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Illustratorでマンガ風の吹き出しを作成する方法

デザインを作る際キャラクターに吹き出しをつけたり注目してもらいたい情報に吹き出しをつけて強調したりすることがあります。Illustratorでは吹き出しをつけることができるのでその方法を解説します。

カテゴリ: Illustrator

キャラクターにセリフをつけたり、注目の情報をピックアップするときなど、ビジネス上の制作物においてマンガ風の使われる吹き出し(ふきだし)を使いたい場面は数多くあります。そこで、本記事ではIllustratorを使ってマンガ風の吹き出しを作成する方法を、入門編・初級編・中級編・上級編に分けて解説します。

【入門編】 楕円形の吹き出し

楕円形の吹き出し

1.楕円形ツールで楕円形を作成する

入門編はもっともポピュラーな吹き出しである楕円形の吹き出し作成方法を解説します。画面左側にあるツールバーから楕円形ツールを選択して、楕円形を作成しましょう。

2.ペンツールで三角形を作成する

次に、ツールバーからペンツールを選択して、吹き出しのしっぽになる三角形を作成します。しっぽ用の不等辺三角形は多角形ツールから三角形を作るよりもペンツールから作成したほうが簡単です。

3.パスファインダーのウィンドウを開く

画面上部にあるメニューバーからウィンドウをクリックし、「パスファインダー」を選択します。

4.複合シェイプを作成

「パスファインダー」パネルが開くので、パネル右上にあるオプション項目を表示させるハンバーガーメニューのアイコンをクリックします。表示されたオプション項目の中から「複合シェイプを作成」を選択します。

5.上層のレイヤーを作成しテキストを入力

複合シェイプを作成すると、楕円形と三角形が一つのオブジェクトになります。上層のレイヤーを作成しテキストを入力すれば、楕円形の吹き出しの完成です。

同じような流れで、長方形ツールを選択して三角形と複合シェイプを作成すれば長方形の複合シェイプが作成できます。

最新のバージョンでは、コーナーウィジェットというアンカーポイントのような二重丸が四隅に表示されますので、これを選択してオブジェクト内側にドラッグすると簡単に角丸が作成できます。角丸と三角形で複合シェイプを作成すれば上の画像のような角丸の吹き出しが作成できます。

[補足情報・1] 曲線のしっぽの作り方

吹き出しのしっぽは、直線的な三角形だけでなく、三日月の半分下をくっつけたような曲線のしっぽのもよく見かけますよね。この曲線のしっぽの作成方法を以下に紹介します。いくつか方法がありますが、今回紹介する方法はとても簡単です。

1.メニューバーから「アピアランス」を選択

画面上部にあるメニューバーからウィンドウをクリックし、表示されたメニュー項目の中から「アピアランス」を選択します。

2.特殊効果の設定パネルを表示させ「ワープ」の「下弦」を選択

「アピアランス」を選択すると、アピアランスが設定できるパネルが表示されます。吹き出しのしっぽを選択した状態で、パネル下部にある「fx」という文字が書かれたアイコンをクリックし、特殊効果の設定パネルを呼び出します。特殊効果のメニューにある「ワープ」から「下弦」を選択します。

3.ワープオプションの項目を調整

「ワープ」から「下弦」を選択すると、ワープオプションを設定できるパネルが開きます。各項目を調整して「OK」をクリックすると、吹き出しのしっぽが曲線になります吹き出しを設置する箇所によっては「上弦」を選択して向きを変えてみましょう。

4.ワープオプションの項目を調整

パスファインダーを開いて、複合シェイプを作成します。

5.上層のレイヤーを作成しテキストを入力

上層のレイヤーを作成しテキストを入力すれば、しっぽが曲線の吹き出しの完成です。

【初級編】 雲形・トゲトゲ形・少し膨らんだ楕円形の吹き出し

雲形の吹き出し

1.複数の楕円形を重ね合わせて複合シェイプを作成

初級編は楕円形の吹き出しの作成の応用編である雲形の吹き出し作成方法を説明します。楕円形ツールを使って、楕円形を複数作成し重ね合わせます。楕円形はすきまなく重ね合わせましょう。しっぽの三角形も重ねたらパスファインダーで複合シェイプを作成します。

2.上層のレイヤーにテキストを入力

上層のレイヤーを作成し、テキストを入力します。上の画像のように雲形の吹き出しが作成できました。

トゲトゲ形の吹き出し

1.トゲトゲのシェイプを作成して複合シェイプを作成

初級編としてもう一つトゲトゲ形の吹き出しの作成方法も説明します。ペンツールを使って、トゲトゲ形のシェイプを作成します。しっぽ用のシェイプも重ねたらパスファインダーで複合シェイプを作成します。ここでは、しっぽもペンツールでトゲトゲにしてみました。

2.上層のレイヤーにテキストを入力

上層のレイヤーを作成し、テキストを入力します。上の画像のようにトゲトゲ形の吹き出しが作成できました。

雲形やトゲトゲ形が作成できるようになれば、マンガでよく用いられる吹き出しの大半は作成できるようになります。例えば、上の画像のように、楕円を2つ重ね合わせれば、2つの楕円がくっついた吹き出しが作成できます。

[補足情報・2] 少し膨らんだ楕円形の作り方

フリーハンドで描かれた吹き出しは、ペイントツールの楕円形ツールで描かれた楕円形よりも、少し膨らんだものも、よく見かけます。以下は少し膨らんだ楕円形の作成方法です。

1.ダイレクト選択ツールで楕円形のアンカーポイントをクリック

画面左側にあるツールバーからダイレクト選択ツールを選択して、作成した楕円形のアンカーポイントをクリックします。

2.アンカーポイントから出るハンドルを伸ばす。

アンカーポイントを選択すると、ハンドルというバーが表示されます。このハンドルの端のポイントをドラックして伸ばすと、楕円形が少し膨らみます。

3.上層のレイヤーにテキストを入力

すべてのアンカーポイントのハンドルを伸ばしていくと、少し膨らんだ楕円形が出来上がりました。上層のレイヤーを作成しテキストを入力すれば、上の画像のような少し膨らんだ楕円形の吹き出しが完成します。

【中級編】 叫ぶ表現で用いられる&機械の音声などで用いられる吹き出し

叫ぶ表現で用いられる吹き出し

1.ペンツールで多角形を作成

中級編は叫ぶ表現でよく用いられる吹き出しの作成方法を説明します。画面左側にあるツールバーからペンツールを選択し、多角形を作成します。

2.アンカーポイントツールを選択

ツールバーからアンカーポイントツールを選択します。アンカーポイントツールが表示されてない場合は、ペンツールのアイコンを長押しするとアンカーポイントツールが表示されます。

3.アンカーポイントツールで多角形の辺をシェイプの内側へドラッグ

アンカーポイントツールで多角形の辺を選択して、シェイプの内側へドラッグします。

4.多角形の辺すべてを曲線にする

多角形のその他の辺も内側にドラッグして、すべてを曲線にしていきます。

5.上層のレイヤーにテキストを入力

上層のレイヤーを作成して、テキストを入力します。上の画像よう、アウトライン化したテキストに特殊効果を加えるとよりマンガらしい吹き出しが作成できます。その他にも「ガーン!」「シーン」といったオノマトペのテキストをフリーハンドで作成して吹き出しに入れてみるなど、いろいろ工夫してみましょう。

機械の音声などで用いられる吹き出し

1.ペンツールで多角形を作成

中級編としてもう一つ、機械の音声や電話での会話などによく用いられる吹き出しの作成方法を解説します。画面左側にあるツールバーからペンツールを選択し、多角形を作成します。

2.アンカーポイントの近くに2つアンカーポイントを追加

それぞれのアンカーポイントの近くに、アンカーポイントを2つ追加します。アンカーポイントはペンツールで、線をクリックすると追加されます。

3.真ん中のアンカーポイントをシェイプの内側にドラッグ

3つ並んだポイントのうち、真ん中のアンカーポイントをシェイプの内側にドラッグします。

4.上層のレイヤーにテキストを入力

すべての真ん中のアンカーポイントをシェイプの内側にドラッグしたら、しっぽと組み合わせて複合シェイプを作成します。上層のレイヤーを作成し、テキストを入力したら、上の画像のような機械の音声などで用いられる吹き出しが完成しました。

[補足情報・3] 線を変更することで表現バリエーションを増やす

吹き出しの線を、ブラシツールを使って変更してみましょう。かすれた線や、筆などに線を置き換えれば、様々な吹き出しのバリエーションが作成できます。

【上級編】 フラッシュ吹き出し・ベタフラッシュ吹き出し・少女漫画風の吹き出し

フラッシュ吹き出し

1.複数の直線を引き効果線を作成

上級編では、心で思ったことなどでよく使われるフラッシュ吹き出しの作成方法を解説します。フラッシュ吹き出しを作成するには、まずブラシを作成します。ペンツールか直線ツールを使って、複数の直線を引き効果線を作成しましょう。

2.可変線幅プロファイルから「入り」と「抜き」が表現できる線幅を選択

画面上部にあるコントロールパネルにある可変線幅プロファイルをクリックすると、線幅を変えられるパネルが表示されます。Gペン、丸ペンといったマンガで使うペンには、「入り」や「抜き」といった線の強弱があります。マンガで用いられる効果線は、この「入り」や「抜き」がスピード感や勢いなどの効果を加えていきます。

すべての直線を選択した状態で、デフォルトで予め用意されている線幅の中から、この「入り」や「抜き」が表現できる線幅を選択します。

3.右端の直線の線のカラーを「なし」に設定

ブラシにする際、繰り返される部分に重複が生じ、線が太くなってしまう箇所があります。これを避けるために、ブラシ用に作成した直線の一番右側の直線の線のカラーを「なし」に設定します。

4.新規プラシを作成

線のカラーを「なし」にした右側の直線も含めて、すべての直線を選択し、ブラシパネルのオプション項目をクリックします。ここではコントロールパネル上にあるブラシ欄からブラシパネルを表示させましたが、メニューバーのウインドウから「ブラシ」を選択することでもパネルは表示されます。

パネル右上のオプション項目をクリックして表示される項目の中から「新規ブラシ」を作成します。

5.パターンブラシを選択

「新規ブラシ」を選択すると、新規ブラシの設定パネルが表示されるので「パターンブラシ」を選択します。

6.パターンブラシオプションを設定

「パターンブラシ」を選択すると、パターンブラシオプションを設定するパネルが開くので、各項目を入力・設定して、パネル右下にある「OK」ボタンをクリックします。これで新規ブラシが作成できました。

7.作成した楕円形に作成したブラシを選択

次に楕円形ツールで楕円形を作成します。作成した楕円形を選択した状態で、ブラシパネルを開き、先ほど新規作成したブラシを選択します。

8.「選択中のオブジェクトのオプション…」を選択

上の画像のように楕円形の線がブラシに置き換わりました。このままだとふきだしの内部が小さすぎるので調整します。ブラシパネルのオプション項目をクリックすると「選択中のオブジェクトのオプション…」という項目があるので、これを選択します。

9.ストロークオプションの各項目を調整

「選択中のオブジェクトのオプション…」を選択すると、パターンブラシ用のストロークオプションを設定するパネルが表示されます。各項目を調整したら、パネル右下の「OK」をクリックします。ここではブラシのサイズを40%に縮小させます。

10.上層のレイヤーにテキストを入力

ブラシのサイズを40%に縮小させると、上の画像のようにちょうどよいフラッシュふきだしになりました。上層のレイヤーにテキストを入力すれば完成です。

ベタフラッシュ吹き出し・少女漫画風の吹き出し

1.ブラシを作成する

フラッシュ吹き出しの作成方法と同様の方法でブラシを作成することで、様々な吹き出しが作成可能です。

2.上層のレイヤーにテキストを入力

楕円形ツールの線を作成したブラシに置き換えれば、上の画像のようにベタフラッシュ吹き出しや少女漫画風の吹き出しも作成できます。

まとめ

吹き出しを作成する方法を覚えておけば、マンガの作成だけでなくQ&A形式の記事を作成する際や、ユーザーに注目してほしいときなどにも役立ちます。マンガ的な表現は受け手にもわかりやすく、とても人気のあるスタイルなので、ポスター、パンフレットなどでも広く用いられています。

また、Webでは楕円形や長方形などの簡単なものについてはcssで吹き出しを作成する方法が近年主流となっていますが、本記事で紹介したような雲形、トゲトゲ形、叫び声で用いられる吹き出しといった複雑なオブジェクトから作成されている吹き出しについては、Illustratorで作成する方が簡単です。

本記事を参考にして、吹き出しの作成方法をマスターしておきましょう!

最後までお読みいただきましてありがとうございます。ご意見・ご要望などございましたら、
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