表紙ページなどで同じスタイルのバリエーションを作りたい場合は、基準親ページを選択すると大変便利です。

ここでは、新たにスタイルを設定したいので、基準親ページは[なし]に設定しておきます。

また、ここでは、見開きの親ページを設定したいので、ページ数を「2」に設定しておきます。

4.親ページ(マスターページ)に必要なアイテムを設定する

親ページを選択して、親ページを編集する画面へ移動します。

親ページ(マスターページ)に必要なアイテム(オブジェクト、ノンブル、テキストフレームなど)を設定します。

ノンブル(ページ番号)の設定方法については以下の記事も参考にしてみてください。

▷InDesignでページにページ番号(ノンブル)を付ける方法

▷InDesignでノンブルに「スタイル」と「セクション(章番号)」を設定する方法

5.「親ページを適用…」を選択する

親ページ(マスターページ)にアイテムを設定しスタイルが決定したら、空白のドキュメントページに適用させてみましょう。ページパネルでドキュメントページを選択・クリックして通常の編集ページ画面へ移動します。

ページパネルで親ページを適用したいドキュメントページを選択した状態でControl+クリック(Mac OSの場合)か、右クリックをします。クリックするとプルダウンメニューが表示されるので、表示されたメニュー項目から「親ページを適用…」を選択します。

6.適用したい親ページ(マスターページ)を選択

「親ページを適用…」を選択すると、親ページを適用する設定パネルが開きます。

このパネルで、適応させたい親ページ(マスターページ)のプレフィックス(名前)を選択し、「OK」ボタンをクリックします。

上の画像のように背景色や段組など、親ページ(マスターページ)のスタイルが適用されました。このようにInDesignでは、あらかじめ設定しておいた親ページのデザインフォーマットを簡単に新規のページへ適用させることができるのです。

親ページ(マスターページ)の編集方法

予備知識:親ページアイテム(マスターページアイテム)とオーバーライド

親ページアイテム(マスターページアイテム)とは

親ページアイテム(マスターページアイテム)とは、親ページに設定されたオブジェクト、ノンブル、テキストフレームのことです。

オーバーライドとは

オーバーライドとは、直訳すると「上書き編集」のことを指します。親ページで設定されている親ページアイテム(マスターページアイテム)は、基本的にドキュメントページ上では編集できません(テキストフレームについてはフレームの変更はできないが、文字の入力は可能)。

しかし、親ページアイテム(マスターページアイテム)の設定のレイアウト、文字スタイルなどはそのままに、テキストの内容や装飾を変更したいといったケースも十分に想定できると思います。

そういった状況の際に役立つのが、オーバーライド機能です。ドキュメントページでオーバーライドを使うには、Commandキー+Shiftキー(Windowsの場合はCtrlキー+Shiftキー)を押しながら、編集したいオブジェクトをクリックします。

親ページ(マスターページ)上で編集する方法

すでに作成済みの親ページ(マスターページ)を編集する方法は、大きく分けて親ページ(マスターページ)上でアイテムを編集する方法と、ドキュメントページ上でアイテムを編集する方法の2つがあります。

以下は、親ページ(マスターページ)上で編集する方法の手順です。

1.編集したい親ページ(マスターページ)を選択・クリック

ページパネルで、編集したい親ページ(マスターページ)を選択・クリックします。

2.親ページ(マスターページ)の編集画面へ移動

編集したい親ページ(マスターページ)を選択・クリックすると、親ページ(マスターページ)を編集する画面へ遷移します。

3.選択ツールなどでオブジェクトを選択し編集

親ページ(マスターページ)を編集する画面上では、自由に親ページアイテム(マスターページアイテム)を編集可能です。親ページ(マスターページ)にも、レイヤー設定がありますので、まずはレイヤーパネルを開いて編集したいオブジェクトのレイヤーにロックがかかっていないかチェックしましょう。

編集したいオブジェクトが配置されているレイヤーにロックがかかっていないことが描き人できたら、通常のドキュメントページを編集するのと同じように、選択ツールなどで編集したいオブジェクトを選択します。

テキストを編集する場合は、選択ツールなどで選択後に文字ツールを選択し、オブジェクトのフレーム内をクリックします。フレーム内をクリックすると文字入力のカーソルが表示されるので、テキストを編集します。

上の画像のように、「chapter」だったテキストが「section」に置き換わりました。

この変更は、親ページ(マスタページ)を適用している全ドキュメントページに反映されます。

ドキュメントページ上で編集する方法

次に、ドキュメントページ上で親ページアイテム(マスターページアイテム)を編集する方法の手順です。

1.オーバーライドに必要なボタンを押しながらオブジェクトをクリック

前述のように、親ページで設定したアイテムは、ドキュメントページ上では基本的に編集できません。ドキュメントページ上で親ページアイテムを編集したい場合は、オーバーライドという機能を使う必要があります。

Macの場合は、Commandキー+Shiftキーを押しながら編集したいオブジェクトをクリック、Windowsの場合はCtrlキー+Shiftキーを押しながら編集したいオブジェクトをクリックすることでオーバーライドができます。

2.選択後にオブジェクトを編集する

オーバーライドを行うと上の画像のように、オブジェクトが選択・編集できるようになります。

テキストの場合は、選択したオブジェクトのフレームを文字ツールでクリックします。フレーム内をクリックすると、文字カーソルが表示されて文字が入力・編集可能になります。

ここでは、chapterの番号を1から2へ変更してみました。

この変更は、オーバライドで編集したドキュメントページのみに反映されます。

まとめ

InDesignを実際の業務で使いこなしていくには、親ページ(マスターページ)の知識・スキルが必須になります。冊子ものをデザイン・編集していく上で重要な統一されたデザインとページネーションの関係についても、親ページ(マスターページ)の設定・編集方法を知ることで理解が深まります。

また、作業効率をアップさせるためにも必要不可欠な機能になりますので、本記事を参考にしてしっかりと使い方を身につけておきましょう!

最後までお読みいただきましてありがとうございます。ご意見・ご要望などございましたら、
以下のフォームよりお問い合わせを受けつけておりますので、よろしければご利用ください。

この記事がお役に立ちましたら、"いいね!"をお願いします
minwebの最新情報をお届けします

minweb編集部(株)セルリア

”共に考え、共に創るWebの成功戦略”というスローガンのもと、お客様と一からWeb戦略を考え、
企画し実装まで支援する伴走型Webコンサルティング会社です。

こちらの記事をお読みのかたにおすすめ!完全無料のダウンロード資料

Googleサーチコンソール使い倒し活用術  <AOHON>

ダウンロード資料画像

Googleの検索エンジンに関する情報を幅広く確認できるツール「Googleサーチコンソール」の活用方法をまとめました。新サーチコンソールの機能を網羅的に紹介するだけでなく、Webサイトを最適化できる実践的な方法までわかりやすく解説します。

サーチコンソール初心者の方が知りたい導入方法から、上級者向けのコンテンツ改善の方法まで、押さえておきたい要素を1つに集めた、SEOに力を入れたいすべてのWeb担当者におすすめの一冊です。