YOASOBI「夜に駆ける」はなぜ規制対象に?YouTubeで規制を受けた場合の対応とは

セルリア編集部 2021.06.04

5月末、「YOASOBI」がYouTubeで公開したMV「夜に駆ける」がYouTubeの規制対象になるという驚きの出来事がありました。若年層を中心に人気を集め、紅白でも歌われた楽曲のMVがなぜ規制対象となってしまったのでしょうか。

「夜に駆ける」が規制対象となった経緯

2019年11月16日に公開されたYOASOBIの代表曲「夜に駆ける」。
そのMVは全年齢が視聴できるコンテンツとして公開されており、2021年6月現在では再生回数が2億2000万回にまで及んでいます。

これまでは問題なく動画がスタートしていましたし、紅白歌合戦を始めYOASOBIが出演している歌番組やバラエティー番組では「夜に駆ける」のMVが取り上げられることもありました。

しかし、2021年5月30日、突如「夜に駆ける」のMVに事前警告メッセージが表示されました。

再生しようとすると
「次のコンテンツは、一部の視聴者にとって攻撃的または不適切な内容を含んでいるとYouTubeコミュニティが特定したものです。」
という注意書きが表示されました。

画像引用元:「夜に駆ける」MV、YouTubeの規制対象に 再生前に「攻撃的または不適切な内容」と注意書き / ITmedia NEWS

この注意書きには合わせて「理解した上で続行する」というボタンが表示されていたので、クリックすればMVが再生できます。
ただ、警告文が表示されてしまったことで内容を知らないユーザーから見ると、不適切な動画であるように見えてしまいます。

これを受け同日中にYOASOBIはTwitterにてGoogleと話し合いを進めていることを発表。
結果、翌日31日には規制解除されたことが同じくTwitterで投稿されました。

現在では警告文なく動画を視聴できます。

YouTubeはどんなことを規制しているのか

全てのユーザーが安心して動画を投稿・視聴しコミュニティを作れるよう、YouTubeでは許可されているコンテンツの種類や禁止されている行動をルール化している「コミュニティガイドライン」があります。


引用元:常識に沿って制作する: YouTube コミュニティ ガイドライン
https://www.youtube.com/watch?v=BL9galjJqHk

その中で、YouTubeではポルノコンテンツや暴力・差別を助長させるようなコンテンツ、自殺や自傷行為を促すコンテンツなどは全面的に許可していません。
他にも、他のユーザーに誤解を与えるようなコンテンツやスパムコンテンツ、不正行為が見られるコンテンツなども禁止しています。

どのコンテンツが許可されないものに分類されるかはそれぞれ細かく決められており、YouTube CreatorvAcademyでは動画と文章で詳しく解説されています。

YouTube のコミュニティ ガイドライン / YouTube CreatorvAcademy

どうして「夜に駆ける」が規制対象となってしまったのか

「夜に駆ける」のMVが規制されてしまった理由は残念ながらYouTubeおよびGoogleから発表されていません。
ただ、MVが「自殺」や「死」を扱ったものであったことから規制に繋がったことが推測できます。

「夜に駆ける」とその原作「タナトスの誘惑」について

「夜に駆ける」のMVは屋上に立つ2人の男女のカットから始まり、その2人を中心にポップなアニメ調で物語が進んでいきます。
その中には、フェンス越しに立つ人物のカットがあったり落下していくように見えるカットがあります。また、流血のようにも見える表現もあります。

また、「夜に駆ける」のMVは星野舞夜氏が小説投稿サイト「monogatary.com」にて公開した「タナトスの誘惑」の世界観を表しています。
「タナトスの誘惑」はマンションの屋上からの自殺を試みる”彼女”とそれを止めたい”僕”を描いた短編小説となっており、MVも「タナトスの誘惑」に近い内容となっています。

YouTubeでは自殺や自傷行為を促すコンテンツは認められていない

YouTubeは「自殺や自傷行為を助長するコンテンツ・ショックまたは不快感を与えることを意図したコンテンツを許可しない」とはっきり発表しています。

参照元:自殺や自傷行為に関するポリシー / YouTube

そのため、屋上から飛び降りてしまうような描写や曲の最後に死んでしまったかのような描写、そして流血のような表現がポリシーに反するとしてみなされてしまったことが推測できます。

ちなみにYouTubeではポリシーやガイドラインに反すると、事前警告メッセージが表示されます。これが「夜に駆ける」のMVで表示された注意書きにあたります。

影響力の高さから規制がかけられたことが伺える

「夜に駆ける」のMVが「自殺」や「死」をテーマにしたものであるのは明らかですが、規制対象とみなされたことが正しかったのか、あるいは少し厳しかったかについては意見が分かれるところです。

一個人としては、確かに不快な思いをする人や影響されかねない人もいるかもしれないとは思いつつも、規制対象になるのは少し厳しすぎるかなとも思いました。

ただ、2億2000万回も再生されている非常に影響力や拡散力が高いコンテンツであること若年層を中心に人気が高かったことから、特に厳しく規制が敷かれたのではないでしょうか。

事前警告メッセージが表示されてしまった場合の対応

YOASOBIはGoogle側と話し合いを行い、翌日には規制が解除されています。
では、自分が投稿した動画で同様なことが起こった場合はどのように対応すればいいのでしょうか。

事前警告を受けてしまった場合は、まず自分のコンテンツがコミュニティガイドラインやポリシーに違反しないかどうをもう一度よく見直してみてください。
思い当たることがない、YouTube側の誤りであることが考えられる場合は再審査生請求を行うことができます。

再審査請求を行う場合は「YouTube Studioベータ版」のダッシュボードにアクセスし、「チャンネルの違反回数」を選択。その後、再審査請求を選択します。
再審査の請求ができるのは30日間のみで、警告文メッセージが出た時だけでなく違反警告を受けっとった場合も同じように再審請求をします。

この時、動画を削除しても警告は解除されずそのまま残ってしまうだけでなく、2度と再審査請求が行えなくなるので注意してください。

事前警告を何度も受けるとどうなるか

事前警告を再び受けると1回目の違反警告が発行されます。
1回目の違反警告を受けると1週間すべての投稿ができなくなります。

そして90日以内に2回目の違反警告が発行されると再び投稿ができなくなります。
この時投稿できなくなる期間は2週間と長くなります。

さらに90日以内に3回目の警告が発行されるとチャンネルが停止されてしまい、利用できなくなります。

まとめ

YouTubeでは許可されていないコンテンツがあり、該当するコンテンツを公開してしまうと事前警告メッセージや違反警告を受けてしまいます。

ですが、今回話題となったYOASOBIの事例のように、影響力や拡散力が高いコンテンツは多くの人の目に触れるため、ほかの動画より厳しい基準が求められることがあります。

もし、違反の覚えがない警告を受けた場合は速やかに再審査請求をしましょう。

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YOASOBI「夜に駆ける」はなぜ規制対象に?YouTubeで規制を受けた場合の対応とは

                           
セルリア編集部 2021.06.04

5月末、「YOASOBI」がYouTubeで公開したMV「夜に駆ける」がYouTubeの規制対象になるという驚きの出来事がありました。若年層を中心に人気を集め、紅白でも歌われた楽曲のMVがなぜ規制対象となってしまったのでしょうか。

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「夜に駆ける」が規制対象となった経緯

2019年11月16日に公開されたYOASOBIの代表曲「夜に駆ける」。
そのMVは全年齢が視聴できるコンテンツとして公開されており、2021年6月現在では再生回数が2億2000万回にまで及んでいます。

これまでは問題なく動画がスタートしていましたし、紅白歌合戦を始めYOASOBIが出演している歌番組やバラエティー番組では「夜に駆ける」のMVが取り上げられることもありました。

しかし、2021年5月30日、突如「夜に駆ける」のMVに事前警告メッセージが表示されました。

再生しようとすると
「次のコンテンツは、一部の視聴者にとって攻撃的または不適切な内容を含んでいるとYouTubeコミュニティが特定したものです。」
という注意書きが表示されました。

画像引用元:「夜に駆ける」MV、YouTubeの規制対象に 再生前に「攻撃的または不適切な内容」と注意書き / ITmedia NEWS

この注意書きには合わせて「理解した上で続行する」というボタンが表示されていたので、クリックすればMVが再生できます。
ただ、警告文が表示されてしまったことで内容を知らないユーザーから見ると、不適切な動画であるように見えてしまいます。

これを受け同日中にYOASOBIはTwitterにてGoogleと話し合いを進めていることを発表。
結果、翌日31日には規制解除されたことが同じくTwitterで投稿されました。

現在では警告文なく動画を視聴できます。

YouTubeはどんなことを規制しているのか

全てのユーザーが安心して動画を投稿・視聴しコミュニティを作れるよう、YouTubeでは許可されているコンテンツの種類や禁止されている行動をルール化している「コミュニティガイドライン」があります。


引用元:常識に沿って制作する: YouTube コミュニティ ガイドライン
https://www.youtube.com/watch?v=BL9galjJqHk

その中で、YouTubeではポルノコンテンツや暴力・差別を助長させるようなコンテンツ、自殺や自傷行為を促すコンテンツなどは全面的に許可していません。
他にも、他のユーザーに誤解を与えるようなコンテンツやスパムコンテンツ、不正行為が見られるコンテンツなども禁止しています。

どのコンテンツが許可されないものに分類されるかはそれぞれ細かく決められており、YouTube CreatorvAcademyでは動画と文章で詳しく解説されています。

YouTube のコミュニティ ガイドライン / YouTube CreatorvAcademy

どうして「夜に駆ける」が規制対象となってしまったのか

「夜に駆ける」のMVが規制されてしまった理由は残念ながらYouTubeおよびGoogleから発表されていません。
ただ、MVが「自殺」や「死」を扱ったものであったことから規制に繋がったことが推測できます。

「夜に駆ける」とその原作「タナトスの誘惑」について

「夜に駆ける」のMVは屋上に立つ2人の男女のカットから始まり、その2人を中心にポップなアニメ調で物語が進んでいきます。
その中には、フェンス越しに立つ人物のカットがあったり落下していくように見えるカットがあります。また、流血のようにも見える表現もあります。

また、「夜に駆ける」のMVは星野舞夜氏が小説投稿サイト「monogatary.com」にて公開した「タナトスの誘惑」の世界観を表しています。
「タナトスの誘惑」はマンションの屋上からの自殺を試みる”彼女”とそれを止めたい”僕”を描いた短編小説となっており、MVも「タナトスの誘惑」に近い内容となっています。

YouTubeでは自殺や自傷行為を促すコンテンツは認められていない

YouTubeは「自殺や自傷行為を助長するコンテンツ・ショックまたは不快感を与えることを意図したコンテンツを許可しない」とはっきり発表しています。

参照元:自殺や自傷行為に関するポリシー / YouTube

そのため、屋上から飛び降りてしまうような描写や曲の最後に死んでしまったかのような描写、そして流血のような表現がポリシーに反するとしてみなされてしまったことが推測できます。

ちなみにYouTubeではポリシーやガイドラインに反すると、事前警告メッセージが表示されます。これが「夜に駆ける」のMVで表示された注意書きにあたります。

影響力の高さから規制がかけられたことが伺える

「夜に駆ける」のMVが「自殺」や「死」をテーマにしたものであるのは明らかですが、規制対象とみなされたことが正しかったのか、あるいは少し厳しかったかについては意見が分かれるところです。

一個人としては、確かに不快な思いをする人や影響されかねない人もいるかもしれないとは思いつつも、規制対象になるのは少し厳しすぎるかなとも思いました。

ただ、2億2000万回も再生されている非常に影響力や拡散力が高いコンテンツであること若年層を中心に人気が高かったことから、特に厳しく規制が敷かれたのではないでしょうか。

事前警告メッセージが表示されてしまった場合の対応

YOASOBIはGoogle側と話し合いを行い、翌日には規制が解除されています。
では、自分が投稿した動画で同様なことが起こった場合はどのように対応すればいいのでしょうか。

事前警告を受けてしまった場合は、まず自分のコンテンツがコミュニティガイドラインやポリシーに違反しないかどうをもう一度よく見直してみてください。
思い当たることがない、YouTube側の誤りであることが考えられる場合は再審査生請求を行うことができます。

再審査請求を行う場合は「YouTube Studioベータ版」のダッシュボードにアクセスし、「チャンネルの違反回数」を選択。その後、再審査請求を選択します。
再審査の請求ができるのは30日間のみで、警告文メッセージが出た時だけでなく違反警告を受けっとった場合も同じように再審請求をします。

この時、動画を削除しても警告は解除されずそのまま残ってしまうだけでなく、2度と再審査請求が行えなくなるので注意してください。

事前警告を何度も受けるとどうなるか

事前警告を再び受けると1回目の違反警告が発行されます。
1回目の違反警告を受けると1週間すべての投稿ができなくなります。

そして90日以内に2回目の違反警告が発行されると再び投稿ができなくなります。
この時投稿できなくなる期間は2週間と長くなります。

さらに90日以内に3回目の警告が発行されるとチャンネルが停止されてしまい、利用できなくなります。

まとめ

YouTubeでは許可されていないコンテンツがあり、該当するコンテンツを公開してしまうと事前警告メッセージや違反警告を受けてしまいます。

ですが、今回話題となったYOASOBIの事例のように、影響力や拡散力が高いコンテンツは多くの人の目に触れるため、ほかの動画より厳しい基準が求められることがあります。

もし、違反の覚えがない警告を受けた場合は速やかに再審査請求をしましょう。

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