DeepL翻訳とGoogle翻訳の違いとは【実際に使って検証】

DISITOR編集部

高い翻訳精度で評判のDeepL翻訳。

今までは翻訳言語が欧州言語のみだったのであまり馴染みがない方も多かった印象ですが、2020年3月19日に日本語にも対応したことで知名度や導入する企業が増加しています。

翻訳といえばGoogle翻訳が有名ですが、Google翻訳と比較してどのような違いがあるのでしょうか。

翻訳結果の違いやDeepL翻訳使用上の注意点を動画とともに解説します。

DeepL翻訳の主な性能

DeepL翻訳は、通常の単語別に翻訳を行うツールではなく翻訳AIに区別されます。 文脈や感情が翻訳結果から感じられ、自然な形で翻訳されるという評判が、人気の秘密でしょう。

また、簡単な方言でも翻訳可能ということもあり、様々な検証サイトが存在しています。

翻訳可能言語は2020年7月現在12種類で、Google翻訳と比較するとだいぶ少ない印象です。 翻訳可能な言語は以下の通りです。

・日本語
・英語
・ドイツ語
・フランス語
・スペイン語
・ポルトガル語
・ポルトガル語(ブラジル)
・イタリア語
・オランダ語
・ポーランド語
・ロシア語
・中国語(簡字体)

一方でGoogle翻訳は108種類の言語翻訳と短文・長文問わず音声を自動で翻訳する機能など、様々な機能が備わっています。

文語体の翻訳で検証する

海外企業などとビジネスをする場合や英語の論文などを閲覧する際に使われます。 今回は短い文章で検証してみます。

検証方法

株式会社セルリアは、様々なWebソリューションを組み合わせてクライアントに成果をもたらすサービスを展開しています。

この文章を

①英語に翻訳
②翻訳した文を日本語に翻訳
③複数回繰り返す

上記の方法で検証します。

Google翻訳の場合

英語に翻訳

日本語に翻訳

株式会社セルリアが、セルリア株式会社に変わる以外は文脈的に問題はありません。

英語に翻訳(2回目)

日本語に翻訳(2回目)

社名が完全におかしくなってしまっています。
そのほかは1回目と同様に意味はしっかりと通ります。

英語に翻訳(3回目)

日本語に翻訳(3回目)

おかしくなってた社名が元に戻りましたが、1回目と同様に株式会社セルリアがセルリア株式会社になってしまっています。
社名以外は意味はしっかりと通る印象です。

DeepL翻訳の場合

DeepL翻訳でも同様に検証していきます。

英語に翻訳

日本語に翻訳

文章全体は非常にわかりやすく構成されていますが、社名が誤変換されています。
「株式会社」の位置に関しては原文と同じようです。

英語に翻訳(2回目)

日本語に翻訳(2回目)

日本語に翻訳(3回目)

検証結果

Google翻訳はサービスを開発するニュアンスの翻訳で、DeepL翻訳はサービスを提供して成果を届けるニュアンスで翻訳されています。

意味はどちらの翻訳でも伝わりますが、どちらかといえば正しいニュアンスはDeepL翻訳です。

注意点

どちらの翻訳でも、社名が正しく翻訳されませんでした。
翻訳する際、社名などの固有名詞には注意した方が良さそうです。

また、Google翻訳では前株・後株の概念がないように見受けられました。

口語体の翻訳で検証する

メールやSNSなどで世界中のユーザーとコミュニケーションが取れる現代において、口語体の翻訳の制度は非常に重要です。

検証方法

おつ!今日暇!?地元にめっちゃいいバーができたから飲みいかん?めちゃテンション上がるで!

この文章を

①英語に翻訳
②翻訳した文を日本語に翻訳
③複数回繰り返す

上記の方法で検証します。

地元の良いバーに誘う文章です。 この意味合いが正しく伝われば、簡単なコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

Google翻訳の場合

英語に翻訳

「おつ!」は正しく翻訳されず、固有名詞として翻訳されています。

日本語に翻訳

「飲みいかん?」が「飲んでいいですか?」に翻訳されてしまっているので意味が違う文章になってしまいました。

複数回翻訳した結果

意味がだいぶ変わってしまいました。 口語体の文章はあまりGoogle翻訳には向かないようです。

DeepL翻訳の場合

英語に翻訳

「おつ!」が正しく翻訳されています。
しかし、「!?」が「!」しか認識していない印象を受けました。

日本語に翻訳

複数回翻訳した結果

こちらも意味は正しく翻訳されていません。
「!」や「?」の記号は最初の記号に合わせて翻訳を行なっているようです。

記号!?を?のみにして翻訳

「?」のみに変更しただけで、後に続く文章がかなり変化しました。 しっかりと通じる翻訳結果になっています。

検証結果

砕けた口語体の翻訳は、適切な条件のもとで翻訳機能を使えばDeepL翻訳の方がしっかりと意味が通る翻訳でした。

しかし、「!」や「?」を組み合わせた2つの記号使うのはやめておいたが良いでしょう。

前後の文で意味が変わるDeepL翻訳は口語体の翻訳において意味が通るだけでなく、細かいニュアンスも組んでくれる事が多いため、コミュニケーションが必要な際には重宝するツールです。

方言の翻訳を検証する

DeepL翻訳で特にユーザーが関心を示しているのが「方言」についてです。
どの程度の方言なら正しく翻訳可能なのかを検証していきます。

検証方法

やっぱりお好み焼きゆうたら大阪のお好み焼きでんなぁ

などの関西弁を翻訳してみます。

Google翻訳の場合

英語に翻訳

「ゆうたら」の部分が正しく翻訳されませんでした。

日本語に翻訳

日本語に直すと意味はわかりにくいです。
単語でどうにか言いたい事が見えてくるくらいです。

DeepL翻訳の場合

英語に翻訳

しっかりと意味が通る英文に翻訳されています。

日本語に翻訳

日本語に翻訳し直しても意味はしっかり通ることが確認できました。

難しい方言でDeepL翻訳を試してしてみる

少々難しい関西弁を試してみましょう。

これ、行きしに買うてきてん

「これ、ここに来る途中で買ったんだよね。」
のような意味の関西弁です。
「行きしに」という部分はあまり馴染みがないかもしれません。

早速検証してみましょう。

検証結果

少し難しい方言になると翻訳精度は低くなってしまう結果になりました。
かなりきつい方言での翻訳はやめておいた方が無難でしょう。

Google翻訳とDeepL翻訳の性能の違いまとめ

以上の検証結果からDeepL翻訳とGoogle翻訳の機能の違いをまとめてみました。

Google翻訳

DeepL翻訳

翻訳可能言語数

108言語

12言語

文語体

口語体

方言

×

自動検出機能

×

音声翻訳機能

×

多彩な機能を活用するならGoogle翻訳、テキスト翻訳の精度を重視するならDeepL翻訳といった、目的に沿ってツールを変更すると作業の効率化が見込めます。

DeepL翻訳を使う際の注意点

DeepL翻訳の無料版は、「入力したテキストとその翻訳は、翻訳アルゴリズムの強化及び性能向上を目的として、一定期間保存されます」とプライバシーポリシーに記載してあります。

文章が一定期間保存されてしまうので、社内メールなどの機密性が高い文章の翻訳はセキュリティ面で不安が残ります。

また、DeepL翻訳無料版の最大同時翻訳数は5000文字の制限が存在しており、長文の場合5000文字ごとに別の場所にコピーする必要性があります。

解決できる方法を紹介します。

有料版のDeepL Proの導入

有料版のDeepL翻訳DeepL Proを導入する事で、文章の保存や最大文字数が存在せずDeepL翻訳を使用できます。

また、文書ファイルを丸ごと翻訳できたり訳文をカスタマイズする機能が付属しているので様々なビジネスシーンで活躍します。

月額制か年額制から3つのプランを選択でき、プラン内容によって文書の翻訳数が増える仕組みです。

まとめ

DeepL翻訳の面白みはまだまだ発展途上だという事です。

今後もディープラーニングでの新しい言語学習や新機能・新言語の追加など様々な伸び代を秘めています。

例えば音声認識機能と合わせて、動画の自動翻訳や字幕の作成を行なったり、高い精度での同時翻訳が可能になるかもしれません。

今尚成長を続けるAI技術の発展が、さらに人々の生活を豊かに、便利にしていく未来がとても楽しみです。