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記事タイトルGoogleアナリティクスでアトリビューション分析する方法
記事URLhttps://digitor.jp/textbook/google-analytics-attribution/
記事タイトルGoogleアナリティクスでアトリビューション分析する方法
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POINTざっくりいうと
アトリビューション分析はユーザーがCVに至るまでの各接点の貢献度を測る分析
アトリビューション分析では適切なアトリビューションモデルを選択することが重要
アトリビューション分析の結果から最適な広告費用の分配ができる
みなさんは正確なCV(コンバージョン)分析ができていますか?
CVの数をチェックしたり、どこのページからCVが達成できたか確認したりすることは基本ですが、より正確なCV分析では、CVに至るまでのユーザーの経路までを分析することがとても大切です。
そこで、今回はユーザーとの各接点がそれぞれどのくらいCVに貢献しているか測るための「アトリビューション分析」についてご紹介します。
「アトリビューション分析」の意味や重要性、実際の分析事例などもまとめてご紹介しますので、より詳しいCV分析をしたいという方はぜひ参考にしてください。
アトリビューション分析とは
アトリビューション分析とは、あるCVに至るまでのユーザーとの全ての接点(チャネル)を評価対象とし、CVへの貢献度を数値としてより正確に評価する分析のことです。
ユーザーはCVに至るまでに、商品と様々な接点を持つでしょう。
例えば、洋服を買いたいユーザーAさんが、あるワンピースを買うまでの経路を考えます。
まず、Aさんはあるブログでたまたま見かけたワンピースのディスプレイ広告をクリックし、サイトを訪問したものの購入せずに離脱してしまいました。しかし、その後SNSでそのワンピースの口コミがシェアされているのを見て、さらに数日経ってから検索し直し、直接販売ページに訪問しそのワンピースを購入しました。
この時、通常の分析では、AさんがCVに至る直前に訪れた販売ページのみがCVに貢献していると判断しますが、実際そうとは限りません。もしも、ディスプレイ広告がなければワンピースをそもそも知ることがなかったかもしれませんし、SNSの口コミがなければワンピースを購入する決心ができなかったかもしれません。
そこで、CVに至るまでの全てのユーザーとの接点を評価対象に加え、より正しくCVへの貢献度を測ろう!という考えが反映された分析が「アトリビューション分析」というわけです。
アトリビューション分析が重要視されるようになった背景
アトリビューション分析が重要視されるようになった背景には「商品の選択肢の増加」と「スマホの普及」があります。
商品の選択肢が増加したこと
近年、商品やサービスが多様化し、ユーザーの選択肢が増えたことで、ユーザーは広告やSNS、ブログなど様々なメディアから多くの情報収集をしてから商品を購入するようになりました。そのため、一度広告をクリックしただけで商品を購入するユーザーは少なくなり、CVの貢献度を測るには直前の接点を分析するだけでは不十分となったのです。
スマホの普及
多くのユーザーにスマートフォンが普及し、そのおかげでユーザーはいつでもどこでも情報を収集できるようになりました。そのため、一度にまとめて情報を収集するというよりも、細切れなアクセスを何回も繰り返して商品を購入することが多くなり、CVが達成されるまでのユーザーとの複数の接点を分析することの重要性が増したのです。
Googleアナリティクスでアトリビューション分析をする方法
そもそも、CV分析をするためには、CVの意味や設定方法を理解している必要があります。CV(コンバージョン)の意味や目標の設定方法は以下のページで詳しくご紹介していますのでよければご覧ください。
コンバージョンとは?Google アナリティクスを利用するなら知っておきたい基礎知識
ここでは、Googleアナリティクスでアトリビューション分析をする方法について解説します。
Googleアナリティクスのアトリビューション分析機能「モデル比較ツール」とは
Googleアナリティクスでは、アトリビューション分析をするために「モデル比較ツール」と呼ばれる機能を使います。
モデル比較ツールとは、1度に3つまでの「アトリビューションモデル」(各チャネルのCVへの貢献度をどのように評価するかという枠組み)を比較することができるツールです。
例えば、CVを達成するまでの経路で最後にクリックされた広告と最初にクリックされた広告のどちらの貢献度を高く見積もるか、という基準をアトリビューションモデルで決めることができます。
Googleアナリティクスでは、デフォルトのアトリビューションモデルやカスタムモデルを選択することができます。このモデルについての詳細は後で説明します。
Googleアナリティクスのモデル比較ツールでアトリビューション分析をする方法
それでは、早速、Googleアナリティクスでアトリビューション分析をする方法についてご紹介します。
①まず、Googleアナリティクスのレポート画面で、「コンバージョン」→「マルチチャネル」→「モデル比較ツール」をクリックします。
※旧サーチコンソールでは「コンバージョン」→「アトリビューション」→「モデル比較ツール」と選択しましたが、新サーチコンソールでは「アトリビューション」の項目が削除され、代わりに「マルチチャネル」の下に「モデル比較ツール」が設置されるようになりました。
②すると、以下のような画面が表示され、各チャネルのCVへの貢献度を確認することができます。
ちなみに、上の画像は、Googleアナリティクスのデフォルトアカウントの、終点のアトリビューション分析の結果です。
例えば、画像から、ディスプレイ広告の終点のコンバージョン数は5件であることがわかります。
③モデル比較ツールでは、異なるアトリビューションモデルと比較することでさらに詳しいアトリビューション分析をすることができます。
異なるアトリビューションモデルを追加するには、「モデルを選択」をクリックし、追加したいモデルをクリックします。
Googleアナリティクスで追加できるアトリビューションモデルには以下のようなものがあります。
Googleアナリティクスのアトリビューションモデルの種類
・終点(ラストクリック)
CVに至るまでの経路で最後の接点に貢献度を割り当てるモデルです。顕在的なユーザーが最終的にどのチャネルからCVに結び付いたか測るのに便利です。
・起点(ファーストクリック)
CVに至るまでの経路で最初の接点に貢献度を割り当てるモデルです。潜在的なユーザーがどのチャネルから流入したのか測るのに便利です。
・線形
CVに至るまでの経路で発生した全ての接点に貢献度を均等に割り当てるモデルです。全ての接点を均等に評価し、どの接点が効果的であったかを測ることができます。
・減衰
CVに至るまでの経路で最後の方の接点により多くの貢献度を割り当てていくモデルです。短期的なプロモーションの効果測定などによく使用されます。
・接点ベース
起点と終点の接点に貢献度を40%ずつ、残りの20%はその中間の接点に均等に割り当てられるモデルです。線形と同様に全ての接点を評価しつつも、成果に対する入口と出口をバランスよく評価することができます。
・最後の間接クリック
ノーリファラー(参照元なし)を無視し、CVに至る直前の接点に貢献度を割り当てるモデルです。
・Google広告のラストクリック
CVに至るまでの経路で最後に接点を持ったGoogle広告に貢献度を割り当てるモデルです。
・カスタムのアトリビューションモデル
Googleアナリティクスでは、自分でアトリビューションモデルを作成して分析に使用することもできます。「終点」「起点」「接点ベース」などのデフォルトのモデルを選んだ後に、各接点に割り当てる貢献度を調節することもできます。
Googleアナリティクスにおけるアトリビューションモデルの選び方
アトリビューション分析の目的の1つは「広告費用の配分を見直すこと」です。そのため、ビジネスの戦略を踏まえた上で適切なアトリビューションモデルを選び、どのチャネルに広告費用をかけるべきかしっかり検討しましょう。
例えば、どんどんユーザーを増やして成長させたいと考えている商品・サービスであれば、ユーザーとの最初の接点を重要視する「起点」や「接点ベース」のモデルがおすすめです。CV達成直後の接点を評価するよりも費用対効果は悪くなりがちですが、商品を購入してくれる可能性のあるユーザーに多くアプローチすることができ、ブランドの認知や売上規模の拡大を狙うことができます。
また、逆に費用対効果を重視したい場合は、CVに至るまでの経路で最後の方の接点を重要視する「終点」や「減衰」のモデルがおすすめです。CVに近いユーザーを囲い込むことができるため、より確実に成果を増やすことにつながります。
他にも、検討期間が長い商品やサービスでは、何度もユーザーと接点を持つことが考えられるため、全ての接点を均等に評価する「線形」が重要視されるなど、販売形態やビジネスの戦略によって適切なモデルを選ぶことが大切です。
Googleアナリティクスにおけるアトリビューション分析の例
ここまで、Googleアナリティクスでアトリビューション分析をする方法について解説しましたが、よりわかりやすくなるよう例をあげて説明します。
まず、「Googleアナリティクスでアトリビューション分析をする方法」に則って、アトリビューション分析を行いましょう。
ここでは、「終点」「起点」「線形」の3つのアトリビューションモデルを選んで分析しています。また、プライマリディメンションでは「デフォルトチャネルグループ」を選択しました。
ここで、「Display」「Affiliates」「Paid Search」の3つのチャネルに注目してみましょう。
|
終点 |
線形 |
起点 |
Display |
4.00 |
4.67 |
3.00 |
Affiliates |
2.00 |
3.67 |
8.00 |
Paid Search |
1.00 |
1.65 |
5.00 |
例えば、「終点」だけに注目してみれば、「Paid Search」や「Affiliates」は「Display」に比べてあまりCVに貢献していないように見えますが、「起点」に注目すると逆に「Display」が一番貢献していないように見えます。
このように、アトリビューション分析を行う際は、選択したモデルによって結果が全く違うものになるということに注意してください。
分析すると、この3つのチャネルでは、CVに至る経路の中で、ユーザーの取り込みには「Affiliates」や「Paid Search」、ユーザーの最終購入には「Display」が大きく貢献していることがわかります。
また、「Display」は「線形」で特に高い貢献度があり、CVに至るまでの経路の入口や出口としての役割というよりも、ユーザーがCVを達成するまでユーザーとの接点を持ち続ける役割があることがわかりました。
これらの結果から、新規ユーザーを取り込み、認知や売上規模の拡大を狙いたい場合には「Affiliates」や「Paid Search」、より費用対効果を高めたい場合には「Display」に広告費用を投資しようという施策が考えられます。
今回は、わかりやすいよう3つのチャネルのみに注目して分析しましたが、実際にアトリビューション分析を行う際には全てのチャネルで吟味し、商品戦略や認知から購入までの検討期間の長さなども考慮しながらより効果的な施策を考えましょう。
Googleアナリティクスでアトリビューション分析をしてCVを増やそう!
Googleアナリティクスでは簡単なCV(コンバージョン)の分析だけでなく、CVに至るまでのユーザーとの全ての接点を評価対象とし、それぞれの接点がどれだけCVに貢献しているか評価する「アトリビューション分析」をすることができます。
アトリビューション分析では、各接点の評価について様々なアトリビューションモデルを用いることができ、CV直前のユーザーとの接点を評価する「終点」やCVに至る経路のうちユーザーとの最初の接点を評価する「起点」といったモデルなどがあります。
商品やサービスの検討期間や戦略などを考えながら、どのアトリビューションモデルで分析するか決定し、効果的な施策を考えられるようにしましょう。
今回学んだアトリビューション分析を実践し、CVや売上の増加を目指してみてください!
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