会計ソフトを選ぶときのポイントや使いやすくておすすめの会計ソフト10選

DIGITOR編集部

会社経営に欠かせない会計業務には、日々の経費を計上する業務など毎月日常的におこなう業務から、数字を記録してお金の流れを管理したり年間のお金の流れを決算書としてまとめる業務まで多岐に渡ります。
中には簿記の知識が必要な難しい業務や煩雑な手続きが必要な業務もあり、企業では会計ソフトを導入して誰でもスムーズに業務を進めるのが一般的です。

そのため、「自社にも会計ソフトを導入したい」と感じている企業の担当者もいるかと思いますが、会計ソフトには種類があるので導入する際にはポイントを押さえて選ぶ必要があります。

そこで、今回は「会計ソフトを導入したい」と考えている企業向けに会計ソフトの選び方とおすすめの会計ソフトを解説します。

企業のお金を管理する業務に欠かせない「会計ソフト」

会計ソフトとは、企業がおこなった様々な取引の内容を入力し、損益を明らかにして決算書を作成するためのソフトを指します。
会計業務に欠かせないソフトとなっており、多くの企業で会計ソフトは導入されています。

会計ソフトを利用するメリット

まず、メリットとして挙げられるのが帳簿を作成する業務がかなり効率化できる点です。
会計ソフトでは該当する勘定科目を選択して金額を入れるだけで帳簿に反映し自動で計算してくれるため、紙に記入・計算する手間が省けます。

次に、決算書などを簡単に作成できることが挙げられます。
会計ソフトは勘定科目とその金額をデータとして蓄積するため、決算書などの会計書類を作成する際に蓄積した会計データを流用することができ、アナログで帳簿をつけている時に比べて手早く決算書が作れます。

さらに、簿記の知識がない人の方でも帳簿作業ができることもメリットとして挙げられます。
本来帳簿をつけるには簿記の知識が欠かせませんが、会計ソフトの中には簿記の知識がなくても使用できるものがあるので、経理業務の経験がない方でも作業を進めることが可能です。

会計ソフトを選ぶときのポイント

会計ソフトを導入したいと思ったとき、どのようなポイントを押さえて選ぶとよいのでしょうか。
ここでは、会計ソフトの選び方を解説します。

法人向けの会計ソフトを選ぶ

会計ソフトには法人向けに提供されているものだけでなく、個人事業主やフリーランス向けに提供されているものもあります。

企業で会計ソフトを導入したい場合、個人向けの会計ソフトだと機能が足りないケースが起こり得るため、必ず法人向けの会計ソフトを選ぶようにしましょう。

業務に合った会計ソフトを選ぶ

会計ソフトを使用して業務をおこなうのは主に経理部の従業員ですが、経理部の業務内容は企業によって異なります。

例えば、経理部が請求書を発行して受け取る企業もあれば、経理部が請求書の発行をほとんどおこなわない企業もあります。
また、企業によっては給与計算や経費の計上などは経理部ではなく総務部が担当している企業もありますし、経理部で管理会計を担当している企業もあるでしょう。

このように経理部といってもおこなっている業務は企業によって異なっているので、業務にあった会計ソフトを選ぶとよいでしょう。

クラウド型かインストール型か選ぶ

会計ソフトにはクラウド型のソフトとインストール型の2種類があります。

クラウド型の会計ソフトとは、インストールの必要がなく、クラウド上にデータを記入・管理する会計ソフトのことです。

●初期費用がかからないことが多い
●メンテナンスの必要がない
●大人数での作業が可能
●デバイスに関わらずアクセスできる
などのメリットがあるので、コストを抑えたい企業やテレワークやリモートワークを導入している企業に適しています。

一方、インストール型の会計ソフトとは、パソコンにソフトをインストールしてデータを記入・管理する会計ソフトのことです。

●パッケージを購入すれば月額費用が発生しない
●複雑な入力が可能
●システム障害が起こりにくい
などのメリットがあるので、難しい会計業務がある企業にはインストール型の会計ソフトが適しています。

必要な機能・欲しい機能で選ぶ

会計ソフトの主な機能は
●勘定科目と金額を入力してあらゆる帳簿を作成する
●帳簿をもとに決算書を作成する
というもので、この機能はほぼ全ての会計ソフトに共通しています。

ただ、ツールごとに差別化を図るため、他にも機能されていることが多いです。
例えば、入力した会計データを用いて経営分析がおこなえる会計ソフトもあれば、請求書や見積書などの書類を発行できる会計ソフトも存在しています。

会計ソフトを選ぶときは、メインの機能以外にどのような機能が搭載されているのかチェックして、自社に便利な機能が搭載されている会計ソフトを選ぶと良いでしょう。

人気が高くて使いやすいおすすめ会計ソフト

会計ソフトはさまざまな企業から提供されており、迷ってしまう担当者の方も多いかと思います。
そこでここでは、人気が高くて使いやすい会計ソフトを解説します。

freee会計

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▶︎freee会計-公式サイト

freee会計はfreee株式会社が提供しているクラウド型の会計ソフトです。
クラウド上でデータを管理するため、企業に設置してあるサーバを使用することなく会計ソフトを利用できることからリモートワークやテレワークを導入している企業でも活用が可能です。

また、freee会計には分かりやすいガイドがついているため、会計の知識がない方や初めて会計ソフトを使う方でも使いやすく導入もしやすい魅力があります。
会計ソフトを初めて導入する、会計業務の経験があまりない従業員が利用するといった企業におすすめです。

さらに、会計業務の1つに決算書を作る業務がありますが、freee会計ではボタン1つで簡単に決算書を作成することができるため、会計業務の負担を軽減できる魅力もあります。

freee会計の利用プランは次の3種類です。
●月額1,980円のミニマムプラン
●月額3,980円のベーシックプラン
●月額29,800円のおまかせパック

弥生オンライン

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▶︎弥生オンライン-公式サイト

弥生オンラインは弥生株式会社が提供している会計ソフトです。
日付や金額を入力するだけで帳簿をつけることができるので、簿記の知識が一切ない方でも会計業務をおこなうことが可能です。
また、決算書についてもガイドに沿って簡単に作ることができる上に、税理士との連携もできるので会計業務をかなり軽減できるでしょう。

弥生オンラインは一定期間であれば無料で利用することが可能です。
無料の期間は企業から2年以内であれば2年間、2年を超える場合は1年間となっておりコストを抑えたい企業におすすめです。

弥生オンラインの利用プランは次の2種類が用意されています。
●年額26,000円のセルフプラン
●年額35,200円のベーシックプラン

マネーフォワードクラウド会計

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▶︎マネーフォワードクラウド会計-公式サイト

マネーフォワード クラウド会計は株式会社マネーフォワードが提供しているクラウド型の会計ソフトです。AIが導入されているのが特徴で、勘定科目を入力する際にデータをもとにAIが科目を提案してくれるので、スムーズに入力作業を進められるのが特徴です。

また、マネーフォワードクラウド会計はPOSレジや勤怠管理システムなど様々なシステムと連携ができるようになっており、入力や仕訳を効率よくおこなうことができるので、会計業務の負担を軽減することに繋がるでしょう。

マネーフォワード クラウド会計では次のようなプランが用意されています。
まず、個人事業主向けには
●年額9,600円のパーソナルミニプラン
●年額1,280円のパーソナルプラン
●年額35,760円のパーソナルプラスプラン
の3つがあります。

次に中小企業向けには
●年額2,980円のスモールビジネスプラン
●年額4,980円のビジネスプラン
の2つがあります。

勘定奉行クラウド

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▶︎勘定奉行クラウド-公式サイト

勘定奉行クラウドは株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供しているクラウド型会計ソフトです。
多くの企業に導入されている実績があり、会計ソフトの中でもトップシェアを誇っています。

システムにAIが組み込まれており、会計書類をアップロードするだけで簡単に仕訳ができます。そのため、同社が調べたところ会計業務の時間を9割削減することが可能とされています。

また、同じく株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する債務奉行クラウドと連携すれば支払予定表やFBデータもスムーズに作ることができます。

勘定奉行クラウドの利用プランは次の5種類が用意されています。
●月額6,000円のiEシステムプラン
●月額10,000円のiJシステムプラン
●月額17,000円のiAシステムプラン
●月額20,250円のiBシステムプラン
●月額24,000円のiSシステムプラン

PCA会計DX

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▶︎PCA会計DX-公式サイト

PCA会計DXはピー・シー・エー株式会社が提供している中小企業向けの会計ソフトです。
1台で利用する場合はパソコンにインストールするタイプのパッケージ版、複数のパソコンで利用したい場合はネットワーク版を契約する必要があります。

仕訳の承認や自動仕訳など会計ソフトとしての基本的な機能が充実しているだけでなく、APIによって他の製品と連携したりPCAFinTechサービスを利用して口座・クレジットでの取引を自動で仕訳することも可能です。

PCA会計DXの利用プランはパッケージ版とネットワーク版で異なります。
パッケージ版の場合は
●187,000円のシステムAプラン(機能制限版)
●297,000円のシステムBプラン
ネットワーク版の場合は
●44万円のEasyNetworkプラン
●55万円のwith SQLプラン
●90万2000円のwith SQLプラン
●44万円のfor SQLプラン
となっています。

会計王

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▶︎会計王-公式サイト

会計王はソリマチ株式会社が提供する会計ソフトです。
業務形態や業種によって適したバージョンが用意されていますが、通常の中小企業であればスタンダードなタイプのものか、ネットを通じて管理する会計王proがよいでしょう。

会計王はとても使いやすい設計になっており、最初に業種を入力しておけば、業種に合った勘定科目が選べるようになるので仕訳をする際にスムーズに入力を進めることができます。

また、会計王にはMoneylink機能というものがあり、クレジットカードや電子マネーの情報も簡単に入力することが可能です。

利用料金はパッケージ買い切り版の場合が44,000円、ネットワーク版の場合は別途問い合わせが必要です。

HANJO会計

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▶︎HANJO会計-公式サイト

HANJO会計はカシオ計算機株式会社が提供する会計ソフトで、中でも飲食店での経理業務に特化したものとなっています。

飲食店では店の営業等でなかなか会計業務をする時間がないケースも多いため、HANJO会計ではスマートフォンでレシートや領収書の写真を撮るだけで仕訳ができるようになっており、会計業務を効率よくおこなうことが可能です。

HANJO会計の利用料金は月額1,078円で、登録時は会計業務や確定申告についてのサポートが受けられるようになっています。

かんたんクラウド会計

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▶︎かんたんクラウド会計-公式サイト

かんたんクラウド会計は株式会社ミロク情報サービスが提供しているクラウド型の会計ソフトです。企業の中でも特に個人事業主・小規模の企業・中小企業をターゲットとしており、登録すると3つのアカウントが付与されます。

かんたんクラウド会計は名前の通り、簡単に利用できる会計ソフトで、自動仕訳機能がついているため、会計業務の経験がない人でも活用することができます。会社を立ち上げたばかりで会計に詳しい従業員がいないという場合でも利用できます。

また、かんたんクラウド会計は銀行やクレジットカードの取引明細のデータを連携することができるので、効率よく仕訳ができるのも魅力です。

かんたんクラウド会計の利用プランは次の2種類が用意されています。
●月額1,800円のかんたんクラウド会計 Basicプラン
●月額2,500円のかんたんクラウド会計 Plusプラン

フリーウェイ会計Lite

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▶︎フリーウェイ会計Lite-公式サイト

フリーウェイ会計Liteは株式会社フリーウェイジャパンが提供している会計ソフトです。
基本的な会計ソフトの機能が無料で使えるようになっており、会計ソフトのコストを抑えたい企業にはおすすめです。

株式会社フリーウェイジャパンは他に、給与計算ソフトであるフリーウェイ給与計算と販売管理ソフトであるフリーウェイ販売管理を提供していますが、いずれもフリーウェイ会計Liteと連携することが可能です。

フリーウェイ会計Liteは先述したように、無料で利用できますが月額3,500円の有料プランも用意されています。
有料プランではデータをパソコンとインターネット上に保管しておくことが可能です。

クラウド円簿

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▶︎クラウド円簿-公式サイト

クラウド円簿は株式会社円簿インターネットサービスによって提供されているクラウド型の会計ソフトです。
無料で利用することができる会計ソフトですがとても高性能で、仕訳帳や出納帳などさまざまな会計書類を作成することができます。

会計ソフトの費用を抑えたいと考えている企業や複数人で業務にあたることを想定している企業、リモートワークなどを取り入れている企業におすすめです。

会計ソフトを導入して会計業務をスムーズに

会社の規模が小さいうちは会計ソフトがなくても会計業務ができますが、会社が大きくなったり営業活動やマーケティング活動に力を入れていたりすると、会計業務の時間を取るのが難しくなります。

会計ソフトを導入することで、日々の会計業務をスムーズに進められますし、決算書などの作成も簡単にできます。 また、簿記の知識がない従業員にも会計業務を依頼できるようになります。

会計業務に大きな負担を感じている企業はぜひ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。