リモートワークやテレワークが増えた影響で、従業員の出勤時間・退勤時間を正確に把握する勤怠管理システムは欠かせないものとなっています。
しかし、勤怠管理システムといっても製品によって機能はさまざま。
「結局どのシステムがいいのか分からない」と悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。
勤怠管理システムを選ぶときは自動化できる機能が揃っているか、他のシステムと連携ができるかなど、いくつかチェックしておくべきポイントがあります。
今回は勤怠管理システムの選び方とおすすめの製品をご紹介します。
勤怠管理システムとは?
先述したように勤怠管理システムとは、従業員がいつ出勤・退勤したかを正確に把握するためのシステムです。
出勤時間・退勤時間を把握できることから、
●1人1人の労働時間
●残業時間
●欠勤や有給休暇の有無
なども正確に把握でき、給与計算などに役立てることも可能です。
これまでは出勤・退勤を表計算ソフトでまとめたりタイムカードで管理したりするのが一般的でしたが、業界でリモートワーク・テレワークが普及したうえに、働き方改革によって客観的な方法で労働時間を把握する必要が発生したため、近年は勤怠管理システムを導入している企業は多いです。
勤怠管理システムを導入するメリット
勤怠管理システムを導入することで、次のようなメリットを得ることができます。
従業員の労働時間を正確に把握できる
勤怠管理システムを導入していない場合、出勤・退勤を従業員が自らシート等にまとめて申告しているケースが多いかと思います。
しかし、自己申告だとどの程度正確に記載するかは人によって異なり、中にはだいたいの時間で記載する方もいることから、正確な労働時間を把握するのはとても難しいです。
その点、勤怠管理システムを導入すればシステム上でいつ出勤・退勤したかがはっきりと記録されるため全ての従業員の労働時間を正確に把握することができます。
転記ミス・入力ミスを防げる
入力された出勤時間や退勤時間は労働時間を把握するためだけでなく、給与計算にも活用されます。
入力された情報から時間外の労働時間を計算して給与を割り出しますが、勤怠管理システムがない場合、出勤・退勤を転記していちいち計算しなければなりません。
その際、転記ミスや入力ミスがあると正しい金額を割り出すことができなくなってしまいますが、勤怠管理システムがあれば自動で労働時間を算出してくれるので、転記ミスや入力ミスによる計算ミスを防ぐことができます。
給与計算業務や有給管理業務を効率化できる
勤怠管理システムを導入すると先述したように正確な労働時間を自動で算出することができるので、計算の手間がなく、給与計算業務をかなり効率化することができます。
また、そのほかにも誰がいつ有給を使ったのかも把握しやすくなるので、有給の管理もスムーズにできるようになります。
どのデバイスからも打刻ができる
企業の中には、パソコンではなくスマートフォンやタブレットで仕事をしている方もいらっしゃるでしょう。
その場合、パソコンで出勤・退勤を管理していると不便ですよね。
勤怠管理システムであれば、どんなデバイスからも打刻できるシステムもあり、働き方に合わせて利用することが可能です。
不正打刻を防げる
不正打刻とは、不正におこなわれた打刻のことで欠勤・遅刻・早退等があったのにもかかわらずそれを誤魔化して打刻することや、残業している同僚にお願いして残業しているかのように打刻することを指します。
勤怠管理システムでは本人しか打刻できないよう認証システムが搭載されているものもあるので、上記のような不正打刻を防ぐこともできます。
勤怠管理システムの選び方
勤怠管理システムには様々な種類があり、どう選んだらいいのか分からないですよね。
そこでここでは、勤怠管理システムの選び方を解説します。
オンプレミス型かクラウド型かで選ぶ
勤怠管理システムには、オンプレミス型とクラウド型の2種類があります。
オンプレミス型とは、社内にサーバやシステムを構築して運用するタイプの勤怠管理システムで、導入コストは高いものの自社に合わせてカスタマイズできたり、通信障害に影響されないメリットがあります。
一方、クラウド型とはオンラインのサーバで提供されているものをネットを介して使用するタイプの勤怠管理システムで、テレワークやリモートワークに柔軟に対応できたり、保守や運用を全て提供している企業に任せられるメリットがあります。
それぞれ特徴やコスト感も異なるので、自社の働き方や企業形態に合わせて適した方を選ぶとよいです。
自動化するための機能が揃っているかチェックする
勤怠管理システムを選ぶ際には、どのような部分を自動化したいのかがとても重要です。
例えば、打刻時間を正確に把握できるようにするだけでなく、有給の管理や経費精算・給与計算なども自動化したい場合は、給与計算にも対応したシステムが必要になります。
そのため、選ぶ前に業務のどの部分を自動化したいのか洗い出しておくことが大切です。
全ての従業員が使える仕様になっているものを選ぶ
勤怠管理システムでは全ての従業員が使える仕様になっているかも重要です。
例えば、勤怠管理システムの中にはICカードを使って打刻するシステムがありますが、従業員のほとんどが車で通勤している場合、ICカードを使った打刻方法は少し不便さがあります。
また、リモートワークやテレワークが中心となっている場合、生体認証によるシステムをオフィスに導入してもうまく活用できないでしょう。
このように勤怠管理システムを選ぶときは従業員が使いやすいかどうかも念頭に入れて選ぶと、スムーズに運用することができます。
社内のシステムやツールと連携が可能か確認する
多くの企業では、業務を効率化するためにさまざまなシステムを導入しているかと思います。中には、給与計算や経費精算などでシステムやツールをすでに導入している企業もあるでしょう。
その場合、すでにある給与計算ツールや経費精算システム等と連携が難しい勤怠管理システムを導入してしまうと、効率化できるはずが逆に業務に余計な手間が発生してしまうことになりかねません。
勤怠管理システムを導入する際には、すでに社内に導入されているシステムやツールと連携が可能かどうかも視野に入れて選ぶと、使いやすいものを見つけることができます。
おすすめの勤怠管理システム10選
ここでは、「とりあえずおすすめの勤怠管理システムが知りたい!」という方に向けて、10種類の勤怠管理システムをご紹介します。
ぜひ、勤怠管理システムを導入する際の参考にしてみてください。
ジョブカン勤怠管理

▶︎ジョブカン勤怠管理-公式サイト
ジョブカン勤怠管理は株式会社DONUTSが提供している勤怠管理システムで、導入数としては業界トップを誇っています。
ジョブカン勤怠管理の魅力としては、どのような勤務形態にも対応していることで決まった時間にオフィスに出勤するような業務はもちろん、変形労働やフレックス、裁量労働にも対応しています。
また、ジョブカン勤怠管理は打刻方法が多彩で、パソコンやタブレットでの打刻はもちろん、ICカードでの打刻や指の静脈を使用した打刻のほか、LINEやSlackなどのチャットツールを使用した打刻もできるようになっています。
ジョブカン勤怠管理の料金プランは以下のようになっています。
●無料プラン
●[有料]プラン1・・・1ユーザーあたり200円
●[有料]プラン2・・・1ユーザーあたり300円
●[有料]プラン3・・・1ユーザーあたり400円
●[有料]プラン4・・・1ユーザーあたり500円
従業員数が500名以上の企業の場合は、別途見積もりが必要です。
freee人事労務

▶︎freee人事労務-公式サイト
freee人事労務はfreee株式会社が提供してる勤怠管理システムで、業種問わず多くの企業に導入されています。
freee人事労務の魅力としては、打刻だけでなく入社の手続きや給与の計算、明細の発行や振込など、人事や労務関連の業務を丸ごとIT化できる点です。
特に、人事や労務の業務負担が大きい企業にとっておすすめの勤怠管理システムといえます。
また、freee人事労務はクラウド型の勤怠管理システムなので、万が一従業員が記入をミスしてしまった場合でも即修正できますし、何よりリモートワークやテレワークを導入している企業でも利用しやすいです。
freee人事労務の料金プランは以下のようになっており、それぞれのプランで利用できる機能が異なるので自動化したい業務に合わせて契約するとよいです。
●ベーシック・・・月額3,980円(年払い)
●プロフェッショナル・・・月額3,980円(年払い)
●エンタープライズ・・・別途お問い合わせ
Money Forwardクラウド勤怠

▶︎Money Forwardクラウド勤怠-公式サイト
Money Forwardクラウド勤怠は株式会社マネーフォワードが提供している勤怠管理システムです。こちらも大手企業をはじめ多くの企業で導入されています。
通常の勤務形態はもちろん、シフト制や裁量労働制、フレックスタイム制に対応しており、どのような企業でも使用しやすい設計になっています。
従業員の労働時間については表で管理していて、月の労働時間を超過している場合は色が色がつけられており一目でわかるのが特徴です。
また、Money Forwardクラウド勤怠では勤怠管理ができるだけでなく、有給休暇の管理や移動履歴の管理、シフトの管理なども可能となっているので、労務や人事周りの業務をまとめて効率化することが可能です。
Money Forwardクラウド勤怠の料金プランは以下のようになっていますが、それぞれのプランに機能やオプションが付くと金額が上がることがあります。
●スモールビジネスプラン・・・1ヶ月あたり2,980円(年額プラン)
●ビジネスプラン・・・1ヶ月あたり4,980円(年額プラン)
従業員が50名以上いる企業の場合は別途見積もりが必要です。
勤怠管理システムKING OF TIME

▶︎勤怠管理システムKING OF TIME-公式サイト
勤怠管理システムKING OF TIMEは株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供している勤怠管理システムです。
業界トップクラスの勤怠管理システムで、打刻方法が充実しているという魅力があります。
例えばパソコンを使った打刻方法でも、共用パソコンにパスワード入力する方法やWebブラウザに接続して打刻する方法、Windowsのログオン・ログオフで打刻する方法など種類がかなり豊富なので、働き方や導入しているツールに合わせて設定することが可能です。
また、機能も充実しており、勤怠管理はもちろん残業時間の管理や有給の管理、給与計算ソフトとの連携も可能となっています。
勤怠管理システムKING OF TIMEの料金プランは、打刻する人数×300人とかなりシンプルな料金形態となっています。
AKASHI

▶︎AKASHI-公式サイト
AKASHIは、ソニービズネットワークス株式会社が提供している勤怠管理システムです。非常に使いやすい設計で利用者の満足度が高い特徴があります。
AKASHIの機能としては、労使協定が定める法令に基づいて勤怠管理ができることが挙げられます。時間外労働を法令に基づいた月45時間に設定できるので、超過している場合は適切に対応することが可能です。
また、AKASHIの独自機能としてプロジェクトの工数を管理できる機能があります。工数を見える化することで適切な労働時間の管理に役立てることができるでしょう。
AKASHIの料金プランは次の3つとなっていますが、それぞれ利用できる機能が異なるので、目的に合わせて導入すると良いでしょう。
●タイムレコーダープラン・・・月額1人あたり200円
●スタンダードプラン・・・月額1人あたり300円
●プレミアムプラン・・・月額1人あたり400円
ジンジャー勤怠

▶︎ジンジャー勤怠-公式サイト
ジンジャー勤怠はjinjer株式会社が提供している勤怠管理システムで、大手企業や学校法人などさまざまな組織に導入されています。
ジンジャー勤怠はバックオフィス業務をまとめておこなえるシステムとなっており、勤怠管理はもちろん、従業員に対しての契約業務に関わる機能や労務に関する機能なども搭載されています。
中でも従業員に関する情報を一元管理できるようになるので、バックオフィス業務がかなり効率化できるでしょう。
ジンジャー勤怠では従業員のデータベースは無料で、利用したいサービスに応じて1人あたり月額300円が発生します。
TeamSpirit

▶︎TeamSpirit-公式サイト
TeamSpiritは株式会社チームスピリットが提供している勤怠管理システムで、現在では1,600社以上に導入されています。
TeamSpiritは勤怠管理だけでなくバックオフィス業務全般を効率化できるのが特徴で、工数の管理や経費精算などについてもシステム上でおこなうことが可能です。
電子形式ですが、稟議書なども作成することができるので、総務や経理などの仕事をできるだけ効率化したいと考えている企業にはおすすめです。
AKASHIの料金プランは次の3つとなっています。それぞれ初期費用+月額費用という形になっています。
●TeamSpiritプラン・・・初期費用15万円+従業員1人あたり月額600円
●TeamSpirit HRプラン・・・初期費用25万円+従業員1人あたり月額900円
●TeamSpirit Leadersプラン・・・初期費用20万円+従業員1人あたり月額600円+リーダーについては1人あたり月額6,000円
なお、大企業向けにTeamSpirit EXプランもありますが、こちらは別途見積もりが必要です。
バイバイ タイムカード

▶︎バイバイ タイムカード-公式サイト
バイバイタイムカードは株式会社ネオレックスが提供している勤怠管理システムで、大手企業にも導入されています。
バイバイタイムカードの特徴としては、基本システムに加えて企業の形態に合わせたオプションを導入できることが挙げられます。
基本的な機能からオプション機能まで、とても充実しているので自社に合わせてシステムをカスタマイズしたいと考えている企業におすすめです。
バイバイタイムカードは料金プランが設定されてなく、導入時には見積もりが必要となっています。
kincone

▶︎kincone-公式サイト
kinconeは株式会社ソウルウェアが提供している勤怠管理システムです。
勤怠管理以外にも月末の経費精算機能も搭載されており、勤怠管理と経費精算をまとめて効率化することができます。
kinconeはクラウド型の勤怠システムなので、社外からの打刻にも対応しており、社外から打刻した場合は場所を地図上で確認することが可能となっています。
また、月の労働時間は従業員ごとに表でチェックできるようになっており、残業時間を超過している従業員がいれば一目で分かります。
kinconeの料金プランはシンプルで、従業員1人につき月額200円となっています。
レコル

▶︎レコル-公式サイト
レコルは中央システム株式会社が提供している勤怠管理システムで、とても使いやすいのが特徴です。
システムの設計はとてもシンプルで、ITツールに慣れていない方でも利用しやすいでしょう。
レコルの勤怠管理機能はもちろん、有休や休暇を管理する機能や有給・残業を申請する機能なども搭載されており、労務関係の業務をかなり効率化することができます。
また、レコルはチャットツール・slackや給与ソフトである弥生給与、人事・労務の効率化が図れるfreee人事労務など、さまざまな外部ツールとの連携が可能となっており、導入しやすい魅力もあります。
レコルの料金プランはとてもシンプルで分かりやすく、従業員1人につき月額100円となっています。
勤怠管理システムを導入して労働時間の管理を効率化
勤怠管理システムとは、従業員がいつ出勤・退勤したかを正確に把握するためのシステムで、導入することで、
●従業員の労働時間を正確に把握できる
●転記ミス・入力ミスを防げる
●給与計算業務や有給管理業務を効率化できる
●どのデバイスからも打刻ができる
●不正打刻を防げる
などのメリットを得ることができます。
ぜひ、従業員の労働時間の把握や総務・経理業務に課題がある企業は導入してみてはいかがでしょうか。