図書館の蔵書点検には課題がある

図書館では、本の貸し出しだけでなく蔵書がきちんとあるのか点検することも業務の一環です。
しかし、蔵書点検は館内にある全ての本をバーコードで読み取り、所蔵データと照らしていく作業なので、とても時間がかかります。
また、RFIDというICタグを貼り付けて蔵書を読み取る技術もありますが、1冊1冊ICタグを貼り付ける作業は時間がかかるうえに、機器の導入にもコストがかかってしまいます。

さらに、近年は図書館でも人手不足が足りなくなっていることも課題となっており、図書館の業務効率化は急務となっています。

蔵書点検等の業務を支援する「SHELF EYE」

そんな中、図書館の業務を効率化させるために開発されたのが、「SHELF EYE」。
「SHELF EYE」は、京セラコミュニケーションシステム株式会社が開発したAIシステムで、タブレットのカメラ機能で撮影した背表紙の画像をAIが解析する仕組みとなっています。
よって、蔵書の背表紙をカメラで映せばどの本がなくてどの本があるのかをチェックできるので、蔵書点検の時間や手間を大幅に削減できます。

また、これまではシステムを導入する際は専用の機器を設置しなければなりませんでしたが、「SHELF EYE」はシステムが組み込まれたタブレットだけあれば良いので、楽に導入することができるのも魅力です。

さらに、蔵書を点検し終わった後にCSVデータに出力することもできますし、貸し出し機と連携させてどの本が書架にあるのかリアルタムでチェックすることも可能です。

出典：PR TIMES

鹿児島市の図書館に初めて導入

京セラコミュニケーションシステム株式会社は、2022年6月15日、「SHELF EYE」を図書館に導入していることを発表しました。
公共の図書館では初めての導入で、場所は鹿児島市にある天文館図書館です。

天文館図書館は繁華街の中にある図書館で、年中無休で運営していることから書架の整理をする時間が限られているため、導入に至ったとのこと。

実際、業務の工数を減らすことに成功しており、今後ますます活用が期待されています。