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記事タイトルカスタマージャーニーとは?顧客の多様化に伴う考え方の必要性
記事URLhttps://digitor.jp/textbook/customer-journey/
記事タイトルカスタマージャーニーとは?顧客の多様化に伴う考え方の必要性
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POINTざっくりいうと
カスタマージャーニー作成のメリット
カスタマージャーニーの作成方法
カスタマージャーニーはマーケティングに興味がある方なら一度は耳にした事のある言葉ではないでしょうか。
どのようなものかは知っているが何をもたらしてくれるのか、どの点に注意して作成すればいいのか分からないなど様々な疑問点があると思います。
今回はカスタマージャーニーの概要から作成のメリット、注意するポイントを紹介していきたいと思います。
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーとは、実際の顧客をもとに作成された人物像の動きや感情を時系列で表したものになり、直訳すると「顧客の旅」になります。
ペルソナの動きを理解する事でどのようなタイミングで情報に触れるのか、どのようなコンテンツに興味を持つのかなどを想定でき、適切なタイミングで適切な情報を与える事ができるようになります。
主要なメディアや購買方法、支払い方法が限られていた時代ではユーザーの動きは単調であり想定しやすいものでした。
しかし、現在のユーザーは様々なチャネルを横断しながら情報入手、購買行動を行っているため、ユーザーの行動が多様化してきています。
それらを人力で把握する事は難しく、困難を極めます。
しかし、テクノロジーの進歩により取得・分析できる情報量と質が増加し、顧客の行動を精度高く、見える化できるようになってきています。
さらに、マーケティングオートメーションツールの進化により顧客一人一人のニーズに合わせたマーケティング施策が行えるようになった事を受け、ユーザーの動きを想定できるカスタマージャーニーの作成は重要度が増してきました。
カスタマージャーニーのペルソナとは
ペルソナとは古典劇の「仮面」や心理学の「人間の外的側面・自分の内面に潜む自分」を意味しています。
カスタマージャーニーやマーケティングにおけるペルソナは企業がターゲットとするユーザーの架空のモデルのことを指します。
ペルソナと勘違いされやすのがターゲットです。
ターゲットは企業がターゲットとするユーザーの属性情報であり「30代・男性・年収500万」や「60代・女性・主婦」というように幅を持たせた情報です。
一方、ペルソナは現実社会で生きる一人の人物像を以下のように具体的に落とし込んでいきます。
BtoBとBtoC向けで作成するペルソナは若干異なりますが、ターゲットと違いより鮮明にターゲット像が見えてきます。
カスタマージャーニー作成のメリット
自社の商品・サービスを顧客目線で再確認できる
商品やサービスを作成・普及するには顧客目線が重要だと分かっていても、ビジネスの日常に揉まれていく中でどうしても売り手目線で物事を考えがちになります。
カスタマージャーニーの作成にあたっては、顧客の行動や情報、意識のリサーチが必要になります。
顧客に関する情報を集め、ペルソナを作成し、ペルソナの立場になって情報収拾から比較検討、購入、利用、廃棄に至るまでのプロセスを再度見直す必要性がでてきます。
この作業をすることによって、顧客側から見た改善ポイントや商品・サービスのアピールするべきポイントなど様々な気づきを得られます。
顧客目線で施策を考えられるようになる
顧客の行動を見える化する事で、顧客目線のマーケティング施策を考えられるようになります。
複雑化している顧客の行動をなんとなくで想定したマーケティング施策は効果が出る確度は低いだけでなく、顧客の行動を阻害するマーケティングになりかねません。
例えば通販サイトをリニューアルした際に、販売ページというタッチポイントだけを考えるのでは不十分です。
ユーザーがまとめサイトや情報番組、友人との会話、SNSなどの通販サイト以外のタッチポイントを経由している事を認識することで、どのようなサイト設計をするべきかが自ずと浮かび上がってくるはずです。
マーケティング活動における意思決定がスムーズになる
カスタマージャーニーを作成する際、マーケティング担当者だけでなく、営業、サポート、開発など組織全体で取り掛かります。
部門ごとのメンバーの時間を取ってしまうことになってしまいますが、ペルソナの体験を見える化するカスタマージャーニーマップを作成することの恩恵は大きく、その後、顧客の行動に対する共通認識が持てるようになり、施策の立案・検討がスムーズかつ精度高くできるようになります。
例えばステップメールのシナリオ作成する際も、カスタマージャーニーが理解できていれば、スムーズに作成できます。
段階ごとのKPIの明確化
カスタマージャーニーマップに基づいて検討されるマーケティング施策は「どの段階にいる顧客の、どのような課題を解決するか」という目的に乗っ取って行われます。
商品やサービスの認知を広げ興味関心を惹く段階では広告におけるインプレッションやPV数が重要視されるKPIですし、育成段階ではメール開封率やセミナー参加数が重要なKPIとして設定されるべきでしょう。
カスタマージャーニーはペルソナの行動を時系列で表したものであるため、カスタマージャーニーを参考にマーケティング施策を考えることで段階ごとのKPIを明確化することができます。
ブランド価値の向上
カスタマージャーニーは、顧客目線にたって自社の商品やサービスを認知する段階から購入するまでの顧客の体験を表したものです。
企業は想定されたタッチポイントでの顧客体験の向上に力を入れます。
これにより顧客体験の質が高まり、自社ブランドの価値の向上につながることが期待できます。
カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーの有効性を理解してきたところで以下の手順に法ってカスタマージャーニーマップを作成していきましょう。
ペルソナの設定
ペルソナの設定の際に注意しておくべき点があります。
ペルソナは「こんなお客さんだったらいいな」などの希望的観測ではなくあくまで実際の顧客をもとに作成してください。
リアルなペルソナを作成するにはターゲットの顧客に関するデータを収集することが大切です。
実際に顧客と対面している営業部門にヒアリングしたり、アンケート結果を分析したりして、ターゲット顧客のリアルなペルソナ像を作り上げましょう。
ペルソナの具体的な作成方法から作成においての注意点をまとめた記事があります。
「ペルソナとは?顧客のニーズに寄り添う組織を作る考え方と作成のポイント」気になった方は是非読んでみてください。
カスタマージャーニーマップのゴール設定
ペルソナを作成したらこのペルソナを最終的のどのような動きをして欲しいのかを決めます。
問い合わせ、商品の購入、資料請求など想定できるゴールは様々にあります。
ゴールによって与えるべき情報や集める情報、考える施策は大きく変化するのではじめに決めておきましょう。
カスタマージャーニーマップのフレーム設定
カスタマージャーニーマップのフレームとはペルソナの行動や感情の変化を入力するための枠組みのことです。
一般的な枠組みの一例は以下の通りです。
横軸に「認知」「興味関心」「比較検討」「行動」などの購買に至るプロセスをおき、縦軸に「タッチポイント」「行動」「思考」をおいたフレームです。
フレームはこのように単純なものから複雑なものまであります。
実際のフレームワークの一例を紹介します。
参照:The Anatomy of an Experience Map
鉄道会社Rail Europeでの乗車体験(調査〜予約〜旅行〜旅行後)を可視化したものです。
ペルソナの時間軸ごとのステージ、行動(タッチポイント)・思考・感情・(感情的な)体験、そこから得られる洞察と改善点がきれいにまとまっています。
マッピングのための情報収集
フレームワークを設定したら、顧客についての情報収集を行います。
設定されたフレームに則り、ペルソナ目線でどのようなタッチポイントがあるか、顧客はどのような行動するのか、そのときの思想は何か、その時生まれてくる課題は何で、どのように解決すべきかを検討します。
情報は調査結果や問い合わせ履歴、実際にペルソナに近しい人にインタビューなど社内で集められた顧客情報や市場調査の結果などから集めます。
情報のマッピング
集めてきた情報を設定したフレームに、顧客の行動、思考、感情などをマッピングしていきます。
部署や、役職を横断したメンバーを集め、ワークショップ形式で進めていきましょう。
経営層から営業、開発など様々な視点を持つことで多様な視点を持った検討ができ、カスタマージャニーマップづくりはより建設的なものになるでしょう。
カスタマージャーニーマップの作成
マッピングを終えたらいよいよペルソナが定めたゴールに向かうまでの行動や思考、感情を一連のストーリーとして結びつけていきます。
イラストを使用するなど直感的に理解しやすいように作成していきましょう。
カスタマージャーニーマップ作成にあたっての注意ポイント
多角的視点をもって検討できているか
カスタマージャーニーマップの作成を一人で行ってしまうことは論外です。
よくやってしまいがちですが、企業の中にはマーケティングの部門のメンバーで議論して、カスタマージャーニーマップを作成してしまうことが往々にしてあります。
生き方や立場が違えど、マーケティング部門として同じ思考や同じ立ち位置で物事に取り組んでいるため見方が一方的になってしまう恐れがあります。
カスタマージャーニーマップは自分だけ、もしくは自分の組織だけで取り組むものではなく、経営陣から営業、開発、サポートなど様々な部署や役職のものを加え、組織横断的に取り組むのが効果的だと言えます。
組織横断的な取り組みであれば、顧客と様々なタッチポイントを持つものが集まるので、多角的視点がもてます。
希望的観測で検討していないか
カスタマージャーニーマップを作成していく中で「こんな感じで行動してくれるはず」「この施策はユーザーのこの心情を動かす」など根拠のない願望をもとに作成されていないかチェックしていきましょう。
マッピングする際は調査やデータによって導き出された事実に近しい情報から記入していき、仮説検証を繰り返しながら正しい情報をマッピングしていきましょう。
はじめから高度なカスタマージャーニーマップは作成できない
先ほど紹介した鉄道会社Rail Europeのカスタマージャーニーマップは事細かに書かれており、こんなカスタマージャーニーマップ作成できる未来が見えないと思って挫折してしまう方もいると思います。
何事も初めからうまくできる人はいません。
まずはカスタマージャーニーマップを作ってみましょう。
作っていく中で顧客の行動理由の欠落や事実に裏付けされていないため埋められない場所があると思います。
まず、そこで自社のカスタマージャーニーマップ作成に必要な情報や顧客に対しての理解できていな部分が初めて明らかになります。
カスタマージャーニーマップの課題を発見したら、正確な情報を得るためにアンケート調査を行ったり、仮説検証を繰り返しましょう。
情報が埋まってきたら更に具体的な課題が浮かんできます。
これを繰り返していくことで、盤石なカスタマージャーニーマップを作り上げていけるのです。
カスタマージャーニーマップを作成してからが本番
高度で正確なカスタマージャーニーマップを作成するには大量の情報と人の目線、時間が必要であることが分かりました。
カスタマージャーニーマップの本質はマーケティング施策を実行するための設計図です。
よって、カスタマージャーニーマップが作成されてからが本番なのです。
さらに、世の中の状況は刻一刻と変化していき、顧客の購買方法や情報収集の仕方が変化していく中でカスタマージャーニーマップも変化させなければなりません。
半期や一年単位、新商品・サービスが出る段階でカスタマージャーニーマップを見直し、最適化する必要があります。
まとめ
カスタマージャーニーについて紹介してきました。
カスタマージャーニーはマーケティング施策をするための道筋であり、顧客の目線でマーケティング戦略を支える考え方です。
顧客の行動や商品・サービスの認知の仕方、購買方法が多様化している現状に売り手目線でなく顧客目線でマーケティング施策を改善できるカスタマージャーニーが最適です。
まずは、カスタマージャーニーを作成してみてそこから改善を図ってみましょう。
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