煩雑な労務管理を効率化できる労務管理システムとは?利用するメリットや選び方を解説

DIGITOR編集部

会社を運営するのに欠かせない業務の1つである労務管理は、紙でやりとりすることが多い上に業務自体も煩雑であることがほとんどです。
そのため、「労務に関わる業務を効率化したい」「総務や人事の負担を減らしたい」と考えている企業は多いのではないでしょうか。

労務での煩雑な業務にお悩みの場合、おすすめなのが労務管理システムです。
労務管理システムとは労務に関わる業務を自動化・効率化するためのシステムで、リモートワークやテレワークによってペーパーレス化が進んでいることもあり、導入している企業は多く、さまざまなシステムが提供されています。

今回の記事では、労務に関わる業務でお悩みの企業向けに労務管理システムの特徴や選び方、おすすめのシステムを解説します。

そもそも労務管理とは何か

そもそも労務管理とは会社を運営するのに欠かせない業務の1つで、簡単にまとめると「従業員が働きやすい環境を整えるための業務」を指します。
例えば、
●入社・退社時に必要となる手続きをおこなう
●出退勤の時間を管理してどのくらい働いているかチェックする
●労働時間から給与金額を算出して決まった期日に支払う
といった業務が挙げられます。
なお、企業によっては人事評価を通じて従業員の能力を適切に把握し、従業員を適切な部署やプロジェクトに配置する人事業務も労務管理に含まれることもあります。

労務管理を自動化・効率化するのが労務管理システム

労務管理業務の内容は多岐にわたりますが、その一部を自動化・効率化するのが労務管理システムです。
例えば、労務管理システムだと出退勤の時間をシステムで正確に把握したり、把握した労働時間から給与を自動で計算したりすることが可能です。
また、入社に必要な雇用保険や社会保険の書類をシステム上のフォーマットを使用して簡単に作成したり、従業員の情報をデータベース化することもできます。

労務管理システムを利用するメリット

労務管理システムを利用するメリットには次の2点が挙げられます。

業務の効率化が図れる

まず挙げられるのが業務の効率化が図れる点です。

労務管理システムを利用することでこれまで手作業でおこなっていた業務を自動化することができるため、業務にかかる時間を短くすることができます。
そのため、従業員の業務負担が軽くなりますし、空いた時間は他の業務に充てることができます。
また、業務時間が短縮されることで、残業を減らすことにもつながるでしょう。

ペーパーレス化が実現できる

次に挙げられるのがペーパーレス化が実現できる点です。

これまで情報を管理したり必要な書類を作成したりするのに何かと紙が使われていました。
しかし、労務管理システムを導入することで従業員の情報はデータで管理できるようになりますし、わざわざ紙に印刷せずとも必要な書類を作成・提出することもできるようになります。

特に、近年はペーパーレス化の動きも盛んな上、働き方改革等でリモートワーク・テレワークが積極的におこなわれています。
労務管理システムを通じてペーパーレスを実現することで、新しい働き方にも対応できるようになるでしょう。

労務管理システムの選び方

では、どのようにして労務管理システムを選べばよいのでしょうか。
ここでは労務管理システムの選び方を解説します。

自動化・効率化したい業務にあったものを選ぶ

労務管理システムといっても、搭載されている機能はシステムごとに異なります。

例えば、freee株式会社が提供しているfreee人事労務の場合は、入社や退社の際の手続きや法的な書類の作成ができるだけでなく、勤怠管理や給与計算ができるようになっていますが、マネーフォワード クラウド社会保険は社会保険の手続きのみに特化しています。

このようにどのようなシステムを導入するかによって搭載されている機能が異なるため、自動化・効率化したい業務を洗い出してそれに合わせたシステムを選ぶとよいです。

自社で利用しているシステムと連携できるものを選ぶ

企業の中にはすでに、従業員の出勤・退勤を管理するための勤怠管理システムや従業員の情報を蓄積するためのタレントマネジメントツールを導入している企業もあるでしょう。
その場合、労務管理システムは自社で利用している勤怠管理システムやタレントマネジメントツールなどと連携できるものの方が望ましいです。

連携が可能なシステムであれば、情報が分散しなくて済みますし、複数のツールを横断するような業務であっても滞りなく進めることができます。

おすすめ労務管理システム10選

労務管理システムの利用を検討している企業の中には、「とりあえず多くの企業に使われているツールが知りたい」「人気の高いものから検討したい」と考えている企業もあるかと思います。

ここでは、おすすめ労務管理システムを10種類紹介しますので、ぜひ労務管理システム選びに役立ててみてください。

freee人事労務

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▶︎freee人事労務-公式サイト

freee人事労務はfreee株式会社が提供してる労務管理システムで、業種問わず多くの企業に利用されている実績があります。

freee人事労務はとても機能の種類が豊富で、労務管理システムとしてだけでなく勤怠管理システムとして活用することもできますし、給与計算ソフトとしても使うことができます。
労務の業務だけでなく勤怠の管理や経理業務の一部なども自動化したいと考えている企業におすすめです。

また、freee株式会社はfreee人事労務の他に、会計ソフトのfreee会計や登記変更に特化したfreee登記なども提供しており、他のサービスと連携することで社内のさまざまな業務を自動化・効率化できる魅力があります。

ジンジャー人事労務

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▶︎ジンジャー人事労務-公式サイト

ジンジャー人事労務はjinjer株式会社が提供している労務管理システムです。
労務関係の業務を全てペーパーレス化することで、従業員に関わる情報を一元管理で
きるようにするのがシステムのコンセプトとなっています。

ジンジャー人事労務では従業員のあらゆるデータを蓄積することができるようになっており、氏名はもちろん、所属や役職、学歴なども登録され、さまざまな切り口で従業員の情報を可視化することができます。
そのため、労務業務の効率化だけでなく人員配置などにも役立てられるでしょう。

SmartHR

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▶︎SmartHR-公式サイト

SmartHRは​株式会社SmartHR​が提供している労務管理システムです。
様々な業界の大手企業に導入されていることから、労務管理システムとして評価が高いことが伺えます。

SmartHRの特徴として挙げられるのが、労務に関わる業務の機能だけでなく、人事評価に関する機能も搭載されている点です。
ツール上で評価シートの作成から集計までをおこなうことができるため、従業員の基本的な情報(氏名・役職・学歴など)だけでなく人事評価に関する情報もデータベースとして保管することができます。
昇給の審査や人員配置にも役立てることができるため、労務だけでなく人事面でも自動化・効率化を図りたいと考えている企業におすすめです。

オフィスステーション労務

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▶︎オフィスステーション労務-公式サイト

オフィスステーション労務は株式会社エフアンドエムが提供している労務管理システムで、これまで​20,000​社以上に導入されてきた実績があります。

オフィスステーション労務では従業員の情報をデータベース化できるのに加えて、雇用契約書や従業員の社会保険料の一覧を作成したり、労務手続きをシステム上でおこなったり、給与データを蓄積したりすることが可能です。
特に、労務関係の業務の課題を解決したい場合におすすめです。

また、株式会社エフアンドエムはオフィスステーション労務以外にもマイナンバー関連のシステムや給与に関するシステム、有給管理に関するシステムなども提供しており、オフィスステーション労務と組み合わせることによって社内のペーパーレス化を進めることができます。
徐々にペーパーレス化を進めようとしている企業にぴったりではないでしょうか。

ジョブカン労務HR

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▶︎ジョブカン労務HR-公式サイト

ジョブカン労務HRは株式会社DONUTSが提供している労務管理システムです。
労務管理システムとして評価がとても高く、多くの企業に導入されています。

ジョブカン労務HRの特徴としては機能が充実している点が挙げられます。
例えば、労務手続きがおこなえるのはもちろんのこと、マイナンバーを管理したり従業員に対してストレスチェックを実施したりすることもできるようになっており、システム上で従業員のあらゆるデータを管理できるようになっています。

また、管理できるデータの種類が豊富なため、労務管理システムとしてだけでなくタレントマネジメントシステムとして活用することもできるので、人事にも役立てることが可能です。

奉行Edge 労務管理電子化クラウド

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▶︎奉行Edge 労務管理電子化クラウド-公式サイト

奉行Edge 労務管理電子化クラウドは株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供している労務管理システムです。
入社から退社に至るまでに発生する手続きをシステム上でおこなえるようになっており、導入することで業務時間をかなり圧縮することができるようになっています。

また、従業員の情報をWeb入力フォームから入力して一元管理することができるため、社員名簿などを紙で作らなくても済みます。

マネーフォワードクラウド社会保険

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▶︎マネーフォワードクラウド社会保険-公式サイト

マネーフォワードクラウド社会保険は株式会社マネーフォワードが提供している労務管理システムです。

労務管理システムの中でも社会保険に特化したシステムとなっており、入社届や社会保険届出書などの書類をシステム上で作成したりどの程度申請等が進んでいるか確認したりすることができます。
また、電子書類にも対応しているので、作成した書類をデジタルのまま提出することも可能です。

さらに、株式会社マネーフォワードは給与会計ソフトも提供しており、データを連携させることで給与計算業務やその他申請手続きもスムーズにおこなうことが可能です。
マネーフォワードクラウド給与をすでに導入している企業や社会保険に関する領域で効率化を図りたい企業におすすめです。

Chronowis

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▶︎Chronowis-公式サイト

Chronowisはパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社が提供している労務管理システムです。

主に労働時間を適切に把握するためのシステムとなっており、パソコンの稼働ログを取得することで労働時間を正確に把握し、なおかつパソコンに利用制限をかけることで長時間労働を抑止する狙いがあります。
特に労働時間を正確に把握しにくいリモートワークやテレワークを導入している企業におすすめです。

クラウドハウス労務

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▶︎クラウドハウス労務-公式サイト

クラウドハウス労務は株式会社Techouseが提供している労務管理システムです。
ペーパーレス化を進めたい企業に適したシステムとなっており、入社の手続きや年末調整などをまとめてシステム上でおこなうことができるようになっています。

また、クラウドハウス労務は労務管理システムとして機能が充実しているだけでなく、きちんと運用できるようサポートも充実しています。
電話・メールによる問い合わせに対応してくれるのはもちろん、担当者による導入支援も実施しているため、運用面で不安がある企業でも利用しやすくなっています。

HRBrain労務管理

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▶︎HRBrain労務管理-公式サイト

HRBrain労務管理は株式会社HRBrainが提供しているサービスです。
1000社以上に導入されており、多くの企業で活用されています。

HRBrain労務管理では、入社・退社の手続きをはじめ、情報を一元管理して社員名簿を作成したり年末調整に必要な書類を作成したりすることができるようになっています。
また、マイナンバーの管理もできるようになっているので、労務に関する業務をかなりスムーズに進めることができるでしょう。

さらに、株式会社HRBrainはHRBrain労務管理以外にもHRBrainタレントマネジメントというタレントマネジメントシステムを提供しており、データを連携させることで従業員の氏名や役職、労務に関わる情報だけでなく、評価やスキルなどの情報も一元管理することが可能となります。

労務管理システムを導入することで業務をスムーズにする

労務管理システムとは、従業員が働きやすい環境を整えるための業務を自動化・効率化するためのシステムのことで、導入すると業務の効率化が図れる・ペーパーレス化が実現できるなどのメリットを得ることができます。

労務管理システムを選ぶときは、自動化・効率化したい業務にあっているかや自社で利用しているシステムと連携できるかなどを軸にして選ぶと、自社に適したシステムを見つけることができます。

労務管理に大きな負担を感じているのであれば、ぜひこの機会に労務管理システムを導入してみてはいかがでしょうか。