お米の異品種混入(コンタミ)をAIが見つけるスマートフォンアプリの実証実験が成功

セルリア編集部 2020.12.08

青森県三沢市の総合米穀卸業者・株式会社KAWACHO RICEと、同じく同市でITサービスを展開する株式会社ヘプタゴンが、AIで米の銘柄を判定するスマートフォンアプリを開発しました。

お米の検査・コンタミ防止チェックで抱える課題

日本の食卓に欠かすことのできないお米。
お米が収穫されてから私たち一般消費者の元に届くまでには、様々な検査が行われています。
その中の1つが「コンタミ」の防止チェックです。
コンタミとは異品種混入のことで、違った品種のお米が混じってしまうこと指します。

コンタミ防止のチェックは、専門の資格を持っている検査員によって行われますが、その方法は目視。検査員がサンプル品を一粒一粒チェックして、他の品種が混じってしまっていないか確認しています。

そのため、コンタミ防止のチェックは非常に手間がかかる上、人材育成にも時間がかかる、具体的なデータを出せないという課題を抱えています。

RiceTagプロジェクトでアプリ開発に着手

2019年夏、青森県三沢市に拠点を構える総合米穀卸業者・株式会社KAWACHO RICEとIT企業の株式会社ヘプタゴンは、コンタミ防止のチェックの課題を解決するためのプロジェクト「RiceTagプロジェクト」を開始。
およそ一年をかけて、2社は撮影した米粒の写真から米の銘柄を判定するアプリを開発しました。


出典:株式会社ヘプタゴン

検査対象の米粒から無作為に複数の米粒を抽出して行なった実証実験では、青森県産米4銘柄・秋田県産米4銘柄の判定に成功。現在の精度では、資格を持っている検査員と同じくらいの正解率が得られているそうです。

AIで多くのお米の判別が可能に

日本で登録されている米の品種数は900種。このうち主食用として多く使われているのは、およそ300種。これらの違いを目視で確認できるようになるためには、時間がかかります。

しかしAIならば、既存の米の写真やデータなどを学習させるだけで、多くの品種の判別が可能になります。
この技術は、コンタミのチェックだけでなく、他の場面でも活用できるのではないでしょうか。

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お米の異品種混入(コンタミ)をAIが見つけるスマートフォンアプリの実証実験が成功

                           
セルリア編集部 2020.12.08

青森県三沢市の総合米穀卸業者・株式会社KAWACHO RICEと、同じく同市でITサービスを展開する株式会社ヘプタゴンが、AIで米の銘柄を判定するスマートフォンアプリを開発しました。

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お米の検査・コンタミ防止チェックで抱える課題

日本の食卓に欠かすことのできないお米。
お米が収穫されてから私たち一般消費者の元に届くまでには、様々な検査が行われています。
その中の1つが「コンタミ」の防止チェックです。
コンタミとは異品種混入のことで、違った品種のお米が混じってしまうこと指します。

コンタミ防止のチェックは、専門の資格を持っている検査員によって行われますが、その方法は目視。検査員がサンプル品を一粒一粒チェックして、他の品種が混じってしまっていないか確認しています。

そのため、コンタミ防止のチェックは非常に手間がかかる上、人材育成にも時間がかかる、具体的なデータを出せないという課題を抱えています。

RiceTagプロジェクトでアプリ開発に着手

2019年夏、青森県三沢市に拠点を構える総合米穀卸業者・株式会社KAWACHO RICEとIT企業の株式会社ヘプタゴンは、コンタミ防止のチェックの課題を解決するためのプロジェクト「RiceTagプロジェクト」を開始。
およそ一年をかけて、2社は撮影した米粒の写真から米の銘柄を判定するアプリを開発しました。


出典:株式会社ヘプタゴン

検査対象の米粒から無作為に複数の米粒を抽出して行なった実証実験では、青森県産米4銘柄・秋田県産米4銘柄の判定に成功。現在の精度では、資格を持っている検査員と同じくらいの正解率が得られているそうです。

AIで多くのお米の判別が可能に

日本で登録されている米の品種数は900種。このうち主食用として多く使われているのは、およそ300種。これらの違いを目視で確認できるようになるためには、時間がかかります。

しかしAIならば、既存の米の写真やデータなどを学習させるだけで、多くの品種の判別が可能になります。
この技術は、コンタミのチェックだけでなく、他の場面でも活用できるのではないでしょうか。

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