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記事タイトルIllustratorでトンボ(トリムマーク)を作成する方法
記事URLhttps://digitor.jp/textbook/illustrator_trim-mark/
記事タイトルIllustratorでトンボ(トリムマーク)を作成する方法
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POINTこの記事をざっくり言うと
トンボ(トリムマーク)とは裁断位置をわかりやすくする場所
トンボの使い分けは印刷物を作成するのに必須
本記事では、Illustratorでトンボ(トリムマーク)を作成する方法を解説します。
トンボ(トリムマーク)とは
トンボ(トリムマーク)とは、印刷物を指定の仕上がりサイズで裁断する工程で必要な裁ち位置の目印となるマークのことです。トンボは、印刷所やプリントサービスに原稿を入稿する場合は必須となる知識です。
上の図のようにトンボに沿って裁断すると、天・地・のど、といった紙の端の部分までしっかりと背景色が入った印刷物が作成できるのです。
後述しますが、印刷データとして納品する際には、トンボを目印にしてアートボードの塗りたし範囲に留意した製版データを作成しなければいけません。
トンボを作成する機能は、DTPソフトであったら必ず搭載されています。今回は、Illustratorでトンボを作成する方法について説明します。
トンボの種類
最初に、画像と表でトンボの種類を説明します。
上の画像が角トンボ〔内トンボ・外トンボ〕、センタートンボ、塗りたし(ドブ・裁ち代)の例です。
上の画像が、折トンボの例です。
名称 |
説明 |
内トンボ |
仕上がりサイズの確認、裁断時の目印のためのトンボです。
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外トンボ |
印刷工程に必要な塗りたし(ドブ)の目印となるトンボです。
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角トンボ |
内トンボ、外トンボを合わせて角トンボと呼びます。
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センタートンボ |
製版や印刷工程における印刷物の天地・左右の中央の位置を示すトンボです。
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塗り足し |
印刷工程で印刷物を裁断する際に、実際の仕上サイズと僅かにズレが生じたとしても、用紙の色が出ないように余分にオブジェクトを置いておかなければいけないエリアです。「ドブ」「裁ち代」と呼ばれることもあります。
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折トンボ |
パンフレットや三つ折りリーフレットなど、折り位置がある印刷物に設置しておく折り位置を示すトンボです。
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トンボの種類は、印刷物を取り扱う際の基本知識ですので、なるべく覚えておくようにしましょう。
トンボを作成する方法
ai形式(イラストレーターファイル)で入稿する場合
1.仕上サイズと同じ四角形を作成
画面左側にあるツールバーから「長方形ツール」を選択し、仕上サイズと同じ四角形を作ります。ここではA4サイズ・横の仕上げサイズに設定したいので、縦297mm×横420mmに設定します。また、仕上サイズの四角形の線と塗りは「なし」に設定します。
2.トリムマーク(トンボ)を作成する
画面上部にあるメニューバーからオブジェクトをクリックし、「トリムマークを作成」を選択します。
3.トリムマーク(トンボ)を確認する
「トリムマークを作成」を選択すると、上の画像のようにトリムマーク(トンボ)が作成されます。
4.アートボードのサイズを調整する
このままだとトンボがアートボードに含まれていませんので、アートボードのサイズを調整します。画面左側にあるツールバーからアードボードツールを選択しましょう。
アードボードツールを選択すると表示される画面上部のコントロールパネルにあるアートボードのサイズを設定する欄をクリックし「オブジェクト全体に合わせる」を選択します。
上の画像のように、トンボも含めたアートボードのサイズになりました。
効果でトンボを作成する方法
1.効果から「トリムマーク」を選択する
Illustratorには、もう一つ効果メニューからトリムマーク(トンボ)を作成する方法があります。以下に説明します。
仕上がりサイズの四角形を選択した状態で、画面上部にあるメニューバーから効果をクリックし、「トリムマーク」を選択します。
2.トリムマーク(トンボ)を確認する
上の画像のように、トンボが作成されています。
PDF形式で入稿する場合
デジタルでの印刷技術の向上により、近年はAiファイルでの入稿よりもデータサイズが軽くソフトやフォントの互換性を気にする必要がないPDF入稿が推奨されることが多くなってきました。
Aiファイルのように印刷所のほうでネイディブデータの原稿を修正するといった作業はできませんが、その分安価な価格設定になっていることが多いです。以下に、PDF形式で入稿する場合のトンボの作成方法について説明します。
1.仕上がりサイズとアートボードサイズを一致させる
PDF形式で入稿する場合は、仕上がりサイズとアートボードサイズをピッタリと一致させるように調整します。
A4、B4。ハガキサイズといった定型の製作物は、アートボードツールのコントロールパネルから各定型サイズを選択します。オリジナルのサイズの場合は変形パネルで数値を入力し仕上がりサイズの値を入力しましょう。
2.「別名で保存する…」を選択
画面上部にあるメニューバーからファイルをクリックし、「別名で保存する…」を選択します。
「別名で保存する…」を選択せずに、通常の保存を行ってしまうと、今まで作成したオリジナルのaiファイル(Illustrator用のファイル)がPDF形式に変換されてしまいますので注意しましょう。
3.PDF形式で保存する
「別名で保存する…」を選択すると、名前、タグ、保存先の場所、ファイル形式などを入力・設定するモーダルウィンドウが表示されます。
このウィンドウにあるファイル形式の設定欄から、「Adobe PDF(pdf)」を選択して「保存」ボタンをクリックします。
4.PDFの形式を選択する
「保存」をクリックすると、PDFの形式を選択するモーダルウィンドウが表示されます。ここにある準拠する規格という欄からPDF/Xという印刷用途向けの規格を選択します。PDF/Xは、PDF/X-1a、PDF/X-3、PDF/X-4といったバージョンがあります。
どのバージョンを選択するのが良い良いかはデータを入稿する印刷所やプリントサービスに確認してみましょう。最新のバージョンのPDF/X-4が推奨されますが、印刷所の機器によっては最新のバージョンには対応していない場合もあり得ます。
どのバージョンで入稿すれば良いかわからない場合は最も普及しているフォーマットであるPDF/X-1aにしておきましょう。
5.「トンボと裁ち落とし」の設定を行う
PDFの形式を選択するモーダルウィンドウ左側にあるメニューから「トンボと裁ち落とし」を選択します。この設定画面で「トンボ」の項目にあるチェックボックスにチェックを入れます。
また、裁ち落としの設定欄で天・地・左・右の裁ち落としサイズを3mmに設定します。各項目の入力・設定が終わったら「PDFを保存」をクリックします。
3.PDFビューアーでトリムマーク(トンボ)を確認
出力したPDFにトンボが入っているか確認しておきましょう。PDFビューアーで開けばトンボを確認することができます。ここではAdobe Acrobat Proでプレビューしてみます。上の画像のようにトンボが入っていることが確認できました。
トンボを解除・削除する方法
トンボの削除方法についても確認しておきましょう。
トンボの削除
Aiファイルで作成したトンボを削除する場合は、レイヤーパネルを開き、トンボが配置されているレイヤーを選択して削除ボタンをクリックします。トンボのレイヤーはロックをかけている場合が多いので、レイヤーにロックがかかってないか確認しましょう。
このように、削除や非表示に対応しやすいように、トンボはトンボ単独でレイヤーを作成しておくようにしましょう。
レイヤーのロックが解除されているのに削除できない場合は、オブジェクト自体にもロックがかかっている可能性があります。メニューバーからオブジェクトを選択し、「すべてをロック解除」を選択してロックされていないか確認してみましょう。
「効果メニュー」でつけたトンボの削除
「効果メニュー」でつけたトンボの削除する場合は、画面上部メニューバーからウィンドウをクリックし、「アピアランス」を選択します。
「アピアランス」を選択するとアピアランスパネルが表示されます。「効果メニュー」からトンボを作成した場合は、ここに「トリムマーク」という項目がありますので、これを選択し削除します。
PDFに入っているトンボの削除方法
PDFで作成したトンボを削除する場合は、PDFを編集可能なソフトを用います。ここではAdobe Acrobat Proはを用いてトンボを削除します。Adobe Acrobat Proの操作画面左側に「PDFを編集」という項目があるのでこれをクリックします。
画面上部にあるツールバーの下に「PDFを編集」というパネルが表示されます。ここにある「ページをトリミング」をクリックします。
トリミング範囲を選択できるので、オブジェクトのサイズにおおよそ近いサイズの範囲を選択します。選択後、トリミング範囲をダブルクリックします。
トリミング範囲をダブルクリックすると、「ページボックスを設定」というモーダルウィンドウが開きます。ここの「余白の制御」という欄で「トリミングサイズ」を選択し、上(天)・下(地)・左・右の値を12.7mmに指定します。入力が終わったら「OK」をクリックします。
上の画面のようにトンボが削除されたPDFが作成できました。
トンボのプリントアウト
トンボを表示してプリントアウト
画面左側にあるツールバーからアートボードツールを選択します。次に画面上部のアートボードのコントロールパネルから、アートボードのサイズを設定できる欄にある「オブジェクト全体に合わせる」という項目を選択します。
「オブジェクト全体に合わせる」を選択すると、画面上部にあるメニューバーからファイルをクリックし、プリントを選択します。プリントを選択すると上の画面のようなプリントの設定を行うモーダルウィンドウが表示されます。
このウィンドウ左側のメニューから「トンボと裁ち落とし」を選択します。トンボの欄から、トンボの項目のチェックボックスにチェックを入れます。
上の画像では、トンボ以外のその他印刷に必要な情報をすべて出力する「すべてのトンボとページ情報をプリント」にチェックを入れています。各項目の設定が終わったら「保存」をクリックするとトンボが入った状態でデータがプリントアウトできます。
トンボを表示せずにプリントアウト
トンボを表示せずにプリントアウトしたい場合は、アートボードのサイズを調整して仕上がりサイズに一致させます。
このデータはA4サイズ・横のアートボードなので、アートボードツールのコントロールパネルから定型サイズのA4を選択します。オリジナルのサイズの場合は、カスタムから数値を入力してサイズを合わせます。
まとめ
紙メディアが衰退しWebメディアが興隆していく中で、DTPデザインの実務経験がないデザイナーや編集者も増えてきています。DTPの知識やスキルはWebと同様に非常に専門的で、特に印刷に関する知識不足は納品トラブルにもつながります。
トンボの作成方法はグラフィックデザイナーであれば基本の知識ですが、Webメディアから実務経験を積んだデザイナーや編集者にとっては、今さら聞きづらい内容かもしれません。本記事を参考にしてトンボの作成方法についてマスターしておきましょう。
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