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【Googleアナリティクス】複数ドメインの計測ができるクロスドメイントラッキングの使い方

クロスドメイントラッキングは、ECサイトでカートや問い合わせページが別ドメインになっている場合や複数ドメインで構成されたサイトのレポートをまとめて見たい場合に便利な設定です。設定方法・設定後の影響などをまとめます。

Googleアナリティクスでは、ドメインごとにアクセスが計測される仕組みになっています。 そのため、ECサイトでカートや問い合わせページが別ドメインになっている場合や複数ドメインで構成されたサイトのレポートをまとめて見たい場合に、正確なレポートを作成することができず、困っているという方もいるかと思います。

しかし、「クロスドメイントラッキング」を使用すれば、複数のドメインで構成されたWebサイトのアクセスを正確に計測できるので、その方法を解説します。

クロスドメイントラッキングとは

クロスドメイントラッキングとは、複数のドメインで構成されているWebサイトのユーザーアクセスを正確に計測するための設定です。 クロスドメインとは、一つのWebサイトが複数のドメインで構成されている状態を指します。

どういう場合にクロスドメインが使用されるか

クロスドメイントラッキングの設定が必要になるのは以下のような場合です。

●1つのサイトのなかにドメインが複数ある

ページやコンテンツによってドメインは異なるものの、1つのサイトとして扱っている場合、クロスドメイントラッキングの設定が必要です。

●同じユーザーが行ききするような複数サイトを管理している 例えば、会社自体の公式サイトとECサイトのドメインが異なる場合に両方のサイトのユーザーの動きを把握したい場合などは、クロスドメイントラッキングが便利です。

●ECサイトを経営していて、ショッピングカートASPサービスを利用している ASPなどのレンタルサービスを利用している場合、商品ページとショッピングページ、ショッピングカートと購入完了ページでそれぞれドメインが異なるのでクロスドメイントラッキングトラッキングで計測します。

クロスドメイントラッキングではトラッキングコードをカスタマイズ

Webサイトのアクセス解析をおこなう場合、通常であればGoogleアナリティクスにより発行されたトラッキングコードをコピーし、対象のページに貼り付けるだけで計測がスタートします。

しかし、クロスドメインの場合、複数のドメインを1つのサイトとする必要があるため、トラッキングコードをカスタマイズする必要があります。

クロスドメイントラッキングの設定

クロスドメイントラッキングを設定するには、以下の手順が必要です。 ①プロパティを新規作成する ②トラッキングコードをカスタマイズする ③レポートビューにフィルタを追加してドメイン名を表示させる ④目標設定を変更する ⑤カスタマイズしたトラッキングコードを貼る

プロパティを新規作成する

クロスドメインのトラッキングをおこなうためのプロパティを作成します。 プロパティは「管理」→「プロパティの作成」からおこないましょう。

アナリティクスへの登録が済んでいない場合は、以下のページを参考にしてGoogleアナリティクスへ登録してください。

【最もやさしい】Googleアナリティクスの登録方法・初期設定

トラッキングコードをカスタマイズする

すでにアナリティクスへメインサイトを設定している場合は、発行されているトラッキングコードの一部を変更します。

トラッキングコードは「管理」→「プロパティ」→「トラッキング情報」→「トラッキングコード」から確認します。

グローバルサイトタグの部分がトラッキングコードになっており、UAで始まるIDがトラッキングIDです。

通常であれば、このコードをWebサイトに貼りますが、クロスドメイントラッキング を利用する際は、トラッキングコードをコピーし、テキストエディタやメモ帳に貼り付けて下記のように記述を書き換えます。

example1.comは、メインとなるドメイン、example2.comはもう一つのドメインです。 ドメインが3つ以上ある場合にはカンマ(’)で区切ってドメインを追加します。 書き換えが完了したら全てのページのタグを変更します。

●変更後のコード(コピーしてお使いください)

このように変更を行うことで、ドメインの異なるリンクを検知するとGoogleアナリティクスが自動的にドメイン遷移のために必要な情報を付加してデータを計測します。

レポートビューにフィルタを追加してドメイン名を表示させる

通常の設定のままでは、管理画面上に表示されるデータにはドメイン名が含まれず、二つ以上のドメインを計測する場合どのドメインのページなのかを判別できません。 管理画面上にドメイン名を表示させるための設定を行うことが必要です。

まず、Googleアナリティクスの左メニューにある「管理」→「ビュー」→「「フィルタ」を選択。 [+フィルタを追加]から新規のフィルタを作成します。

フィルタ情報を入力します。 ●フィルタ名・・・後から確認しやすい名称を設定 ●フィルタの種類・・・「カスタム」→「詳細」

フィールドAはプルダウンから「ホスト名」を選択し、「(.*)」と入力します。 フィールドBにはプルダウンから「リクエストURL」を選択し、「(.*)」と入力します。

出力先にはプルダウンから「リクエストURL」を選択し、「$A1$B1」と入力します。

続いて、フィールドAは必須、フィールドBは必須、出力フィールドをオーバーライドにチェックを入れます。 最後に「保存」をクリックで完了です。

参照元除外リストへドメインを追加する

ユーザーが異なるドメインに移動した場合、元々の設定の状態であると移動する前のサイトが参照元としてレポートに記録されてしまいます。 そのため、複数のドメインにまたがって閲覧しているユーザーの行動を正確に計測するには参照元を除外します。

「管理」→「プロパティ」→「トラッキング情報」→「参照元除外リスト」をクリック。

「+参照の除外を追加」をクリックして、ドメインを追加します。 「参照トラフィックからこのドメインを除外」という表示の下の枠に除外したいドメインを入力し「作成」をクリックすれば完了です。

クロスドメイントラッキングの設定をした場合には、複数のドメインを登録する必要があります。その際、一つずつを入力していきます。

クロスドメイントラッキングが正しく設定されているか確認する方法

リアルタイムレポートで確認する

Googleアナリティクスのレポートを開き、「リアルタイム」をクリックし「コンテンツ」を選択。 クロスドメイントラッキングを設定した全てのドメインが表示されていることが確認できたら正しく設定することができています。

URLにパラメータが追加されているかを確認する

クロスドメイントラッキングでは、ドメイン間のリンクURLに「_ga」パラメータが自動で追加されます。 「_ga」パラメータが追加されていれば、クロスドメイントラッキングの設定ができています。

クロスドメイントラッキングの注意点

参照できなくなるレポートがある

クロスドメイントラッキングを利用すると、「ページ解析」と「ページへリンクするアイコンからのページ遷移」のデータをレポートに表示することができなくなってしまいます。

注意深くレポートを確認する必要がある

各ドメインのページにトラッキングコードを埋め込むだけでもレポートには数値が計測されます。しかし、ドメイン間のリンク設定がうまく作動できていないとレポートに表示される「セッション数」「直帰率」「参照元」などの数値が正確に取得できません。

レポートで数値が計測できているからといって、設定が完了しているとは判断せず、細かい数値を確認することが必要です。

クロスドメイントラッキング設定が必要かしっかりと検討する

クロスドメイントラッキングを設定する作業は負担が大きいため、本当に必要である場合にのみ設定することをおすすめします。

よく検討せず導入してしまうと使いこなすことができなかったり、かえってデータが見えにくくなってしまったり、逆効果になってしまうこともあります。

ドメインによって、ターゲットが異なっていないか、サイトごとのデータは見えにくくならないか、などクロスドメイントラッキングを導入する前に検討することが必要です。

クロスドメインを設定する前に知っておくべきこと

●セッションが増える 複数のドメインを持つサイトがトラッキングコードを設定していない場合、Googleアナリティクス上では別のサイトであると認識されてしまいます。ドメインごとにセッションが数えなおされるため、通常よりセッション数が増える傾向があります。

●PV数は少なくなる 複数のドメインを持つサイトは、セッション数を通常より多くカウントする一方で、ウェブサイト内のページの開かれた回数を指すPV数は通常通りカウントされます。そのため1セッションあたりのPV数が少なくなる可能性があります。

●直帰率が高くなる Googleアナリティクスに違うサイトであると見なされる複数のドメインを行き来した場合、その遷移が直帰数としてカウントされてしまいます。 ユーザーにとっては1つのサイトだとしてもアナリティクス上は別ドメインのサイトなので、直帰率が高くなります。

●参照元の指標に外部サイトが多くなる 検索エンジンからアクセスされたページの参照元は検索エンジンですが、遷移した先のページの参照元は直前に開いたページと判断さます。そのため、参照元の指標に外部サイトからの流入が多くなります。

クロスドメインを設定することができないケース

GETパラメータが無効である場合

ショッピングカートASPなどのレンタルサービスを利用している場合、GETパラメータが無効となっていることがあります。 GETパラメータ付与が有効かどうかはヘルプや窓口に問い合わせて確認することができます。

リンクがクリックされた際に自動でパラメータが付与されるよう設定しても、遷移先のURLにパラメータがついていないと別のユーザーとして記録されてしまいます。

リンクがアンカータグではない場合

別のドメインの遷移がformタグである場合、自動でパラメーターを付与されず別のユーザーとして記録されます。

フォーム入力ページとその後のページが別のドメインの場合に確認する必要があります。

まとめ

クロスドメイントラッキングを設定することで、複数のドメインを有するサイトであっても正確なレポートを作成することができます。 非常に便利な設定ですが、複数のドメインがあるからといって、設定しないほうが好ましい場合や設定することができない場合もあります。 十分に確認した上で設定しましょう。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。ご意見・ご要望などございましたら、
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minweb編集部(株)セルリア

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