富士通株式会社が開発した「歩容照合技術」とは？

今回、富士通株式会社が開発したのは歩容照合技術と呼ばれる、歩く姿(腕の振り方や歩幅、姿勢)などから人物を照合する技術のことです。

この技術には2つのものが活用されています。

1つが人の関節の位置から姿勢を推定できる汎用深層学習モデルです。
「行動分析技術 Actlyzer（アクトライザー）」という富士通株式会社の技術で、すでに商品化されています。

2つ目が、できるだけ正しいデータを得られるよう映像を変換して、人物を照合しやすくする技術です。これも富士通独自の技術となっています。

「歩容照合技術」では、行動分析技術 Actlyzerで関節点の情報を抽出して、2つ目の技術で関節点の情報を変換して歩容の特徴を抽出し、人物を照合しています。

出典：PR TIMES

これら2つを組み合わせて学習させ、約1,700人を対象に撮影した映像で検証したところ、約90％という高い精度で照合することに成功しました。

将来性について

歩容照合技術は様々な場面での活用が想定できます。
例えば、子供が迷子になってしまった場合や高齢者が行方不明になってしまった場合などに活用することができるでしょう。また、他にも犯罪の捜査など、安心安全な生活に役立てられることも考えられます。

発表によると、富士通株式会社は2023年度の実用化を目指して実証をおこなっていくとのことなので、今後「歩容照合技術」を用いたサービスが登場することが期待されます。