SNSでの誹謗中傷はなぜ起こる?誹謗中傷につながる要因と企業ができる対策

セルリア編集部 2021.08.02

オリンピックのメダリストがSNSで誹謗中傷される出来事が今話題となっています。
近年、日本の社会的な問題としてクローズアップされているSNSの誹謗中傷ですが、なぜ、SNSでの誹謗中傷が多いのか、誹謗中傷にはどう対策すべきなのかここでは考察します。

SNSでの誹謗中傷はなぜこれほどまでに多くなってしまったのか

SNSでの誹謗中傷が社会問題化するほど多くなってしまった理由には、様々な要因が考えられます。

ここではSNSでの誹謗中傷が増えてしまった要因にはどんなことが挙げられるのかを考察します。

SNSの持つ「匿名性」によって発言が過激になりやすい

一部例外はありますが、基本的にSNSでは本名を登録する必要がありません。
自由にユーザーネームやアカウント名を設定できるので、自分がどこの誰なのかを公開せずに意見や思いを述べることができます。

匿名での投稿には、気軽にコミュニティに参加したり、自由に発言ができたりする良さがあります。

しかし一方で、匿名であるがために自分の発言・行動への責任感が低下したり、他者を攻撃することへのハードルが低くなってしまう傾向があります。

そのため、「誰かを攻撃しても匿名だからどうせバレない」「匿名だし何を言っても良い」という気持ちになりやすく、それが誹謗中傷や悪意のある投稿に繋がってしまうことが考えられます。

ただ、SNSは完全に匿名というわけではありません。
誹謗中傷や悪意のある投稿をされた場合、情報開示請求をして誰が投稿したのか特定したり、責任を追及することもできます。
それを意識した上で投稿内容を考えることが大切です。

”ネット上”という相手が見えにくい状態が原因である場合も

SNSでは、メッセージを送っている相手が見えません。
思いや意見を投稿したり、メッセージを送ったりしても相手の存在が視覚的に認識できないため、自分の発言が相手をどういう気持ちにさせるかということへの意識が欠けてしまいがちになることも要因として挙げられます。

特定の相手に対して投稿・メッセージを残している以上、画面の向こう側には相手がいます。
SNSの投稿ではその点をより一層意識することが大切です。

間違った正義感が誹謗中傷になるケースも多い

「悪いことをしているから叩いて当然だ」「何を言っても許される」「自分は正しい」という思いから投稿内容がエスカレートし、誹謗中傷につながるケースも非常に多いです。

こういったケースの場合、他者を傷つけるために投稿するというより、行き過ぎた正義感が原因で起こってしまいます。

間違った正義感が誹謗中傷になるケースはスキャンダル問題を起こした芸能人や著名人、政治家などがターゲットとなることが多いです。

他にも「自分の常識から外れた一般人」などもターゲットとして挙げられます。
わかりやすい例で言えば、緊急事態宣言中の「自粛警察」が挙げられるでしょう。
自粛警察は、緊急事態宣言中に外出自粛に従っていない人に対して過剰に指摘していた人を指します。
この場合、指摘や嫌がらせのターゲットには一般人も含まれており、無名の個人間でトラブルになってしまうこともありました。

また、間違った正義感は誹謗中傷につながるだけでなく、全く関係ない人を吊るし上げるトラブルにも繋がっています。

「みんながやっているからやってもいい」でエスカレートする

誹謗中傷などのネガティブな投稿やメッセージは、ポジティブな投稿やメッセージに比べると目に付きやすく、話題にもなりやすい特徴があります。

一度ネガティブなことで話題になってしまうと、人が多く集まってしまい、やがて「みんなが言っているから私も言っていい」と誹謗中傷がエスカレートすることもあります。

SNSの誹謗中傷はどう対策するか

個人のネットリテラシーだけに頼っていては誹謗中傷は防げない

企業の中にはSNSを運用していたり、自社サービス内でユーザー同士が交流できるサービスを行っていたりする場合もありますよね。
そこでのトラブルを防ぐにはどうしても企業側の努力が欠かせません。

というのも、誹謗中傷をしてしまうユーザーは悪意がなかったり、わざとやっていたり、誹謗中傷自体を深刻な問題と捉えていなかったりすることが多く、ネットマナーの啓発を行っても限界があることがほとんどです。

コミュニティやSNS内で誹謗中傷のトラブルを防ぐためには、どうしても誹謗中傷をできるだけ少なくするための施策が必要です。

ツールなどを導入して誹謗中傷や差別的な内容などを書き込めないようにする

企業ができる誹謗中傷対策の1つとして、ツールなどを導入して誹謗中傷や差別的な内容などを書き込めないようにする方法があります。

例えば以前、以下のようなサービスを紹介しました。
その投稿ちょっと待って!AIが投稿内容の再考を促すサービス「matte」がリリース
これはAIが投稿内容を読み取り、誹謗中傷や荒らし投稿ではないかを判断し、不適切なものと判断した場合にポップアップを表示させるシステムです。

他にも、特定の語を含む投稿を表示されないようにする、メッセージが送られてきた場合、受け取れるものと受け取れないものを選別できるようにするなど機能を充実させることで誹謗中傷のトラブルを防ぐことができます。

コミュニティを放置せず監視体制を整える

また、前回取り上げたはてブやヤフコメにもあるように、誹謗中傷や悪意のある投稿を見られないようにするのも対策の1つです。

投稿の監視体制を整えることで、SNSやコミュニティを無法地帯にせず、建設的でより公平な場所にできるので、誹謗中傷投稿がはびこりにくくなります。

SNSの誹謗中傷を防ぐにはユーザー・運営者両方の努力が必要

SNSでの誹謗中傷をなくすには一人一人が自分の投稿に責任を持つことも¥が必要です。

しかし、それだけではSNSの誹謗中傷は完全無くなりません。
トラブルを最小限に留めるにはSNSやコミュニティの運営者が監視体制を整えたり、悪意のある投稿をできないようにする必要があります。

SNSを活用したり、コミュニティマーケティングを行ったりする場合は対策を怠らないようにしましょう。

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SNSでの誹謗中傷はなぜ起こる?誹謗中傷につながる要因と企業ができる対策

                           
セルリア編集部 2021.08.02

オリンピックのメダリストがSNSで誹謗中傷される出来事が今話題となっています。
近年、日本の社会的な問題としてクローズアップされているSNSの誹謗中傷ですが、なぜ、SNSでの誹謗中傷が多いのか、誹謗中傷にはどう対策すべきなのかここでは考察します。

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SNSでの誹謗中傷はなぜこれほどまでに多くなってしまったのか

SNSでの誹謗中傷が社会問題化するほど多くなってしまった理由には、様々な要因が考えられます。

ここではSNSでの誹謗中傷が増えてしまった要因にはどんなことが挙げられるのかを考察します。

SNSの持つ「匿名性」によって発言が過激になりやすい

一部例外はありますが、基本的にSNSでは本名を登録する必要がありません。
自由にユーザーネームやアカウント名を設定できるので、自分がどこの誰なのかを公開せずに意見や思いを述べることができます。

匿名での投稿には、気軽にコミュニティに参加したり、自由に発言ができたりする良さがあります。

しかし一方で、匿名であるがために自分の発言・行動への責任感が低下したり、他者を攻撃することへのハードルが低くなってしまう傾向があります。

そのため、「誰かを攻撃しても匿名だからどうせバレない」「匿名だし何を言っても良い」という気持ちになりやすく、それが誹謗中傷や悪意のある投稿に繋がってしまうことが考えられます。

ただ、SNSは完全に匿名というわけではありません。
誹謗中傷や悪意のある投稿をされた場合、情報開示請求をして誰が投稿したのか特定したり、責任を追及することもできます。
それを意識した上で投稿内容を考えることが大切です。

”ネット上”という相手が見えにくい状態が原因である場合も

SNSでは、メッセージを送っている相手が見えません。
思いや意見を投稿したり、メッセージを送ったりしても相手の存在が視覚的に認識できないため、自分の発言が相手をどういう気持ちにさせるかということへの意識が欠けてしまいがちになることも要因として挙げられます。

特定の相手に対して投稿・メッセージを残している以上、画面の向こう側には相手がいます。
SNSの投稿ではその点をより一層意識することが大切です。

間違った正義感が誹謗中傷になるケースも多い

「悪いことをしているから叩いて当然だ」「何を言っても許される」「自分は正しい」という思いから投稿内容がエスカレートし、誹謗中傷につながるケースも非常に多いです。

こういったケースの場合、他者を傷つけるために投稿するというより、行き過ぎた正義感が原因で起こってしまいます。

間違った正義感が誹謗中傷になるケースはスキャンダル問題を起こした芸能人や著名人、政治家などがターゲットとなることが多いです。

他にも「自分の常識から外れた一般人」などもターゲットとして挙げられます。
わかりやすい例で言えば、緊急事態宣言中の「自粛警察」が挙げられるでしょう。
自粛警察は、緊急事態宣言中に外出自粛に従っていない人に対して過剰に指摘していた人を指します。
この場合、指摘や嫌がらせのターゲットには一般人も含まれており、無名の個人間でトラブルになってしまうこともありました。

また、間違った正義感は誹謗中傷につながるだけでなく、全く関係ない人を吊るし上げるトラブルにも繋がっています。

「みんながやっているからやってもいい」でエスカレートする

誹謗中傷などのネガティブな投稿やメッセージは、ポジティブな投稿やメッセージに比べると目に付きやすく、話題にもなりやすい特徴があります。

一度ネガティブなことで話題になってしまうと、人が多く集まってしまい、やがて「みんなが言っているから私も言っていい」と誹謗中傷がエスカレートすることもあります。

SNSの誹謗中傷はどう対策するか

個人のネットリテラシーだけに頼っていては誹謗中傷は防げない

企業の中にはSNSを運用していたり、自社サービス内でユーザー同士が交流できるサービスを行っていたりする場合もありますよね。
そこでのトラブルを防ぐにはどうしても企業側の努力が欠かせません。

というのも、誹謗中傷をしてしまうユーザーは悪意がなかったり、わざとやっていたり、誹謗中傷自体を深刻な問題と捉えていなかったりすることが多く、ネットマナーの啓発を行っても限界があることがほとんどです。

コミュニティやSNS内で誹謗中傷のトラブルを防ぐためには、どうしても誹謗中傷をできるだけ少なくするための施策が必要です。

ツールなどを導入して誹謗中傷や差別的な内容などを書き込めないようにする

企業ができる誹謗中傷対策の1つとして、ツールなどを導入して誹謗中傷や差別的な内容などを書き込めないようにする方法があります。

例えば以前、以下のようなサービスを紹介しました。
その投稿ちょっと待って!AIが投稿内容の再考を促すサービス「matte」がリリース
これはAIが投稿内容を読み取り、誹謗中傷や荒らし投稿ではないかを判断し、不適切なものと判断した場合にポップアップを表示させるシステムです。

他にも、特定の語を含む投稿を表示されないようにする、メッセージが送られてきた場合、受け取れるものと受け取れないものを選別できるようにするなど機能を充実させることで誹謗中傷のトラブルを防ぐことができます。

コミュニティを放置せず監視体制を整える

また、前回取り上げたはてブやヤフコメにもあるように、誹謗中傷や悪意のある投稿を見られないようにするのも対策の1つです。

投稿の監視体制を整えることで、SNSやコミュニティを無法地帯にせず、建設的でより公平な場所にできるので、誹謗中傷投稿がはびこりにくくなります。

SNSの誹謗中傷を防ぐにはユーザー・運営者両方の努力が必要

SNSでの誹謗中傷をなくすには一人一人が自分の投稿に責任を持つことも¥が必要です。

しかし、それだけではSNSの誹謗中傷は完全無くなりません。
トラブルを最小限に留めるにはSNSやコミュニティの運営者が監視体制を整えたり、悪意のある投稿をできないようにする必要があります。

SNSを活用したり、コミュニティマーケティングを行ったりする場合は対策を怠らないようにしましょう。

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